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[SNEAKERS TEXT] 〈New Balance〉の突然変異種 M5740
本来の系譜には存在しないデザイン
ルーツとなったのは1988年に誕生したオフロードシューズの574。〈New Balance〉らしさのあるオーソドックスなスタイルに実用的なスペックを兼ね備えて、誕生以来愛され続けるモデルです。574がもっていた90年代的に解釈し、ボリュームのある流線的なフォルムを取り入れたのが2021年に登場した5740(57/40)=フィフティセブン/フォーティです。大胆なレイヤー構造に、オーバーサイズなNロゴを組み込むなど、従来の〈New Balance〉のバランス感とは異なり、現代に考えるレトロとモダンの共存を見事に表現したデザインです。
これは〈New Balance〉の系譜で見ると異質とも形容できます。従来どおりのランシューをモチーフとしたローテク感ではなく、1時代に沿ったファッションのアプローチを要求された結果としてできあがってきたものなのだと思います。
ラストは〈New Balance〉ではスタンダードな「SL-1」を採用しています。第一印象はボリュームが先に来るため、チャンキーソールで台頭したダッドシューズの延長にある一足という認識があるかもしれません。しかし、つま先は低くスッキリ細くなっており、メリハリの効いたシェイプが足元をスマートに演出してくれます。
2022SSの新作としてニューカラーが登場しますが、ここで取り上げている「LLG」というカラーです。名作1300に見られるスティールブルーとグレーのコンビネーションを思わせる配色のピッグスキンヌバックとメッシュです。更にミッドソールは経年変化によって変色したようなベージュカラーを採用したことで昨今のトレンドとなっているヴィンテージスタイルを実現しました。
このスニーカー人気以降、237や327などでも採用される大きなNロゴがデザインにすんなり馴染み、一体化していることもヒットの要因だろうと思います。良くも悪くも〈New Balance〉の「N」は個性でありシンボルであり、これによって好みが二分している現実もあります。しかし、Nロゴ自体が大きくはなったものの、隠し絵のようにオーバーレイヤーの下に配置されたことで「N」という文字の認識からアッパーの一部という認識に置き換えられたかもしれません。
クッショニングと安定性に優れ、ライフスタイルを彩る5740。ワイドパンツや緩めのスウェットパンツといったシティボーイなスタイルにはよく合いますし、細身のパンツに合わせるのも相性抜群。ウォッシュで明るいデニムだったりスラックスだったりをも難なく乗りこなす包容力もあります。主張あるデザインの割りにパンツのデザインは問わないユーティリティプレーヤーです。
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