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002« 2016年 サンティアゴ〜サンペドロデアタカマ

3月。

首都サンティアゴから北部のサンペドロデアタカマまで、バスで所要時間25時間。空路ならば2時間ほどのようだ。

まずは、長い長い空の旅、成田から米国経由でチリの首都サンティアゴに到着。
すぐさまバスターミナルに向かい、翌日のサンペドロデアタカマ行きのチケットを買いたい一心であった。

バスはお昼頃に出発して、翌日のだいたい同じ時間に終点サンペドロデアタカマに到着する。
アンデス山脈の中を入っていくバスだし見たことないいろんな景色があるはず、と意気込んでいた。
そもそも南米大陸自体が今回初めてであった。

翌日、水やお菓子を売店で購入し、アボカドのソースがもりもり乗ったウィンナードッグを食べ、バスは定刻にターミナルを出発。
物腰の柔らかそうな紳士的な乗務員さんが軽食を配る。
しばらくは街中を走り、道路工事をする人や、犬の散歩をする人、そこで生活する人々、住宅、行き交う車やトラックを眺めた。
徐々に建物が減っていく。
途中進行方向の左側に海が見えた。太平洋。
この海をずっと北西方向に行けば日本?
自分の座席は進行方向の右側。右側には風車がいくつも。

サービスエリアで休憩。真夏の日差し、暑い。
休憩は何分間?って確認したけど、なんだかよく聞き取れなかったのでバスの見える場所で伸びしたりなんだり。

日がだいぶ傾いた頃、バスはいかにもアンデス山脈の中という場所に。
標高が上がり耳のプチプチ感。
頭のボンヤリ感は、日本からの長旅による時差ボケなのか、標高のせいなのか。両方なのか。まぁ両方なのだろうな。

暗くなって見えるのは星。
あぁ、絶対いま星空凄いんでしょうね...
でも、星観たいからバスちょっと停めて?なんて無理だ。
それでも、あまり綺麗じゃない窓ガラスからはギラギラした星がいくつもいくつも。星もギラギラしていたが、時折、暗闇の山の斜面にたくさんの星が埋め込まれたような、ひとつの街?村?の灯りなのだと思うけど、これも物凄く綺麗。
未知との遭遇に出てきたような光景。これこそバスを停めてもらってじっくり眺めたい光景だった。
夜中、サービスエリアで休憩。
野良犬がたくさんいた。平然とバスの停車場に寝そべっている。昼間はあまり見かけなかったが、夜になり活発化か。

バスの座席はリクライニングになっているものの、自分の座席は故障気味なのか、倒しても段々と上がってきてしまう仕様であった。
上がってきては倒しての繰り返し。
ただ、異国での長距離バスという状況に興奮していたせいか、いつまで経っても睡魔が来ず、眠りたいのにこれじゃあ眠れないじゃないか!ということは無かったので、途中で倒すことをやめた。
ずっと好きな音楽を聴いていた。

うっすら空が明るくなってきて、ぼんやりと遠くの鉄塔が見えるようになってきた。
砂漠のような乾いた平らな景色だった。

最後の停車は空港もある比較的大きな街。
早朝で人の気配は無し。そこからは白っぽい平原や赤茶けた岩場を眺めながら、サンペドロデアタカマに定刻に着いた。

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