日本でクビは難しい!

映画やマンガでは、上司や経営者がヘマをした部下に対して、「お前はクビだ」などと宣告する場面をよく見かける。

しかし、これができるのはあくまでフィクションの世界や、日本とは法律が異なる海外での話。

日本では、そう簡単に従業員のクビを切ることはできない。

現実の世界でこれを本当にやってしまったり、もし冗談だとしても、言われた従業員が真に受けてしまったりしたら大変なトラブルになるだろう。

日本では、労働基準法を始めとした法律によって、労働者の雇用が手厚く守られている。

しかし、少し法律に詳しい人であればこう思うかもしれない。

「それはおかしい。民法には期間の定めのない雇用契約はいつでも解約の申し入れをすることができると書いてある。退職も解雇も自由」

「労働基準法に、30日目に予告するか、解雇予告手当を払えば従業員はいつでも解雇できると書いてある」

たしかに、法律上ではそうなっているので、お金を払えば自由に解雇できるとお考えの人がいるかもしれない。

しかし、法律とは別にもう一つのルールが存在する。

それが判例。
すなわち、裁判で解雇が無効だと判断された事例である。

これまで解雇にまつわる裁判が数多く行われ、個々のケースについて有効か無効かが判断されてきたという歴史の積み重ねがあり、それらの判例が法理として現行の労働基準法による解雇の規定となっている。

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