『Official Secrets』

これ、すごく良かった！！

実際の政治家のニュースの映像や、GCHQに勤めていて機密情報をリークしたキャサリン・ガンの法廷前でのインタビューの映像も出てくる、実話に基づいた作品。２００３年、イラク戦争に突入しようとする米英の指導者たちの裏側を暴く。

やっぱりアメリカの始めたかった戦争は、裏で沢山の操作が行われていたのだ。（ネタバレ）そして英国政府は、キャサリンに対する訴えを全て取り下げることで、国民が疑惑と怒りを増大させることを回避しようとしたのだった。

システムの一部であることを重んじたり、自分の地位にこだわって奴隷化している人たちと、自分の頭で考えて良心の声を聞く人たち。たとえ良心の声が聞けたとしても、大きなリスクを伴う行動が起こせる勇気を持っている人は多くない。キャサリンの勇気は、後先考えないナイーブさもミックスされて行動に繋がった。プロのスパイではない、でも心ある本物のスパイである。

Keira Knightleyは言うまでもなく素晴らしい演技。周囲を固める英国俳優陣も、とても良かった。

Matt SmithはThe  ObserverのジャーナリストBright役

Matthew Goode は同じくThe Obserberの海外記者 Peter Beaumont役
髪型のせいで、最初は彼が演じていると気付かなかった

Ralph Fiennes はキャサリンの力になろうと働いてくれる
弁護士 Ben Emmerson役

夫の Yasar Gun ( Adam Bakriという役者が演じている ）の愛あるサポートと
理解はキャサリンになくてはならないものだった

日英ミックスの女優、Hanako Footmanさんも、Nicole役で出演。機密メモを記事にする際にスペルチェックにかけて、オリジナルと異なるスペルに変えてしまい追求される気の毒な役。でもMatthew Goodeに「大丈夫。お茶でも飲む？」と優しく慰めてもらえるなんて、羨ましい（笑）。やっぱりこの絶妙なタイミングで、「お茶」なのが英国なんだなぁ。

こういう作品を観ると、戦争の裏は利欲で固まっていて、政治家の発言やメディアの報道は、最初から疑ってかかるべきもの、という姿勢になってしまうのも当然だ。実際、周囲は洗脳キャッチフレーズだらけ・・・残念ながら。