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持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)との関わり

はじめまして、今回からSDGsの将来の担い手育成に重要なESD教育に関して色々な角度からのお話をさせて頂きますので、ご興味がある方はご閲読頂ければ幸いです。

ESDの歴史

Education for Sustainable Development(ESD)の歴史は、国際的な取り組みとしては1980年代から始まりましたが、より広範な意味でのESDの概念は1990年代以降に発展してきました。以下にESDの歴史の主要な段階を示します。

  1. 1980年代から1990年代初頭: 環境問題の浮上と関心の高まりにより、環境教育への関心が高まりました。1987年に「ブルントラント報告書」と呼ばれる『わが人類の未来』(Our Common Future)が発表され、持続可能な開発の概念が広がりました。この報告書は、経済成長、社会的発展、環境保護のバランスを重視する必要性を訴えました。

  2. 1990年代: 1992年の地球サミット(リオ・サミット)で、環境と開発の関係を強調するための教育への取り組みが強調されました。これにより、環境教育と持続可能な開発への教育が重要なテーマとして浮上しました。

  3. 2000年 - サブサハラアフリカ: 2002年、南アフリカのヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する国際連合の世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)で、持続可能な開発のための教育が提唱されました。これに基づき、アフリカのサブサハラ地域において、ESDの概念と取り組みが拡大しました。

  4. 2005年 - 国際連合ESDの10年: 2005年から2014年までの間、国際連合によって「ESDの10年」という取り組みが始まりました。この期間中、ESDの普及と実践が推進されました。各国はESDを国内の教育政策に統合するための取り組みを行いました。

  5. 2014年 - 持続可能な開発目標(SDGs)の採択: 2015年に国際連合は持続可能な開発目標(SDGs)を採択しました。これにより、ESDは持続可能な開発目標の実現に向けた重要な手段として位置付けられました。SDGsは2030年までの国際的な持続可能な開発の枠組みを提供しています。

ESDの歴史は持続可能な開発の概念の変遷や国際的な動向と密接に関連しています。国際的な取り組みとともに、各国の教育制度や教育政策の中でESDの実践が進められています。

世界各国のESD成果

ESD(Education for Sustainable Development)の提唱国は、日本がその中心的な役割を果たしました。2002年に南アフリカのヨハネスブルグで開催された国際連合の持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)において、日本の提案によりESDの概念が強調され、その後の展開が推進されました。この提案は、持続可能な開発を支えるために教育が重要であるという考え方に基づいています。

その後、2005年から2014年までの「国際連合ESDの10年」期間中に、ESDの普及と実践が国際的に推進されました。ESDは持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた教育の一環として位置づけられ、国際的な取り組みとなっています。

ただし、日本だけでなく多くの国がESDの重要性を認識し、持続可能な開発を促進するために教育を活用しています。国際的な連携と協力を通じて、ESDは各国で実践され、持続可能な社会の構築に向けて貢献していますが2020年現在提唱国である日本は統計学的なデーターはまだありませんが先進国中最下位だと世界からは見られています。(国々は自身の教育制度と文化に基づいてESDを推進しており、成果を測るための統一された明確な基準がまだ確立されていないため、国別の順位付けは難しいと言えます。)
参照:持続可能な開発のための教育(ESD)推進の手引


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