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サッカー指導者必見!スペインのトレーニングメソッドについて


はじめに

私はスペインの私立大学でスポーツを専攻して勉強をしています。

授業の一つにスペインのサッカーを学べる授業があります。

以前、Twitterでスペインの大学で学んだサッカーの内容を少しツイートしたら多くのサッカー関係の方々から反応をいただきました。

そこで、私が学んだスペインサッカーの内容をnoteにまとめて多くの方に知ってもらおうと思い書くことにしました。

今回はスペインの大学で学んだ、スペインサッカーのトレーニングメソッドについて書きます。

スペインサッカーのトレーニングメソッド

私が以前、スペインの大学のサッカーの授業でトレーニングメソッドについて学びました。

スペインサッカーのトレーニングメソッドでは2種類に分けて考えることができます。

・Tarea Analítica (反復練習)
・Tarea Global (総合練習)

簡単に説明すると、一つ目の Tarea Analítica(反復練習)では、相手のいないシチュエーションで練習します。

もう一つの Tarea Global(総合練習)では、相手がいるシチュエーションで練習します。

では、それぞれのトレーニングメソッドについて詳しく掘り下げていきましょう。


Tarea Analítica (反復練習)

Tarea Analítica(反復練習)では相手のいないシチュエーションで、主に選手達の基礎技術を練習します。

ドリルトレーニング、基礎練習、シュート練習など言われる練習が反復練習になります。

また、反復練習の中でも3種類に分けて考えることができます。

・Tarea Analítica Básica(基礎)
・Tarea Analítica Global(総合)
・Tarea Analítica con Toma de Decisión(判断要素あり)

Tarea Analítica básica(基礎)の練習では、対面パスやコーンドリブル、シンプルなシュート練習など、とても簡単でシンプルな練習を指します。

このトレーニング目的は、選手の基礎技術の上達だけにフォーカスしています。
そのため、相手もいなく、判断要素もないので、選手達が自分達で試行錯誤しながら練習に取り組みます。

Tarea Analítica global (総合) の練習では、実際の試合のシチュエーションを想定する練習ですが、選手達は監督が決めた型に沿って練習します。

例えば、シュートまでの型を決めてパスを回し、相手なしでゴールを目指すドリル練習が Tarea Analítica global (総合) です。

そして Tarea Analítica con toma de decisión (判断要素あり) では、Tarea Analítica global(総合)で監督がいくつか決めた型の中で練習をした後に、選手達それぞれが味方の状況や動きに合わせて、自分たちのアイデアや判断でパスを回すなどします。

例えば、センターバックがボールを持っていて、味方のサイドハーフの選手が中でボールを要求する動きを確認したのならば、味方のサイドバックの選手はサイドハーフの選手が作ったスペースを使うために縦に走りします。

以上が Tarea Analítica(反復練習)の説明となります。


Tarea Global(総合練習)

Tarea Global(総合練習)では相手がい練習で、実際の試合のシチュエーションを想定して練習します。

例えば、ロンド(鳥かご)やポゼッション練習、1対1、ミニゲームなどの練習が総合連取になります。

また、総合練習の中でも3種類に分けて考えることができます。

・Gran superioridad(圧倒的数的優位)
・Superioridad(数的優位)
・Igualdad(数的同数)

Gran superioridad(圧倒的数的優位)の練習では、ボール保持側のチームの人数が相手チームの人数より半数以上の数的優位を作ります。

例えば、4対1のロンド(鳥かご)や、5対2のポゼッションなどが圧倒的数的優位の練習になります。

この練習はジュニアレベルでよく見られ、選手達が練習の目的を達成しやすくするためのものです。

Superioridad(数的優位)の練習では、ボール保持側のチームの人数が相手チームの人数より半数以下の数的優位を作ります。

例えば、5対3のポゼッションや、2対1の対人練習などが数的優位の練習になります。

この練習はどのレベルでも練習メニューに取り組まれ、数的優位がある事で、フリーな選手をうまく使い練習の目的を選手達に達成させることができます。

Igualdad(数的同数)の練習では、言葉通りボール保持側のチームと相手のチームの人数が同じ練習です。

例えば、5対5のミニゲームや1対1の対人練習などが数的同数の練習になります。

この練習は一番試合のシチュエーションに近い練習なので、とても実践向けの練習です。


フリーマンについて

数的同数の2種類の練習(圧倒的数的優位の練習と数的優位の練習)はフリーマンの存在を上手く組み込むことで数的優位が作りやすくなります。

フリーマンはボール保持側のチームに数的同数を作り、練習の目的を達成させやすくする役割があります。

さらに、フリーマンは2つの種類に分けることができます。

・内側のフリーマン
・外側のフリーマン

内側のフリーマン

内側のフリーマンは名前の通り、中にいるフリーマンのことです。

ポゼッショントレーニングなどで中にポジションを取ることで中に数的優位を作ります。

フリーマンを決める時に大事なことがあり、どの選手にフリーマンをさせることでチームや選手の成長につなげられるかが重要です。

レベルがまだあまり高くないチームでは、フリーマンを上手い子にさせる事で練習に流動性が生まれます。

また、チームとして出来上がっていて、選手それぞれのポジションも決まっているチームではボランチの選手やトップ下の選手に中のフリーマンをさせること真ん中の選手として成長ができます。

外側のフリーマン

外側のフリーマンは名前の通り、外にいるフリーマンのことです。

ポゼッショントレーニングやミニゲームなどの練習ではサイドや外側にポジショニングを取り、サイドに数的優位を作ります。

日本ではよくサーバーと言われます。

外側のフリーマンを決める際、レベルのあまり高くないチームでは、技術レベルがまだ追いついていない選手にさせて、フリーマンへのボール奪取禁止のルールなどをつけることで、選手の成長に繋がり、中でのプレーにも流動性をもたらすことができます。

また、チームとして出来上がっていて、選手それぞれのポジションも決まっているチームではサイドバックやサイドーハーフの選手などにさせることで、そのポジションに特化して選手の特徴などを伸ばし成長につなげることができます。

最後に

今回はスペインの大学のサッカーの授業で学んだスペインのトレーニングメソッドについて書きました。

スペインでは、サッカーの練習メニューを作る上で、このようなトレーニングメソッドを踏まえなて考えながら育成年代の指導をしています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回の記事が皆さんのためになったら幸いです。

また、スペインのサッカーについてたくさん記事を書こうと思っているので、もし、興味があればまた読んで下さい。

¡Hasta luego!

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