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障害が理由で就職に不安があるのなら、地域障害者職業センターで支援を受けましょう!

障害者の方で、障害を抱えているから障害者雇用枠での就職・転職を目指そうにも、そもそも働くことができるのかと不安な方も多いと思います。

そんな方のために設置されている施設が「地域障害者職業センター」です。

この記事では、地域障害者職業センターとは何か、対象者や支援内容などを詳しく紹介していきます。


1.地域障害者職業センターとは

障害を抱えている方が自立した就労を目指すことを目的とした、専門的な支援を提供する施設です。

センターでは様々な機関と連携しており、一人ひとりのニーズに合わせた職業リハビリテーションを実施します。

専門職員として障害者職業カウンセラーや、相談支援専門員、ジョブコーチなども配置されており、現在抱えている様々な問題を解決しながら就労を目指すことができます。

各都道府県に最低1か所設置することが義務付けられており、北海道、東京、愛知、大阪、福岡の大都市には支所も設置されています。


2.職業リハビリテーションとは

地域障害者職業センターで提供される支援を「職業リハビリテーション」と呼びます。

支援内容については、障害者雇用促進法第8条で規定されており、障害を抱えていて仕事ができない方が、継続的な仕事に就けるようにするための支援を指します。


3.対象者

障害者手帳の所有は必須ではなく、診断書などで障害が認められている方であれば、誰でも無料で利用することができます。

まだ診断は受けられていないが、疑いがある方も利用できる場合がありますので、一度近くの地域障害者職業センターへ問い合わせてみると良いでしょう。


4.受けられる支援

地域障害者職業センターでは様々な職業リハビリテーションを受けることができます。

その具体的な支援をいくつか紹介します。


①職業評価

まずあなたの働く能力や就きたい仕事、障害の特性などをヒアリングしながら総合的に分析し、あなたに合った職業リハビリテーション方針を定めます。

評価と言っていますが、良し悪しを決めるものではないので、安心してください。


②職業準備支援

その名の通り、働くために必要な能力やスキルを準備するというものです。

①職業評価で分析をして判明した課題や不安を解消するために、それぞれに合った支援メニューが組まれます。

具体的なプログラムを通じて、能力やスキル、労働習慣などを身につけたら、その後ハローワークでの職業紹介や③ジョブコーチ等の支援へ移行します。


プログラム例.

・ジョブリハーサル

・JST(職場でのコミュニケーション訓練)

・問題解決技法(ストレス等、困ったことへの対処法)

・認知⾏動療法(心理的バランスの良い考え⽅)

・アサーション(自分の気持ちの上手い伝え方)


③ジョブコーチ(職場適応援助者)支援事業

あなたの抱える障害特性を理解した上で、円滑な就職や職場適応ができるよう支援を行う専門家を、職場に派遣してくれるというものです。


④精神障害者総合雇用支援

精神障害はその場の状況によってメンタルが左右されやすく、仕事をしていくにも継続的な支援が必要な場合が多いです。

そこで本人だけでなく、職場(事業主)、医療機関、家族等と連携し、抱える精神障害の特性に合わせた総合的な支援を実施するというものです。

地域障害者職業センターにも、専任の精神障害者担当カウンセラーが配置されています。

この支援は精神疾患を有することが確認できる方のみ利用できます。


⑤リワーク支援

うつ病など、メンタル面の不調により休職している方の職場復帰を目指す支援です。

地域障害者職業センターが主治医や職場(事業主)と連携し、あなたと相談しながら職場復帰に向けた計画や、再発防止策を考えてくれます。


5.利用方法

先に述べた通り、地域障害者職業センターは各都道府県に必ず1か所以上設置されています。

今住んでいる地域か、職場がある地域の地域障害者職業センターを利用すると良いでしょう。

センターの所在地は以下から確認することができます。

【地域障害者職業センター 全国一覧】

https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/index.html

連絡せず訪問しても、時間によっては対応が難しい場合もありますので、対象のセンターが分かったら、まず一度問い合わせてみましょう。

相談の予約をし、相談や説明会へ参加してから利用開始となります。


6.障害者就業・生活支援センターとの違い

似たような名前の施設で「障害者就業・生活支援センター」という施設があります。

どちらも障害者の就労を支援するというところは共通していますが、大きな違いとして、地域障害者職業センターは主に就労メインの支援を目的としているのに対し、障害者就業・生活支援センターは就労と日常生活を一体的に支援することを目的としています。

また障害者就業・生活支援センターは各保健所館内に設置されているため、地域障害者職業センターに比べ数が多く、地域密着型というところも特徴です。


7.まとめ

ここまで地域障害者職業センターの概要や支援内容、利用方法などを見てきました。

これから障害を抱えながら就職や復職を目指す方にとって、一人ひとりの障害に合わせた支援を受けることができる地域障害者職業センターは、とても心強い存在です。

また就職・復職後の定着まで支援をしてくれるので、安心して就職活動を進められます。

センターを上手く活用しながら、障害者雇用枠での就職・復職を一緒に目指してみませんか。