刑事の直感は本当に当たっているのか?

よく映画やドラマで、「刑事の直感」によって容疑者の嘘を見抜き、事件が解決に向かっていくシーンが描かれている。

こうした刑事のカンが本当に当たるのかどうか調べた研究がある。

その実験によると、刑事が他人の嘘を見抜く確率は、54%だった。

この数字を高確率と捉えるかどうかは、同じ実験で素人が他人の嘘を見抜いた確率と比べるとはっきりする。

実は、こちらの数字も54%だったのである。

この数字は、表情分析を体系的に学び、表情やボディランゲージに表れる嘘のサインを見抜く訓練を積んだ人の場合、90%近くまで達する。

しかし、体系的に学んでいない状態では、ベテラン刑事のカンと、素人の観察眼に差はない。

そうなると一番厄介なのは、自分は刑事として経験を積んできたという自負があり、直感的な意思決定を持った刑事である。

彼らは経験上、自分の選択は当たっていると思い込みながら、実際には素人と同じ五分五分の選択をすることになる。

つまり、刑事の直感と言う根拠のない確信によって、圧倒的な権力のもと、冤罪など刑事本人にとっても容疑者にとっても、後悔しかないような選択を繰り返してしまう可能性が高いのである。


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