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実は「できたて」は正義じゃない【飯のエッセイ】

料理はできたてに限る、とは言い切れないものがあります。
基本的には料理はできたてが美味しいです。
炊きたて、焼き立て、揚げたて、茹でたて。
出来たばかりの状態で、あつあつもしくはキンキンに冷えてるのが料理は美味しいのが基本です。
「できたて」はそれほど強固な存在です。
遊園地で食べるこんなのに金なんて払ってられるかと小学生でもぶん投げるクソみたいな唐揚げでも揚げたてだったら案外美味しかったりします。
「できたて」というのはそれほどに強い存在なのです。
しかしそれは、あくまでも基本的な状態です。
今から皆さんが「できたて」じゃないほうが良い、という存在のものを述べさせていただきます。
きっとすっきり納得する答えだと思います。

「家系ラーメンのライス」です。
はい、わかってます。わかってます大丈夫です。これがあらゆる人間に伝わらないのを私は知っております。なので席を立たないで、石を投げないで下さい。もう一つ、私は素晴らしすぎる例をあげることが出来ます。

「コロッケそばのコロッケ」です。
そういうことです。わかりましたね?

さて、家系ラーメンは美味しいです。永遠のダイエッターこと私が言うんだから間違いありません。
家系ラーメンというものを知らない方に簡単に説明しますと、豚骨醤油のスープにほうれん草に海苔にチャーシュー、卓上にはかけ放題のにんにくとしょうががあるラーメンのことです。
ラーメンにしては珍しく、麺が邪魔です。かわりとってはなんですが、ごはんがおかわり無料だったりします。麺をいやいや完食してからごはんを食べろということですね。
たまにごはんが無料じゃない家系ラーメンがありますが、それは偽物です。偽物に気をつけてください。(家系ラーメンの説明文章にはだいぶ偏りがありますので、こんなエッセイを参考にせずに皆さま個々人で調べて下さい)

そんな家系ラーメンに必須なライス。それは炊きたてだとだめなのです。
家系ラーメンのライスは炊いてしばらく経った、水分の飛んでるパサパサごはんがベストなのです。それがよりスープに合うのです。むしろそのパサパサごはんを美味しく食べるために家系ラーメンというものが存在します。炊きたてなんて持ってくるな。馬鹿にしているのか?
普段、ごはんは柔らかめ、硬め、という無駄な抗争をしている連中もこの時ばかりは口を揃えます。「家系ラーメンのライス? あの水分が飛んでるパサパサのでしょ」と。一字一句違えずにそう言います。

コロッケそばのコロッケ、こちらは想像しやすいですね。
コロッケそばは旬は冬です。コロッケそばの旬は冬です。
よくわからないことを自覚しているから二度言ったんです。納得しろ下さい。
手のかじかむ季節に駅前のふきっさらしの立ち食いそば屋でコロッケそばを注文。熱々かけそばに「おいこれいつ揚げたんだよ一昨日の晩か?」と思わせるほど冷たいコロッケを乗せ、それをふやかして食べるんです。
これはコロッケそばを知っている人のうち10人に16人はやってる食べ方ですよね。コロッケそばのコロッケは冷たいほうが良い。想像力の豊かな読者諸兄ならきっと納得して頂けると思います。

しかしながら、私の世界には今のところこの二つしか「できたて」に対応できるものはありません。
「できたて」はあまりにも強すぎます。
よろしければ、皆さまには納得の「できたて」に対抗するなにかを教えていただければと思います。
コメントでお待ちしております。
それでは。




サポートという機能があるのに初めて気づきました。みなさんもそうだと思うのでぜひ私のエッセイで試してよいですよ。お願いします。