見出し画像

スモーク

皆さんもライブを見て、感動したり、気分が高揚したり、華やかに見えたりといった体験をした方も多いと思うが、そのステージの裏側には必ず音響、照明、スモークなどを司るスタッフさん達の努力がある。

とあるライブハウスでの話、

我々はリハーサル前に当日の曲順と演出の要望をスタッフさんに提出し、イメージを伝える。そこでのお決まりフレーズが

『スモーク多めで。』

である。

野菜背脂マシマシで!
ハイボール濃いめで!!
キャベツとご飯のおかわりで!!!

と言わんばかりの勢いでガツンと最高の演出が欲しいのだ。

そして、リハーサルが無事に終わりいざ本番へ。

さぁ、行くぞとドラムに座る。そして演奏を始めるも、違和感を感じる。

シュコー!シュコー!!(スモークを焚く音)

「あ、これは、スモークの音やな!!
おぉー!ガンガンスモーク焚いてくれてる!
ええ感じにモクモクしてる!テンションあがるぜ!!」

数分後
シュコー!シュコー!

「おぉっ!またやってくれてる!
どんな感じに見えてるんやろ?
録画してもらってる映像が楽しみやな。」

MC中
シュコー!!シュコー!!!!

「け、結構やってくれてる!!もっくもくやん!
ええやん!!やったろうやん!!(妙にハイ)」

シュコー、シュコー
シュコー、シュコー。。。

ライブは大盛況のうちに幕を閉じる。

めっちゃ調子良かったなぁ演奏の確認が楽しみや!!


後日ライブの映像をチェック、
やはり、どういう演奏ができて、どういうところに課題があるのかというのは確認していた方がいい。

そして、いざチェック。

するとなんということであろう。

メンバーが二人しかいないのだ。

私は目を疑う。。。
確かに3人のバンドなのだ、だが最後の一人がどうしても見当たらない。
もう一度目を凝らし確認する。
「ギター...ベース...ドラm...ドラムがいない!!!!」

私がいないのだ。

たしかにあの日はちゃんとライブハウスに行き、演奏したはず。。。
なぜ。。。

するととある違和感を思い出す。


そう、スモークであった。。。


画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?