まいにち決算⑥【一人勝ちの猛者ケンタッキー】
大阪大学企業・投資研究会です!
今日は11/11発表の日本KFCホールディングスの2020年7月~9月の四半期決算を見ていきます!
企業の概要と事業内容
日本KFCホールディングス株式会社
・1970年設立
・社員数856名(連結)
・企業理念:おいしさ、しあわせ創造
・スローガン:やっぱり、ケンタッキー
ご存じの通り、事業内容はフライドチキン・加工チキンの販売事業です。
ビジネスモデルとしては、直営店での収入とフランチャイズ店舗への食材の販売、フランチャイズ店舗からのロイヤリティで成り立っています。
基本的には直営店収入とフランチャイズ店舗への食材販売の収益が90%を占めています。
決算
それでは決算書を見ていきましょう!2021年3月期 第2四半期決算です!
日本KFCホールディングス株式会社 2021年3月期 第2四半期 決算説明会資料
前年同期比で、売上高が+13.8%、営業利益が+37.8%となっています!
これはコロナで大打撃を受けた飲食業界ではかなり異常で、以下の図からもケンタッキーだけが一人勝ちしている事がわかります。
その理由は高いテイクアウト比率にあります。
ケンタッキーでは売り上げに占めるテイクアウトの比率が7割と大きく、コロナによる生活の変化を追い風に売り上げを伸ばすことができました。
これらによる増収増益の結果、上期で2020年度の業績予想の50%に到達しています。
クリスマスに売り上げが集中するフライドチキンの販売において、上期だけで50%をクリアするのはケンタッキーにとって悲願ともいえるのではないでしょうか。(実際に例年は47%程度の進捗でした)
一方でコロナウイルスによる特需は、9月には収束しつつある事も既存店前年比の売上高の推移から読み取れます。
最近また感染が拡大してきているので正直何とも言えませんが、上記のデータのままいくと、GoToでファストフードが恩恵受けるとも思えないので、地力での戦いになりそうです。
これは既存店の平均売上高の推移です。特需のあった2020年度の成長が目を引きますが、2018年度から既に売上は好調に推移してきた事がわかります。
この理由は、2018-2020年度の中期経営計画で宣言し進めてきた「日常化」を目指す戦略の成功にあります。
ケンタッキーは元々クリスマスが「稼ぎどき」となっています。
そのせいか他社のファストフードと比べて高価・特別といったイメージがついていて、日常利用に繋げることができていませんでした。
そこでここ数年注力してきたのが「日常化」です。
500円ランチの定番化やデリバリー対応の充実、「今日、ケンタッキーにしない?」のコピーに代表されるイメージ戦略の転換が結果を出してきました。
USJや丸亀製麺のように、マーケティング戦略によって企業再生を果たした企業にそのうち名を連ねるようになるかもしれませんね。
この戦略はさらに強化していく方針であり、顧客の買いやすさの追求のため実験的な取り組みにも投資しています。
事業戦略の効果も好調、財務的な懸念点も特にはなかったので、このまま順調にピークのクリスマスを迎えることになりそうです。
本日のまいにち決算は以上です!ありがとうございました!
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