八千代の文字ラジオ10/17
こんばんは。大谷八千代です。
こちら、ラジオのように、一発録り書き直しなしの一筆書きでお送りする文字ラジオでお送りします。金曜でも日曜でもない、何だか中途半端な木曜日の夜、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
はい。ひと月ぶりの文字ラジオ収録です。その間に、「暑いね」じゃなくて「暖かいね」と言い合う季節になってきました。一か月もあると大分変わる。私としても、その間に創作大賞に応募したエッセイ「閉鎖病棟の窓から青空を見てた」が、中間選考を通過するというニュースが飛び込んできました。
メールのお知らせが来た時の私の感想は、「そうか、やっぱりそうなのか」でした。ちょっと上からの発言みたいに聞こえちゃうかもですが、そういうことではなく、創作大賞のエッセイを書いている時、自分の中で何か「つかんだ」感触があったからです。
今までと変えたのは、一言でいうと、「書く」➡「届くまで書く」こと、でした。もっとわかりやすく説明するために、
とします。いきなりのあんこ。あんこが、書きたいことであり、表現したいことであり、伝えたいことであり…作品の核となるもの。私のあんこは、ドロドログツグツしたマグマみたいなイメージです。あんこは、書くエネルギーであり、あんこなくして、作品は生まれない…。
一方、文章について、以下のような教えを聞いたことはないでしょうか。
「書きたいことをただ書くだけでは、自己満足だ。読んでもらうためには、読みやすい工夫が必要である」
あんこだけ、ぼんと、だされただけでは食べにくい。人によっては、不躾に感じるかもしれない。そこで、手に取りやすく食べやすくするべきだ、という話ですね。当たり前といえば当たり前なんですが、私はここんところを正しく理解してなかったんですね。
ドロドロぐつぐつあちあちのあんこを食べていただくためには、皮で包んで食べやすい饅頭にしなくちゃいけないと考えちゃったわけです。ふうふうとあんこを冷ましたり、時には、食べやすくと思うあまりに、チョコレートを皮に練りこんでチョコレート饅頭にしたり、あんこだけでは食べてもらえないだろうと苺を入れていちご大福にしてしまおうとして、出来なくて、苦しんでいたのです。
THE 本末転倒
最近、届くまで書く=薄皮饅頭 だってことに気づいたのです。ドロドロぐつぐつあちあちのあんこは、何一つ変えなくていい、そのまんまでいいってわかった。その上で、必要最低限、食べやすい工夫をする。私の場合、「難しい言葉を使わない」「嘘を書かない(脚色しない)」などですね。工夫は、自分にフィットする無理のないやり方でいいんだなとも思いました。
そもそも取り繕ったものはすぐ見抜かれるし、万が一、取り繕って書いたもので評価を受けて一体何になるんだろう。空しいだけですよね。
何でこんなこと書きたいかっていうと、noteの中間選考結果発表後に、通過しなかったことに絶望して筆を折ろうとする方や、「創作大賞をとるためには」のテクニックやノウハウを教えるnoteを読んで、反省するあまりに自分の作品を否定してしまう方を見かけたからでした。何だか以前の私の苦しさを重ねてしまったのです。
今の私が、苦しかった頃の自分に会えたら、こんな言葉をかけたいなあと思います。
心も言葉も自由でいいよ。
書きたいことを書いたらいい。
思い切り書ききったかい?それでいいよ。
少し時間を置いてごらん。
あの人へちゃんと届くかい?
書き足りないところ、書き過ぎているところはないかい?
書き抜こう。力を尽くそう。届くまで、書くんだよ。
楽なことではないけれど、苦しくはないし、結果がどうであれ、自分の作品に胸をはれます。そして、また、書こうと思える。心も言葉も自由に、最高の作品を。
ふう。すみません。
また、ちょっとあちあちのあんこがはみ出ちゃってましたかね。
中間選考を通過したエッセイは、テーマ的に大賞をとるのは難しいと思いますが、そもそも、「必要な人の手に取る場所に置きたい」気持ちで応募したエッセイでした。今でもぽつぽつ読まれていて、日の当たる場所に置いていただけたことに感謝しています。現在、150名ほどの方が読んでくださいました。ありがとうございました!とこのラジオでもお礼を言いたかったのです。
本ラジオにも少しずつリスナーが増えてきて、お便り(コメント)も届き始めました。なので、新たにコーナーをつくりました!前回の文字ラジオにお便りをくださったのは、keigo_mo3さん。「良いと思うなあ。でも、もう一捻りあるといいかも」とのこと。追加でお話を聞いてみると、
なるほど~!確かにもじもじでした。そもそも深夜に思いつきで始めたので、つらつらと書いたままにしていました。それもいいかなと思ったのですが、「読んでいる」感が強く疲れるのは確か。そこで!!皆さんおわかりでしたでしょうか。今回から、コーナーをつくったり、画像をはさんだり、あれこれしております。イメージは、「美の壺」。keigo_mo3さん、本質って所には至っていませんが、こんな試みはいかがでしょう?皆さんもどう思いますか?
※おまけ
飽き飽き秋の夜長に、アナグマ来訪。
「誰かいるかい?」とアナグマ。
「はい、いますよ」
「じゃあいいや」
「待って待って、ドア開いてますよ」
「また来るよ」
「上がってくださいな。暇してましたから、どうぞどうぞ」
「じゃあ。少しだけ」
「甘酒いかが?」
「じゃあ、ちょっとだけ」
アナグマ、浴びるほど飲む。
「ニュースの時間だからラジオつけていいですか?」
「どうぞどうぞ」
アナグマは、ソファでふぁあ~っとあくび。
「最初に緊急ニュースです。空き巣どろぼうアナグマに注意」
あ!
今回の文字ラジオは、秋の夜長のお供になったでしょうか。こんなふうに画像を入れたりコーナーを続けるかは皆さんの反応と私の直感に従って決めます!ふと気が向いたら、またあそびに来てください。
聞いてくださり、ありがとうございました。
大谷八千代でした。
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