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「月曜日では最多」という表現について

 毎日のように新型コロナの新規感染者数が報じられている。その中に「月曜日では最多」といった曜日に注目した表現が散見される。これには何の意味があるのだろうか。

曜日ごとの陽性者数の推移に大きな違いがあるのだろうか。福岡市を例に挙げて、同市のWebページにて公開されているデータに基づき、下の図のような曜日ごとの陽性者数の推移を示すグラフを作図してみた。

福岡市

なお、福岡市を選んだ深い理由は無く、Webページから当該データを見つけ易かったというだけである。

グラフを見てみると、市内の陽性者は2020年3月下旬、同年7月上旬、そして11月中旬を始点として一時的な増加傾向を示している。実際、当該時期にグラフの「山」ができている。

また、どの曜日も概ね同じ推移を示しているようだ。したがって、特定の曜日に注目して「過去最多の陽性者数だ」という報道から得るものは多くないように思う。そのとき他の曜日も同じような推移をしているためだ。ただし、報道の目的が感染の注意喚起にあるのならば、意味はあるかもしれない。

同グラフを少し注意深くみてみると、月曜日と火曜日は他の曜日よりも陽性者数が少ないようにも見える。これは2020年7月を始点とした「山」に注目するとわかりやすい。もし観察される陽性者数は曜日に応じて異なるならば、その日その日の陽性者数の推移を示す際は、曜日別にグラフを描いた方が陽性者数の変動を視覚で捉えやすいだろう。

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