働き盛りの30代!障害者雇用枠での就職・転職活動のポイント
30代といえば、新卒で働きだしてからある程度の社会人経験を積み、今後の人生を考える良いタイミングであると言えます。
仕事に関しても、今の会社で昇進を目指すのか、転職してキャリアアップを目指すのか、考えている方も多いです。
障害者雇用においても変わりはありません。
むしろ障害を負ってしまい、障害者雇用枠への転職をしなければならなくなることも考えられます。
本記事では、30代にフォーカスを当てて、障害者雇用における就職・転職活動のポイントや注意点などを解説していきます。
1.30代における障害者雇用の現状
①割合
厚生労働省が発表した「令和2年雇用動向調査結果の概況」では、転職活動を行った年代は20代をピークに、30代以降その割合が下がっています。
ですが、同じく厚生労働省が発表した「労働市場分析レポート第87号」によると、障害者雇用における就職件数は40代の次に30代が多く、新規求職数も増加傾向にあります。
特筆すべきなのは、30代の精神障害を抱える方が就職件数の20%以上を占めており、求人申込件数も30代前半で30%を超え、30代後半でも20%を超える結果となっています。
②賃金
厚生労働省が発表した「平成30年度障害者雇用実態調査」では、全年代の障がい者における障害種別ごとの平均月収は、身体障害が215,000円、知的障害が117,000円、精神障害が125,000円、発達障害が127,000円となっています。
障害者雇用枠の賃金は一般就労枠に比べ、若干下回ってしまう傾向があります。
しかし、必ずしも下回るということではなく、職種や働き方、雇用形態等によって上下するものです。
一番大切なことは、あなたに合った仕事で、長く継続できることであると言えます。
③企業の傾向
最近の企業の傾向として、障害者雇用法定雇用率の引き上げや定年退職年齢の引き上げ等の影響により、積極的に障害者雇用を実施しており、その中でも30代以降の年齢層に注目が集まっています。
20代にはない経験やスキルを持った障がい者を雇用することで、法定雇用率のためだけではなく、企業を支える人材としての役割も求められています。
30代以降の就職・転職活動では、そういった経験やスキルを、どのような形で企業に貢献できるかをアピールする必要があると言えます。
2.ポイント
①今後のライフプランを見据えて仕事を探す
30代ではローン、結婚、子育て、両親の介護など、人生における重要なタイミングが重なりやすい時期です。
目先の年収、ネームバリューや雇用形態に惑わされてはいけません。
正社員での採用なのか、制度として育休・産休・介護休暇はあるのか、障害への配慮はされるのか、在宅ワークができるのか等々、あなたの今後のライフプランに合った仕事を探しましょう。
②転職先へ求めるものに優先順位をつける
障害者雇用における転職活動では、今の仕事よりも何もかもが良くなる企業に採用されることは多くはなく、勤務時間や通勤方法など、ある部分で劣ってしまうこともあります。
そこで、あなたが転職先に求めるものに優先順位をつけてみましょう。
年収、職場環境、勤務形態、通勤方法など目に見えるものから、やりがい、フィーリング、活躍できるか、などの目に見えないもの、色々な項目に順位をつけることができます。
そうすることで、転職活動も長期化することなく、スムーズに進めることができるでしょう。
③求人の探し方
障害者雇用の仕事を探すにはいくつかの方法があります。
詳細は、別記事にて解説していますので、是非こちらもご覧ください。
ここではポイントを絞って紹介していきます。
・ハローワーク(公共職業安定所)
厚生労働省が運営する、全国展開された公的機関です。
企業側も無料で求人を掲載できるため、求人数も膨大です。
また障害者専用相談窓口も設置されているため、相談しながら就職・転職活動を進めることができます。
・転職サイト
インターネット上で求人を探すことのできるサービスで、様々な企業が運営しています。
求人の掲載には費用がかかるため、ハローワークに比べ質の高い求人が多いです。
スマホやパソコンがあれば、時間や場所に制限されない反面、相談や企業とのやり取りは自力になるため、手間がかかる部分もあります。
・人材紹介会社・転職エージェント
①と②の良いとこ取りをしたのが、人材紹介会社・転職エージェントの利用です。
あなたの希望に合った求人の紹介し、企業とのマッチングを行います。
費用は企業側にしかかからないため、基本無料で利用でき、質の高い求人が揃っています。
またあなた専属の担当エージェントがつくため、企業とのやり取りなども代わりに行ってくれます。
④自己PR
30代は20代と40代の狭間ということもあり、若さや熱意もありつつ、経験やスキルも備わってくる年代です。
よく言えばどちらも兼ね備えており、悪く言えばどちらも中途半端であると言えます。
ですので自己PRの際には、どちらも兼ね備えられているとアピールできるようにしましょう。
⑤障害の伝え方
障害者雇用において、企業側が最も気にするポイントが障害についてです。
あなたがどのような障害を持っていて、どのような配慮が必要なのか、緊急時の対応などを知りたがっています。
これらについて明確かつ具体的に伝えることが大切です。
正しく説明することができれば、あなたは自身の障害について、きちんと理解していると印象付けることができ、企業側も採用しやすくなります。
⑥就職・転職理由の伝え方
30代の就職・転職活動であれば、新卒であるということはあまり考えにくいです。
就職活動であれば何故働けていなかったのか、この期間何をしていたのか、転職活動であれば何故転職に至ったのか、それらが抱える障害に起因するものなのか。
就職・転職理由を整理して、正しく伝えましょう。
3.注意点
30代が就職・転職活動を始める前に知っておくべき注意点がいくつかあります。
就職・転職活動をする上で、これらを把握しておくのと、おかないのでは、大きな差が生まれてしまいますので、チェックしていきましょう。
①ハローワークの求人には落とし穴もある
就職・転職活動をするときは、ハローワーク、転職サイト、人材紹介会社などを利用することが多いでしょう。
それぞれに異なったメリットがありますが、ハローワークの求人には注意が必要です。
どれも求人を掲載していることに変わりはないのですが、ハローワークのみ企業が無料で求人を掲載することができるのです。
そのため求人数は最多ですが、その中には年収が低かったり、勤務時間が長かったり、いわゆるブラック企業のような求人も含まれています。
求人数が膨大なため、ハローワーク職員も全てに目を通すことができないのが現状です。
求職者であれば基本的にどれも無料で利用できるので、ハローワークはサブ的に利用して就職・転職活動を進めていくと良いでしょう。
②絶対に就職・転職をしないといけない訳ではない
あなたが置かれている状況にもよりますが、就職・転職活動を始めたら、絶対に就職・転職をしないといけない、ということはありません。
転職活動の場合、今の仕事と比較しながら転職先を探すと、今の仕事が良い職場であると気付く場合があります。
そのとき、転職活動を始めてしまったからと続ける必要はなく、今の仕事を継続すればよいのです。
就職・転職活動そのものに縛られずに進めていきましょう。
③謙虚さを持つ
30代以降の就職・転職活動の場合、採用担当者が明らかに自分より若かったり、新たに入社した企業の職場には自分よりも年下の上司・先輩・同僚がいることも多いです。
そのときに年下だからといって、態度や言葉遣いを緩めてはいけません。
あなたその企業では新人として扱われるため、年下であっても謙虚さをもって仕事に臨むようにしましょう。
④障害者雇用枠で配慮されすぎることもある
障害者雇用枠で採用された場合、企業側が障害に対して過剰に配慮してしまい、業務内容を単純作業にしたり、短時間にしたりすることがあります。
あなたは物足りなさを感じることもあるでしょう。
そんなときは、これくらいの業務ならできる、これくらいの時間なら残業もできるといったことを、企業側へ伝えるべきです。
伝えることは企業にとってもメリットが大きいことですので、障害者雇用枠であっても、やりがいを持って仕事ができる環境に、あなたが変えていくのです。
4.まとめ
ここまで30代の障害者雇用枠における就職・転職活動のポイントを見てきました。
障がい者の法定雇用率は今後も引き上げられていくことが予想されており、30代であっても就職・転職活動を進めやすくなっていきます。
30代には30代の就職・転職活動があります。
ESJコンサルティングでは、障害者雇用における就職・転職活動を様々な面からサポートしておりますので、ご検討されている方は是非ご連絡をお待ちしております。
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