家道に通じ家を守る■□下田コラム□■vol.42
以前にも書きましたが、最近、二宮金次郎にはまっています。
今日は、「二宮翁夜話」の中で、「家道に通じ家を守る」という節がありましたので、それを紹介します。
「二宮翁夜話」って、経営につながるなぁーと思う教えがたくさん書かれています。
考えてみれば、それは当然なわけです。
二宮金次郎は、約600の荒廃した村を立て直したと言われています。
今で言えば、経営コンサルタントなわけです。
それも、潰れそうな会社600社を再建したコンサルタントです。
これは、すごい能力ですよね。
そんな人の発した言葉ですから、とても説得力があります。
「家道に通じ家を守る」とは事業承継で、後継者が成功する道を書いています。
この中で金次郎は、「まずは、家道をよく研究せよ」と言っています。
家道とは、事業の過去のことです。それは、ビジネスモデルだけではなく、どんな理念を大切にしてきたのか、どんな家訓を大切にしてきたのか?
その中で、どんな問題が起き、それをどう乗り越えてきたのか?
それをしっかりと見極めて、自社の身の程を見極め、それを超えることもなく、それを過少することもなく、しっかりと保っていきなさいということです。
「身の程を超えることなく」という考え方では、企業は成長しないのではないかと思う方もいるかもしれません。
金次郎は、身の程を理解して、その中で精一杯やることで、適切な成長が可能になるというのです。
これは、金次郎が大切にしている「積小為大」という考え方です。
「積小為大」については、ここでは詳しく触れませんが、この考え方は、金次郎が、貧乏な幼少期から今で言う大企業のオーナーになった実体験から出てきている考え方です。
さらに、具体的にどうやって経営するのか、文面で習うだけではなく、現場に出て体で覚えなさいと言っています。
それをしないで、経営するのは、将棋でいれば、駒の並べ方も知らないで将棋をするようなものだというのです。
そして、経営を継いだ後は、先代経営者を師として、いちいち指図を請けて、それに従いなさいと言っています。
これは、将棋を一手ごとに教わりながら指すようなもので、間違いがないというのです。
人に相談せずに、気ままに金銀を使えば、たちまち金銀を相手に取られてしまう。
先代の会社を引き継ぐのは、先代に将棋に駒を並べてもらったところで引き継ぐようなものであり、将棋の本質を知らないで自分の思いのままに動かせば、必ず失敗すると言います。
まさに、先代経営者から実践的経営を学ぶOJTの時間が必要だということですね。
また、この引き継いだ時の駒が良いとか悪いとか言うのではなく、自分で良くしていき、それを次世代にはもっと良い駒にして渡せるようにするのが、役目であると言うのです。
これは、人には抗えない天命というものがあり、それをあれこれいうのではなく、受け入れて、受け継いだものをさらによくして次世代に渡すという、そういう発想が大事だということを伝えているのです。
金次郎が、将棋に例えて説明しているのがとてもわかりやすいと思いました。
創業者は、将棋を始め、良い手を打ちながら、対局を進めていきます。
よって、自分でルールを覚え、定理を覚えていきます。後継者は、それを途中で引き継ぐわけですが、その瞬間だけを見るのではなく、今の状況に至った経緯はどんなものがあるのか、その定石を振り返ることが大切です。
まさに、将棋番組で対局が終わった後に、全体を解説者が振り返るのと同じですね。
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事業承継については、You Tubeエスパシオチャンネルの『経営者対談』でも
詳しくお話しています!
今回のコラムで話されていることが実際にどのように大切で、効果があることなのか語られていますので、ぜひご覧ください。
https://youtu.be/nPzJmuyGpyM
また、エスパシオでは『語りつなぎメソッド』として理念の事業継承の伴走ファシリテーションサービスを提供しています。
語りつなぎメソッド https://shimodanaoto.com/storymethod/
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