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「新ルール」に対する反応の違いに見る組織間の差

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いつもお世話になっています、株式会社エスノグラファーの神谷です。

このメルマガでは、月に2回のペースで、当社に寄せられたお悩みや共通する課題、プロジェクトの実例、イベント情報など旬なトピックをお届けしたいと思います。

有益な情報の発信に努めていきたいと思います。

今回も頂きましたご相談について動画で解説しております。
ご興味のあるテーマでしたら、ぜひ御覧いただけたらと思います。

今回もお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。


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◆「新ルール」に対する反応の違いに見る組織間の差
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最近、コンサルティングをする中で「新たなルール」を導入する機会が増えています。

例えば、決済処理のレポートラインを変更するとか、会議の形式を変えるとか、
コミュニケーションツールを変更するなど、広義のルール変更です。

このような時に、興味深いのが変更時の反応の違いです。
新ルールに対する従業員の反応を観察していると、組織によって全く異なるリアクションが見られるのです。


実例を提示しましょう。
ルールを変更したX社、Y社のそれぞれの反応です。

いずれも評価制度の運用ルールを変更したのですが、
組織内の反応には顕著な違いが見られました。


X社では、導入直後に一時的にメンバーが戸惑いを見せるものの、
導入の意味を理解すると、さっそく動き出しました。

管理職たちが個別に「実験」をしてみたり、独自に作成したノウハウや
補足資料を社内で共有したりして、早い段階で新ルールに順応しようと
知恵を編み出していくのです。


反対にY社では、導入前からネガティブな反応が見られました。
ルール変更の情報が現場に流れると「旧ルールがいかに支持されているか」を
訴える人が現れたり、「新ルールでは工数がかかるので、旧ルールに戻すべきだ」と
力説する人が現れたりして、導入の意思決定にさえ時間がかかってしまいました。

Y社ではその後、人事役員がトップダウンで新ルールの導入を決めましたが、
導入が決定した後も人事制度説明会で露骨に不満げな態度を示したり、
新ルールのデメリットを指摘する人、また、本質的ではない質問を
何度も人事部に問い合わせる人が散見されました。


新ルールに対する反応は、どうしてこれほど違うのでしょうか。

さまざまな要因が絡み合って、上述のようなリアクションの違いが
表出したのでしょうが、最も違ったのは「学習に対する態度」
だったのではないかと私は考えています。


X社には、新たなものを学び、組織の中に引き入れることの価値を理解し、
肯定的に学習を進める人々が多かった。反対にY社には、
学習=コストであると考え、組織の中から新規性を排除しようとする
人々が多かったのかもしれません。


どちらの方が良いのか?

価値判断を容易くすることはできませんが、経営学の研究では
前者の方が支持されています。新ルール導入後のパフォーマンスの
下落が一過性のもので、すぐに旧ルールを上回るパフォーマンスを
発揮する事例などが報告されています
(例えば、Ahearne, Lam, Matthieu & Bolandera,2010など)。

反対に、後者の後ろ向きな態度の人々に関しては、
パフォーマンスの停滞も長引き、なかなか従来の
パフォーマンスレベルに戻すことができないという研究結果です。

そのようなエビデンスを待たずとも、彼らを観察していて感じるのは、
明らかに前者の方が楽しそうであり、表情が明るく仕事をしているということ。

後者の人々はいつも不満げで怒ったような表情で力説をしていたのが印象的でした。


変化の時代です。

日常的にさまざまな変化が皆さんのもとへ訪れるでしょう。

その時に、大切なことは過去の学びや経験にすがらないことなのかもしれません。
変化に期待し、明日に向けて歩を踏み出す。

楽しくサバイバルしていくヒントはここにありそうです。


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◆ 「質問箱」への返答(動画コンテンツ)
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今号も、頂きましたご質問の回答をYOUTUBEで限定公開しております。

今回は以下のテーマについてお話しています。


■「一人前」人材のマンネリ化を防ぐ能力開発のポイントは?
https://youtu.be/jnbNF7WrTCU


管理職の方からご質問をいただきました。

管理しているメンバーが皆「一人前」の状態になり、仕事は問題なくこなせるようになったことで、
逆に、最近「マンネリ」を感じているメンバーがいることにお困りとのことでした。

今回の動画では、マンネリ化が招くリスクに触れるとともに、
一人前以上の社員の能力開発に有効なアプローチの紹介を行っています。


同じお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧いただけたらと思います。


今後もテレワークに関する調査や、人事課題(たとえば、組織開発・人材開発、
戦略人事や研修、採用・オンボーディング等)に関するご質問やご相談がございましたら、
以下からお気軽にご記入いただけたらと思います。

【匿名質問箱Peing】匿名でご質問いただけますので、お気軽にご利用下さい。
https://peing.net/ja/ethnographer

このメルマガでも取り上げさせていただこうと思います。


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◆ NEWS・情報発信
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~~~ 登壇イベント情報 ~~~

■【有料】2022年2月21日(月)~開講
宣伝会議主催:【オンデマンド配信】オンライン時代のマネジメント実践講座
https://note.com/ethnographer21/n/n282ed730895a
※お申し込みから7日間視聴可能なEラーニング講座です。

■【有料】2022年3月7日(月)19:00~21:00
般社団法人日本エンゲージメント協会主催:仕事に楽しみを呼び込む”遊び”の技術とは?
~エンゲージメントを高める人材・組織マネジメント~
https://note.com/ethnographer21/n/n0e629fe784f0

■【無料】2022年3月8日(火)19:00~20:30
戦略人事実践塾主催:「戦略人事実践塾」体験セミナー 
~戦略人事に求められるコンピテンシーを考える~ (人事責任者・経営ボードの方向け)
https://note.com/ethnographer21/n/nb3149a257614

~~~ 取材・記事掲載情報 ~~~

■採用学研究所の神谷俊氏と服部泰宏氏が2021年の採用を振り返り、
2022年を展望する――採用学8周年記念セミナー【後編】
https://note.com/ethnographer21/n/n764581d5f968

■MVVの効能と副作用(マイナビキャリアリサーチラボ)
https://note.com/ethnographer21/n/n467fa4d1b7d6

■リモートワークで『放置』しても成果を上げさせるコツ(マイナビニュース)
https://note.com/ethnographer21/n/naa4dc3255a6e

■みんなのアンラーニング論 組織に縛られずに働く、生きる、学ぶ(長岡健 著)
本書は、かつての慣習や常識を問い直す「アンラーニング」をテーマとした書籍です。
そのなかで、神谷俊が「先駆者」のモデルケースとして取り上げて頂いています。ぜひ、ご一読ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4798164313/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_82AQ0C9ATS3GDT6ZEM0Y

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今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
これからも有益な情報をお伝えできるように努めて参ります。

今後とも宜しくお願いいたします。


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【匿名質問箱Peing】 https://peing.net/ja/ethnographer
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株式会社エスノグラファー
神谷 俊 / KAMIYA SHUN
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