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Interview with Matias(Barren)

(Interview date 12/6/2021~1/20/2022)

ーマティアスありがとう!インタビューいけます?
もちろん。こっちこそありがとう。


ーそっちは今また感染者が増えてきてるらしいすね。
そう。幸い私の周囲の人は元気にしてて、 家族の安全を守って状況を良くしていこうと最善を尽くしてます。バンドの方はロックダウン中に曲を書いて録音もしたし、早くライブしたりツアー行けるようになって欲しいよ。


ーBarrenについて軽く経歴の紹介をお願いします。
2017年の初めに結成して、最初の数ヶ月は主に曲作りと自分たちのスタイルを定義する作業をしてたかな。「チェーンソー・グラインドコア」と表現するものをやりたかったのは最初から明らかで、 クラシックなHM2サウンドの曲をやりたかったんだ。
リハーサルもかなりやった。リフや曲も相当数書いた。で、時間をかけてバンドが目指しているものを表現していると思える形にしていったんだ。2020年に最初の曲をレコーディングしてベルギーのHearse Studiosでミックスとマスタリングをした。

ー「BUZZ SAW」も「CHAIN SAW」も言い得て妙というかまさにそういう音ですよね。HM-2。
ああ。残忍性と攻撃性の壁だ。だからその領域に向かうまでそれほど時間はかからなかった。ユニークになろうとか驚くほど新しいことをやろうとは思っていなかったし、ただ自分たちだけのグラインド/クラストコアを作りたくてね。
あちこちで予想外のテンポの変化もしたかったし、速いリフ、二人のボーカル、クレイジーなドラム...
レコードを消すまで聴く人の心を掴んで離さない音楽だよ(^o^)


ー個人的なところで、Matiasのバックボーンについて教えてください。多分これを見てる人でAgathoclesやABORTEDを知らない人はいないと思うんですが、影響を受けたバンドやプレイヤーってどの辺ですか?
確かに難しいな(笑) 80年代後半、13歳の時にギターを始めたんだけど、初期のSlayer、Metallica、Anthraxや、DischargeやThe Exploitedとかのハードコア/パンクバンドに影響を受けたんだ。その後、Death、Deicide、Morbid Angelを発見した。
90年代の半ばにAgathoclesに加入してグラインドとクラストのシーンにのめり込んで、それ以来エクストリーム・メタル・バンドでプレイしている。
オランダのSuppositoryや、90年代後半にEmethを始めて、Abortedでも数年プレイした。今はBarrenの他に私とジミー(Vo)はEmethで、トム(Bass)はHuman Vivisectionで活動してるよ。

ー僕もHM-2使って録音したことあって、確かにユニークなペダルですけど同時に扱いが難しいとも思ってます。フルテンで使うならアンプ側ってどんな感じのセット組んでますか?
あー、まあ使いこなすにはちょっと骨が折れるね。正直に言うと使ってるのはBOSS HM-2じゃなくてフランスのAIB Custom Fx Pedalsっていうクローンなんだ。彼らはLone Wolf Audioと一緒に最高のチェーンソー・ペダルを作ってて、オリジナルのHM2をただコピーするのではなく、研究を重ねて独自のデザインを生み出してるんだよ。BOSSのペダルの改造とかもやってる。


ーへえ~。今度出す編集盤のバックインレイがHM-2のドアップですけど…

(笑) アンプはPeavey 6505のクリーンチェンネルにAIB Custom 'Death'を、1992年製のPeavey Ultra 120にLWA Left hand Wrathをつないだデュアル・アンプ・セットアップを使ってて、それぞれペダルはフルテンじゃない。

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ー僕は「Thralled Are Those Who Kneel 」を聴いてBarrenを見つけました。最初からフルレングスじゃなくてデモとEPに分けて短いスパンでリリースすることにしたのは何か理由があったんですか?
理由は簡単で、フルで出したいというレーベルが見つからなかったからだよ。ポジティブな反応はいくつかあったんだけどCOVIDの影響でレーベルが新しいバンドのリリースを控えるようになったんだろうね。
いつリリースされるかわからないまま待つのは嫌だったから、デモと2枚のEPに分けることにしたんだ。「Thralled Are Those Who Kneel 」の頃にはすでにたくさんの新しい曲を書いていて、最初のレコーディングがすでにずいぶん前に作ったものみたいに感じちゃってたからね。


ーこの度ウチから出す編集盤はCD用のリマスターがされているらしいですが、デジタルでリリースされたものと比べて変わったのってどの辺ですか?
ああ、それはCD用に最適化してもらっただけで、実際はそれほど大きな違いはないらしい。専門家じゃないから詳しくはアレだけど、デジタル用、CD用、レコード用ではマスタリングに違いがあるっぽい。

ー現在日本のライブの場合、グラインドコアのバンドは自分たちに近いサブジャンルのバンドと共演する事も多いんですが、ベルギーはどうですか?グラインドシーンって盛り上がってます?
うーん正直そうでもないかな。というのもこういう状況だしね。
ベルギーには良いショーやプロモーターがあるんだけど、正直なところライヴするならオランダとかドイツとかフランスに行きたい。


ーなるほど~。ベルギーとその周辺国って何が違うんですかね?

比較するとライブの動員数やそもそもリスナーの数が圧倒的に違うね。あとベルギーのアンダーグラウンドシーンにはグラインドショー自体があんまりない。これデカいよ。


ー確かにね。今後ツアーに出て対バンしたいバンドとかいたら教えてください。
Teethgrinder(オランダ)、Gummo(フランス)、Razoreater(イギリス)、Bain de Sang(フランス)


ーあ、そうそう、先日投稿してたUxGxのカバー素晴らしかったですよ。MatiasがAgathoclesにいたのって屍とスプリット出してた頃ですよね。今好きな日本のバンドってありますか?

ありがとう。そうだね。アガソで弾いてたのはその時期だよ。ずっと好きな日本のバンドはUnholy Grave。その後に続くのはCatasexual Urge Motivation(特に彼らの最初のフルレングス、素晴らしい)。そしてもちろんSOB、Carcass Grinder、Flagitious Idiosyncrasy In The Dilapidation、Go-Zenなども。

ーもうすぐ2021年も終わりってことで、今年一番聴いたアルバムとMatiasのお気に入りのアルバムを教えてください。
えー、そういうの聞く?本当に難しい(笑)
好きなアルバムはたくさんあるんだけど今年聞いた中では
Razoreater - Purgatory
Konsensus - A new Age of Terror
Sickrecy - First World Anxiety
Gummo - A frech breath in the Neck,......あたりかな。

それとは別に、墓に入れるとしたら
Slayer - Reign in Blood
Morbid Angel - Alters of Madness,
Nile - Among the Catacombs of Nephren Ka, Katatonia - The Great Cold, Karnivool - Themata,
Carcass - Symphonies of Sickness, Terrorizer - World Downfall,
Napalm Death - From Enslavement to Obliteration


ーエクストリームミュージック以外は?
もちろん聴くよ。 VaiやSatrianiのようなギタリスト、ジャズ、フュージョン、オールドスクールなラップ/ヒップホップ、クラシック音楽とか。アンダーグラウンド界隈って音楽の趣味をオープンにすることが評価されないケースも多いけど、そういうのは全く気にしてない。耳と心が喜ぶものなら何でも聴くんだ。

ー今後の予定はありますか?
すでにフルアルバムをレコーディングしていて、2022年にリリースされる予定です。あと、 それとは別でアメリカのBERATEDとのスプリットを録音して、Grand Vomit Productions (US) から3月から4月にかけてリリースします。 今はセカンドフルアルバムのための曲を書いている最中です。
あと、出来れば何本かライブしたいな。ちょっとしたツアーやったり。で、スプリットとかも出せたら最高。

ーオッケーありがとう。ひとまず編集盤のリリースは2月2日です。最後に一言。
私たちのバンドを、音楽を、サポートしてくれてありがとうございます。
皆さんの幸せと、またライブでゆっくりビールを乾杯できる日が来るのを願ってます。


(Interview & Text by yosuke harada)