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愛の広がり

「よしよし」
今日は私が抱きしめられた方だった

生まれて5年。愛着障害。周囲の人の優しさに触れながらも、なぜか素直になれない、感情を言葉で吐き出せない、思ってることと言ってることが全然違うことになってしまう。本当はそんな言い方したくないのに、そんなこと思ってないのに。

そうやって人を、自分を、傷つけてきたんだろうな


それでも、何度も抱きしめた。
時には、荒々しくなりそうな言葉を鎮火して。


抱きしめてほしいとき、抱きしめてあげたいときは、もちろん抱きしめた
1番大切にしたかった、何気ない日常。
求めなくても、そこにある安心感。安堵感。

「おはよう」のハグから 愛に触れる、をやり直した。


初めは、こちらの一方的なハグだった。それでも全然よかった。
「おはよう」「今日朝何食べたん?」
「何して遊ぶ?」「こんな風船あるよ」
最初は、逃げたり、「離して」と早くのがれたいと言わんばかりの態度。
何回も、何十回も、何百回も、毎日繰り返すうちに
ハグをしても、逃げなくなった。その場に留まるようになった
少し照れながらも笑顔が見えた


数か月経ち、そんな彼が、
私が弱っているときに、なだめてとせがんだら
ハグをして私の頭を撫でた
「よしよし、だいじょーぶ。」


愛を受け止めて、受け入れて、ちゃんと溜まっていたんだな 
愛が伝わって、体にしみ込んで、やっと溢れたんだな



忘れたくない記憶。触れられない、けれど確かにあるあたたかなもの。


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