学ラン=裏ボタンしか知らなかった高校1年生の失敗談


高校へ入学そして学ランと出会う
 

  中学校はブレザーだった。そこから近くの公立高校に入学した。海が近くとても穏やかな環境にある高校だった。そこで初めて学ランを着ることになる。

裏ボタンのみ知っている

 学ランといえば裏ボタンだ。それだけを知っていた。じゃあ裏ボタンって何かと言われると知らなかった。その単語のみ知っていた。これが悲劇を生む。

学ランを裏ボタンで留めて登校する

 初めて学ランを手にした時に、裏ボタンを見つけた。表の金色の大きなボタンの糸をまとめている、プラスチックの小さなボタンだった。ボタンと呼べるのかもわからないが、これが僕の裏ボタンとの出会いだ。
 そして何を思ったかわからないが、僕はこの小さな裏ボタンで学ランを留めて着ていた。当然のようにそれで通学をしていた。
 もちろん、そんな小さなボタンで留めているから、ボタンが外れまくった。ゴムのズボンからジーパンにベルトをするようになった中学生時代に感じた、「ああ、大人になるっていろんな不都合なことを我慢することなんだ」という気持ちを再び感じた。表の金色のボタンで留めるなんて思いもしなかった。

友達に相談して発覚する

 トイレでたまたま中学の友達に会ったので、「学ランのボタンってめっちゃ外れん?」って聞いてみる。「いや、全然外れんけど」と普通に言われて「お前どこでボタン止めとん?」と言われる。


 「え、裏ボタンじゃけど?」


 自分でそう答えたはいいものの、瞬時に自分が間違えていることに気づいた。息できなくなるぐらい、笑った。

無事学ランを着こなすことに成功した

 その瞬間から世界が変わったかのように、学ランが着やすくなった。ああ、学ランてこんなに快適なんだと思った。それと同時にもうあんまり自分のことを信じないようにしようと心に誓った。どうして他の人は当たり前のように、できるのだろうか。どうして僕は、常人なら失敗のしようがないようなところでつまづいてしまうのだろうか。不思議でたまらないが、まあそれも個性ということで。

まとめ

 「自分の常識は、だれかにとっての非常識」
 心に留めて忘れないようにしたいと思う。


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