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仕事が出来ない人のたった1つの特徴~カップラーメン編【フードエッセイ】

仕事が出来る人とはどういう人の事をいうのでしょうか。
・仕事が速い
・仕事が正確
・仕事に対する態度が真摯
どれも仕事が出来ると言っても良いかもしれませんね。
しかしながら、私は一つ、もっと大事なことがあると思っています。
それは「最後までやりきる力」です。
仕事におおよそ、スケジュールや設計図があります。
もちろんそれ通りにやるのが大事ですが、そう上手くいかないこともままあります。
そんな時に臨機応変さも求められます。
なんとかかんとか急遽の事案に対応し、やっとゴールの光が見えてきた。
そういう時に最後の最後までやりきれる人。
「もうピークは去ったからあと適当でいいでしょ」
これは仕事が出来るとはいえませんね。
ピークは去ったけど、細かい所まですべてきっちり終わらせられる人。
終わらせる力。
終焉力。
そういうものが仕事が出来る人、上司が仕事を任せられる人と言えるんじゃないんでしょうか。

さて皆さま、カップラーメンはお好きでしょうか(エグすぎる話題の緩急)
私は好きです。
特別大好きじゃないですが、まあまあな頻度で食べます。
以前どこかでも書いたと思うのですが、カップヌードルPROのシーフードは常に三、四は常備しておりたまに食べては常にその数を維持するくらいには好きです。
たまに出来心でカップヌードルPRO以外のものも買ってみますが、結局日清のカップヌードルPROシーフードが強いのです。これに卵を入れるのが一番なのです。

昨今のカップラーメンはいろんなものがありますよね。
味ももちろん、形や作り方まで様々です。
「こっちの小袋は蓋の上であたためて」
「こっちの小袋は蓋の上であたためるの厳禁」
「3分後スープを入れて混ぜてから最後にふりかけて」
もうお仕事のタスクの様にカップラーメンの命令が降りかかります。
それでも命令通りに作ると美味しいものです。

想像してみてください。そろそろ本題にはいるので我慢して想像してみてください。
仕事が出来る人間なのか、貴方を試そうとしています。
貴方はお昼、家でカップラーメンを食べようとしています。
普段は自炊しているのですが、今日は少しサボってしまおう。ちょっと楽してしまおう。
こういう時のために買っていた、新作のカップラーメンの包装をぺりぺりと剥がしました。
そして流れるように水の入った鍋に火をかけます。
お湯が沸くのをわくわくと待ち、中の袋類を改めます。
かやくは一つ、スープは二種類。粉と液体のスープです。なにやら本格的。麺もノンフライと書いてありました。
ノンフライだと何が良いのかわかりませんが、わざわざ書くくらいです。
カップラーメン業者さんがわざわざ「ヘドロの味がします」と書かないようにきっと「天使の涙の味がします」レベルの事が書いてあるのでしょう。ノンフライは天使の涙。
お湯が沸きました。
かやくを入れ、容器の線までお湯を入れ、蓋をして三分待ちます。
液体のスープは蓋の上で温める。
粉の方はそのままです。
キッチンタイマーを二分五十秒にセット。
二分五十秒です。
三分じゃありません。
なぜ三分じゃないのか。
それは「お湯を注いでる時に十秒は経っている」からです。
こういう事です、仕事が出来る云々は。
仕事が出来る皆さまはきっと二分五十秒セットしましたね?(とくせい:プレッシャー)

この約三分、どう動くかがまず第二のポイントです。
飲み物を用意したり、箸休めのお漬物などを用意したり、この三分で「あとは食べるだけ」の状態にするのがベストです。
ここで仕事の速さと正確性が問われます。
貴方は見事にそれらのタスクをこなし、終焉を告げる天の声(キッチンタイマーの音)を耳にします。
あとは蓋をめくり、スープを入れるだけ。
全体をまじぇまじぇして、でぎだー!
カップラーメンの完成です。
あとはずるずるとすすれば貴方の勝ちです。
勝ちです。
勝ちです。

勝ちです。
が、私はあえて一つのポイントをスルーしました。
実は、ここなのです。ここだけなんです。
先程述べた、タイマーの二分五十秒とか完成までどう動くか、こんなものは些細と感じてしまうほどの重要なポイント。
わかりますでしょうか。
ヒントは「最後までやりきる力」
焦らしても仕方がないですね。正解を言いましょう。
カップラーメンを食べる時、貴方が仕事が出来るできないを判断するたった1つの特徴、それは。


「カップラーメンの蓋をめくりきるかどうか」です。
カップラーメンの蓋をめくりきった人、仕事が出来ます。
カップラーメンの蓋をめくりきらずぷらんぷらんの状態で食べ始めた人、仕事が出来ません。
なぜならそれが「最後までやりきってないからです」。
カップラーメンを食べるのに色々な工程がありました。
それはカップラーメン横に書いてある、いわば説明書の内容です。敷かれたレールの上です。
そんなレールから外れた、カップラーメンの蓋めくるかめくらないか問題。
めくらないとスープを飲む時ぺちゃんぺちゃん鼻につきますよね?
ぷらんぷらんとして邪魔ですよね?
それを「まあいいや」と思うかが仕事が出来る/出来ないを分ける大きな部分なのです。
最後までやりきる人はしっかりと蓋をめくり、取ってからずるずるとします。
これがもし外ならば気持ちはわかります。ごみが出てしまいますからね。
でもここは家です。想像した貴方は家にいたはずです。
なのでもう、弁解の余地はありません。
蓋をめくりきった貴方は仕事が出来る。めくれなかったら仕事が出来ない。
そういうことです。

しかしながら、これは気づきの問題なのです。
このエッセイを通じて、蓋をめくりきらない憐れで悲しい行動に気づけたのなら、もうそれは成長なのです。
貴方はもう、仕事が出来る人なのです。
今日はそれを伝えるべく、エッセイを書かせていただきました。
私からは以上です。
あとは存在が大きすぎるおまけを書いて、終わりにしたいと思います。


おまけ
昔、付き合っていた恋人と一緒にカップラーメンを食べることがありました。
彼女は仕事ができない人でした。三分経ったあと、蓋をめくりきらずぷらんぷらんでずるずるとやりはじめました。
でも注意するのは無粋です。
ほんの少し、「それ邪魔じゃない?」とだけ言おうと思いました。
カップラーメンの容器を両手で持ってスープをごくごく飲む豪快な彼女が視線をこちらに向けるのを待ちました。
容器をことんと置く彼女。
私が口を開いた瞬間、あることに気づきました。
やはりスープを飲む時に蓋が邪魔だったのでしょう。蓋の水滴が彼女の鼻についていたらしく、鼻の頭がテカテカしているのです。
そして不覚にも、私はそれを可愛いと思ってしまったのです。
以上です。
仕事が出来る出来ない? そんなこと、笑顔でスープを飲み切る鼻テカテカ彼女の存在に比べたら、くそくらえです。

まあ、その彼女には「なんかコンピュータと話してるみたい」と言われて振られましたけど。
はい、終わりです。
またね。
くそが。思い出しちゃったよ。


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サポートという機能があるのに初めて気づきました。みなさんもそうだと思うのでぜひ私のエッセイで試してよいですよ。お願いします。