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『Just Mercy 黒い司法』

この作品の内容の重さについては想像できていたから、「観よう」という気分になっている時にしかこれは観られないと分かっていた。


実話に基づいているし、今でも差別はあちこちで起こっている。


私は過去にクレオールアメリカンの男性と4年ほどお付き合いしていたことがある。ここでアメリカの根深い人種差別問題に、自分の思うことを並べ立てることはする気がしない。何を書いても、当事者である彼らの味わっている複雑な感情を日本人である私が本当に理解できているかどうかは疑わしいから。


ジェイミー・フォックスとマイケル・B・ジョーダンの演技が予想以上に良かった。言葉なしで「悲」「怒」などの感情をストレートに伝えてくる彼らの表情はさすが。そして人の良心に訴えかけるブライアン(マイケル・B・ジョーダン扮する若手弁護士)の言葉の数々が、一部の人たちの心を開いていく様子と、どんなに抵抗しても変えることが難しいシステムと偏見の強さが描かれていた。


とても良い作品だ。



現在開催されているサッカーワールドカップの出場者が「OneLove」の腕章を身につけるかどうかで色々な意見が飛んでいた。政治的主張をスポーツの場に持ち込むのは正しくない云々と。でも全ての人が平等に扱われるべきだし、実際に優劣などない、という超基本的なことは、「政治的主張」なのか?とそもそも思った。政治に関係なく当たり前のことじゃないのか?


完璧な人間などいないけれど、良心は誰にでもあるはず。


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