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機動戦士ガンダム 水星の魔女 第15話「父と子と」感想

※あまり下調べも確認もしないので間違いがあるかも。

Bパートは自分的に今作で一番の盛り上がり。あとスレッタの出番なし。

囚われのニカ

あの後拉致されたとみられ、ノレアに暴行を受けるニカ。横でグラスレーチームの面々が平然と見ていて、ポーカースマイルをしている者まで。

ニカは憎しみの連鎖を不毛だと説いたが、ノレアにとっては一番聞きたくない御託だろうし、それを分かった上での罵倒だとも言える。拘束されていないのは素人のニカでは反撃できないからだろうが、心は折れていないようだ。

語らうシャディクとサリウスから、「戦争シェアリング」という言葉が出てくるが、この時点ではピンとこなかった。地球を舞台にした代理戦争と言えばガンダムファイトだが、あれはコロニー同士の覇権争いのためであった。同じ構図に当てはめるならスペーシアンどうしの争いがあるなのに、そんなものは描かれていない。

フォルドの夜明けの正体

アバンから登場したアーシアンの「避難民」、こちらも代理戦争と同じく引っかかる言葉。フォルドの夜明けがテロリストあるいはゲリラ民兵なら、民間人を連れ歩くことはリスクでしかないはず。それに、そもそも何から避難してきたのか?

今週の最重要人物といえるオルコットは、元はドミニコスに所属していたが、戦闘の巻き添えで家族を失ったのをきっかけにフォルドの夜明けに身を投じたとのこと。複雑な情勢が次々と明かされるが、デリケートになりかねない話題をこれからどう扱っていくのだろうか?

グエルの再起

戦闘シーンだが、初めて普通の「戦闘」がクローズアップされたのではないだろうか。12話と14話でも殺し合いはあったが、魔女の絡んだ「事件」や意図しない「事故」に焦点が当てられていた。ベネリット側MSのビーム兵器は紫色の実戦仕様、そしてアーシアン側の武装として「チェーンガン」と実体剣が登場し、ミリタリーSFファンとしては非常に楽しめた。

どういう経緯かフォルドの夜明けに監禁されており、移送されようとしたところで建物の崩落に巻き込まれるグエル。潰れた、わけはなくさっき殺そうとしてきた瀕死の子供をおぶって走り、コクピットの中の死体を見て吐き、口の中に飯を無理やり突っ込んできた男に答えを求めて「俺はお前の親じゃない」と返される。今作最大のハイライトだと思う。

クワイエット・ゼロと戦争シェアリング

Cパートで、ノートレットが提唱したクワイエット・ゼロの理念が少しだけ説明される。植物の生態を人間に適用する?そしてAパートでディストピアのごとく語られた戦争シェアリングは、元は世界に秩序をもたらすためのシステムで、それ以前はもっと悲惨な混沌の渦だったという。

青臭い理想のように言われているノートレットの考えだが、正直「みんな植物みたいに光合成すれば平和」な狂気の予感がしてしまう。人類や社会が別物へ進化するハッピーエンドもあるとは思うが、平和のために作られた戦争シェアリングにも弊害が存在することから、クワイエット・ゼロもまた別のディストピアなのではないだろうか。

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