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蛤(はまぐり)

縁起物として知られる「蛤(はまぐり)」

食薬分類では貝類にしてはめずらしく「利水滲湿類(りすいしんしつるい)」にあたるのでなんとなく印象深い食材なのだ。つまり、利尿作用によって体のいらない水を体外へ排出してくれるもの…

先日、仕事で伺った場所で、この季節、天然の岩ガキを食べないで帰るてはないよ。と地元の方に促され、魚やさんを探していたところ、ラッキーなことに蛤専門の卸業者さんに立ち寄ったのだ。(あ、岩ガキではなかったところは笑ってやって!)

そこのお母さんが、いいところをみつくろってくれるために、貝と貝をコツコツコツっと合わせて音を聞いていく。そして、「うん。これは生きてっからね」と。 すごいなぁ。貝相手の、聞診そのものだ。(東洋医学で診る人間のマニアックな感動!)

梅雨の終わりにふさわしい、大粒の雨が大地を覆った直後の晴れ間の出来事で、いろんな意味でうれしい出会いだった。時期にぴったりのタイミングで出会った利尿滲湿類食材。あれ?でも確かはまぐりの殻は、、、、

そうだ。「かいごうかく」っていう中薬だったはず。調べてみると「海蛤殻」と書いてかいごうかく。お、そのまんまなんだぁと妙に腑に落ちてきた。

あれあれ?でも「海蛤殻(かいごうかく)」は「化痰類(かたんるい)」なはず。昆布・浅利・くらげ・のりなどと同じ分類だから、これまた妙に腑に落ちる。

なるほどね、水が悪さして熱化したものに対しては効きそう!病因病機のタイミングを考えて、蛤のどこを使うかを考えれば、なかなかの素晴らしい食材ではないか!

(寒痰と熱痰には性質の違いを判別することも心に留めながら)

もちろん、本日のところは、あまり細工せず、焼蛤にして、いっただっきまあ~す!

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