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米国には、日本人に最初の収穫感謝祭を知って貰いたい動機は無いだろう。

11月の収穫感謝祭は、アメリカ合衆国の起源に関わる祝日で、全てのアメリカ人にとって重要な祝日である。

収穫感謝祭は、起源をキリスト教には持たず、米国以外の諸国でも祝われるが、こと米国に於いては、それは国家の起源に纏わるエピソードを伴う祝日なのだ。

しかし、その米国に長年従って来た日本に於いては、この収穫感謝祭と、それに纏わる故事に付いては、一般に殆ど認知されていない。

日本は長年、アメリカがクシャミをすれば、日本が風邪をひく、と言われる程の従いっぷりであったのに、彼の国の起源に纏わるエピソードは教育されていないのだ。

何故であろうか?

おそらく故意にであろう。アメリカには、元々、自らが何であるかを日本に教育したいと言う動機は無く、また、日本の公的教育でも、ワザと教えない事のリストの一つに加えていたと言う事だろう。

これは、かつて戦前日本が、進出した先々で鳥居を立て、現地の子供達に戦前イデオロギーを無理矢理教えて人々に日本を知ってもらおうとした事とは対照的かも知れない。

それとは違い、一般的にかつての欧米諸国は植民地や保護国に於いて、必ずしも自分達の正体を宣伝する様な事は行わなかった。知って貰いたい事は、そう言った事とは別の事であったろう。

アメリカ合衆国が、日本に対して戦間期以降の大量消費社会や、ハリウッド映画をもって自らとして示し、日本の教育機関も、それ以前の米国のルーツに付いては「把握出来ない様に教えている」と言う構図は、大なり小なり存在しているのではないだろうか?

11月の収穫感謝祭は、アメリカ合衆国の起源に纏わる故事に由来するとされており、10月のハロウィンとは全く無関係であるが、日本では混同が流布してさえいる。

故事の舞台である17世紀当時、この故事よりも時系列的には以前から、イギリスによる北米進出は続けられていたのだが、敢えてこの故事は独立前の時代の米国の発祥エピソードとされて来た。

それは、具体的にはメイフラワー号の乗員乗客による移民のエピソードだ。

なんだ、メイフラワー号なら世界史の教科書に載っていたぜ、と思うかも知れない。

しかし、彼らのオランダ経由での移民、洋上でのメイフラワー号誓約、プリマスプランテーションの開始、先住民に助けられながらの最初の収穫感謝祭…と言う、まさに感謝祭イベントのルーツとなるエピソードについては、義務教育では教えられる事が無い。

だから、日本ではハロウィンの事を感謝祭と混同しても誰も気が付かない程なのだ。

プリマス植民地や、隣接するマサチューセッツ植民地の立ち上げストーリーの詳しい説明は省くが、日本人の多くがこの故事を知らない事実はつまり、多くの日本人は、英国や米国の植民地の成り立ちのイロハさえ知らなかったと言う事でもあろう。

日本の公的教育は、これ以外にも、ガリ勉しても重要事項が伝わらない教育カリキュラムを故意に作っていると私は感じる。アメリカをはじめとした各国は、更に古くローマ帝国を経由したヘブライズムやヘレニズムを継承しているのだが、そう言った骨子の部分が伏せられているのだ。

この日本の教育カリキュラムの悪弊は、実はかなり昔からの事ではないか?とも思う。何故なら、日本人のいずれの世代も、これらに関しては大差無いからだ。

日本オワコンなどと言われる昨今だが、こう言った事も、終局が見込まれていての事だったのだろうか?そうではないと言うならば、何が原因でこの様になっているのだろうか?

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