人間だけが持つ能力!

この文章を読んでいる自分の姿を想像してみよう。

意識を部屋の隅に置いて、そこから自分を眺めてみる。

頭の中で、自分はまるで他人であるかのように、自分自身を見ているはず。

次は自分の今の気分を考えてみよう。

自分は今、どんな気持ちだろうか。

何を感じているだろうか。

その気分をどんな言葉で言い表せるだろうか。

さらに、自分の頭の中で起こっていることを考えてみよう。

自分は頭をフル回転させ、今やっていることにどんな意味があるのかと、いぶかしんでいることだろう。

自分が今、行ったことは人間にしかできない。

動物にはできない。

人間だけが持つ能力であった、自覚というもの。

自分自身の思考プロセスを考えることのできる能力である。

この能力があるからこそ、人は世代を追うごとに大きく進歩し、世界のあらゆるものを支配するまでになった。

自覚があれば、人は自分の経験だけでなく、他者の経験からも学ぶことができる。

そして、習慣を身につけるのも、断ち切るのも、自覚という能力のなせる業なのである。

人間を人間たらしめているのは、感情でも気分でもない。

思考ですらない。

自分の感情や気分や思考を切り離して、考えられることが人間と動物の決定的な違いである。

この自覚によって、人間は自分自身を見つめることができる。

自分をどう見ているのか、自分に対する見方、いわばセルフパラダイムは人が効果的に生きるための基盤となるパラダイムだが、私達は自覚によってこのセルフパラダイムさえも、客観的に考察できる。

セルフパラダイムは、自分の態度や行動を左右し、他者に対する見方にも影響を与えている。

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