見出し画像

数学ゼミ ~ヒツジをオオカミから救え!”~ 講座実施レポート

数学への興味・関心を高めてもらう企画として今年度実施してきた「数学ゼミ(あさのの招待状)」4回目の講座実施レポートです。どんなことをやったのか、参加できなかった人も見てみてください。

講座スタート!

ヒツジをオオカミから救え!

数学ゼミでは1つの問から活動が始まります。今回の問はこちら↓

4匹のヒツジと4匹のオオカミがいます.
ヒツジとオオカミを1匹ずつ順番に檻にいれていきます。
檻の中にいるヒツジの数よりオオカミの数が多くなると,ヒツジはオオカミに食べられてしまいます.
ヒツジがオオカミに食べられずに済むような入れ方は何通りあるでしょうか.

ヒツジがオオカミに食べられないような入れ方を1つ考えてみましょう。
例えば,🐑→🐺→🐑→🐺→🐑→🐺→🐑→🐺という順番で檻に入れれば、ヒツジは食べられずに済みます。
このような入れ方が全部で何通りあるか考えよう、という問題です。すべての場合を書き出せばよいかもしれませんが、結構大変です。
さて、この問題を皆さんならどう考えますか?
ゼミでは以下のような方法で考えました↓

格子状の経路で考える

今回のゼミでは正方形の最短経路問題に対応させて考えてみました。
下の写真のように、ヒツジを横軸、オオカミを縦軸に置いてヒツジとオオカミを檻に入れる順番をAからBへの経路に対応させます。

ヒツジがオオカミに食べられないような入れ方①
🐑→🐺→🐑→🐺→🐑→🐺→🐑→🐺という入れ方を格子状に並べた写真です。

ヒツジとオオカミの並べ方は他にもたくさんあります。どんな並べ方があるでしょうか?そして、いくつか並べ方を考えてみたとき、それらに共通するルールは何でしょうか?

ヒツジがオオカミに食べられないような入れ方②

格子に引かれた赤い対角線に注目!そう、正解となる並べ方はいずれもこの線をまたがないように配置できるのです。

具体的な並べ方を考えて終わりじゃなくてちゃんとルールまで見つけることができることがこのワークのポイントです。
自分で気づけるとより理解が深まるので、気づいてくれた生徒がいて良かった!

ヒツジとオオカミの入れ方に対応する最短経路のルールが分かったら、次は最短経路の総数を考えていきます。
いくつかの問を通して、最短経路の総数を求める方法を考えました。

1つ目の問。C、D、Eへの最短経路の総数をそれぞれ考えてみよう!

先ほどのワークシートを使って具体的に問を考える人、タブレットに図を描いて考える人など様々な考え方が見られました。どの考え方も正解です。数学は答えは1つですが,答えにたどり着く考え方は1つではありません。まずは自分なりに考えて試行錯誤してみることがとても大事です。

タブレットに図を描いて考え中…
何かの法則に気づいた様子…!?
ヒツジとオオカミをワークシートに並べてみる。地道に1つずつ検証!

そして、ついにヒツジとオオカミの問題を解くことができました!👏

ヒツジとオオカミの問題を一般化してみる

今度は「どんな問題だったら、ヒツジとオオカミの問題のように最短経路問題として考えることができるのか?」を考えます。新しく出された4つの問題のうち、ヒツジとオオカミの問題のように、最短経路問題として考えることができる問題を選んでもらいました。

興味のある人は是非下の添付ファイルをダウンロードして挑戦してみてください。
問題はこちら↓

ワークシートに書かれた問題を見ながら、最短経路を使った考え方が使えるのか考えています。


4つの中には最短経路問題を利用せずに解ける問題も含まれています。ゼミに参加した人たちは頑張って最短経路問題として考えようとしたものの、上手くいかなかったり、ヒツジとオオカミのワークシートを利用して具体的に考えようとして苦戦していました。
それぞれの問題の解き方を素直に考えてほしかったのですが、問題の意図が伝わりにくかったかもしれないですね💦

最短経路問題を使って考えたらどうなるだろう…。

それぞれの問題をじっくり考えてもらった後、解答・解説をしながら、最短経路問題として考えられるものに共通していることを整理しました。

ゼミのまとめ
最短経路問題として考えることができるような問題の共通点を確認しました。

ゼミを終了後に感想を聞いてみると

・数学だけど、手を動かして考える活動があって楽しかった
・意外な解き方、自分の考えつかない解法を知ることができて面白かった。

参加者の感想

といった感想がありました。数学というとノートにひたすら式を書いたり、計算したりというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、問題によっては手を動かして具体例を考えることが大事なこともあります。そのことを少しでも感じてもらえたようで良かったです😊

最後に

以上、「数学ゼミ(あさのの招待状)」の実施レポートでした。
今後も定期的に講座実施レポートを作成していきたいと思います。
ゼミに参加できなかった人も、レポートを読んでゼミの活動内容や雰囲気を知ってもらえたら嬉しいです😁
記事を読んで、講座内容に興味を持ってくれたら、次回から是非参加してみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?