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Interview with Greg(Okus)

<Interview date 3.14.2021>

―時間を取ってくれてありがとうございます。最近はどう過ごしてますか?
悪くないよ。世界中で全く非常に奇妙な時期が続てるけど、できる限り生産的でいようと頑張ってるよ。


―クリス(ChainbreakerRecords)とのメールでちょっと聞いたんですが、アイルランドは今ロックダウンの最中らしいですね。バンドとしての動きは全くできない感じですか?
今はレストランすらやってなくてね。ライブが出来ないのはもちろんリハーサルもほぼ停止してるんだ。だけど、家で曲を書いたりそのほかメンバーと色々連絡を取り合ったりはしてるよ。


―Okusを紹介するにあたり、バンドのバックグラウンドについて聞きたいです。最初のリリースは2013年のようですが活動はそれ以前からですよね?
そうだね。リリースでいうと確かその頃だよ。バンドの起源の話になると20年以上前にさかのぼるんだけど…。これ聞く?(笑)


―お願いします(笑)
えーと、ドラムのクリスポと俺が昔からの友人で、一緒にバンドも組んでたんだけど、何度かライブをしただけでレコーディングはしなかったんだ。で、彼はその後The Dagdaやその他多くのバンドで演奏してて、俺もいろんな国のいろんなバンドでツアーや演奏をしていた。
そうやって何年も他の人と一緒に演奏してるうちに、気心の知れた人ともう一度一緒に何かをやろうと考えるようになってきてね。Okusはそうやって始めたんだ。

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―なるほど。Okusの曲はパンクやクラストに加えてグラインドコアの要素も十分含んでいますよね。その辺は2人の共通の好みでしょうか?
Okusが影響を受けたものはパンク/ハードコアとメタルも多いけど、グラインドが音楽人生の中で大きな部分を占めているというのは完全にその通りだよ。可能な限りヘビーでダウンチューンなものにしたいんだけど、同時にパンクっぽさも残しておきたくて今のOkusのサウンドが出来上がっていたんだ。あと、俺は個人的にCorrupted、Godflesh、winterとか、そういうスローなバンドが好きだから、それもOkusの曲に影響を与えてるかもね。
それから、音楽的にどう聞こえるかに関わらずDIYパンクシーンの一部であるという考えを大切にしてるんだ。


―Abandon Sun(Scourge収録)の出どころはそこですね。ソングライティングの方法について、キャリアの中で変化はありましたか?2016年のドキュメンタリーでは"metal with a punk attitude"と話していましたが…。
他のバンドと同じだと思うけど、曲の書き方は時間をかけて進化してるね。ファーストアルバムの曲はほとんど一人で作ったとはいえ、クリスポとジョニー(Gt/Cho)の助けがあったことは言うまでもない。
対して最新作『Disincorporate』はアイルランドで最初のロックダウンが行われてた時期だったからほとんど俺が家で書いたものなんだ。それをリハーサルに持ち込んでバンドで演奏するための命を吹き込んだ。


―自分は前作「Scourge」でOkusを知ったんですが、NewEP「Disincorporate」ではよりクラスト感が前面に出ているように思ってます。
キミの言う通り、Disincorporateはメタルやグラインドの部分をあまり強調しない、非常に生々しくて速いハードコアのレコードになったはずだよ。もっとパンク的な態度で、とてもシンプルで短い怒りの歌を歌ったんだ。
ロックダウンのために時間がなかったからシンプルで短い曲にしてすぐに録音できるようにしたんだ。
今のところBandcampでしかリリースされてないけど、DoomやAmebixのカバーなどこれまでリリースされなかった古い曲も含めて近いうちにフィジカル・リリースをしたいと思っているんだ。


―制作中にハプニングや面白い出来事はありましたか?
いや、特に(笑)。全部が非常にシンプルでスイスイ進んだかな。
ウィックローにある the Hiveってスタジオで録ったんだけど、そこは長年にわたって多くの素晴らしいハードコア・パンクのレコーディングが行われている。
エンジニアのEoinは一緒に仕事をするのが楽しくてね。次のフルレングスを録る時もそこを使おうと思ってるよ。


―ところで、アイルランドのパンクシーンについて教えてください。ケルトパンクは日本でも有名でフォロワーも多いですが、エクストリームミュージックシーンには多くのバンドやライブハウスがあるんですか?
現在あらゆるジャンルの素晴らしいバンドが活躍していると思う。でもシーンは小さくて、各市や町にはいくつかのライブハウスがあるけどパンクやメタルのバンドが演奏できる場所は明らかに少ないかな。まだまだアンダーグラウンドな存在で、主流の音楽メディアからはほとんど関心を持たれてない。
だから、バンドはひたすら自分たちで道を切り開いているんだ。
イギリスやヨーロッパ本土にとても近いからバンでツアーに出かけるのも簡単だし、飛行機で行くのもけっこう安いんだよね(笑)


――車で外国に行けるって羨ましいです。アイルランドで流行っているカルチャー、注目している新しいバンド、シーンで重要なバンドなど教えてください。
バンドだと、Grief Eater, Noosed, Soothsayer, Grit, Blow ins, Objectorz Toomzなど、他にもたくさんあるけど、全部はパッと出てこないな (笑)


―最近よく聴いているアルバムと、人生で一番好きなアルバムを教えてください。ひとつじゃなくてもいいですよ。
最近よく聴いているのは、去年出たNapalm Deathの最新アルバム、Bombardment、John Carpenter、そしてSwans。
それから、NeurosisのThrough silver in Bloodは、ずっと好きなレコードのひとつです。


―NAPALM DEATHといえば、去年の共演予定は今年7月に延期したようですね。今世界的にワクチンが話題になっていますが、今後の予定で決まってることはありますか?
そう。ワクチンね。物事が正常に戻ったときに、生活を元に戻すことを計画していて、リハーサルをして、ギグをして、できればニューアルバムをリリースしたいと思っているんだ。
今年は9月にロンドンのChimpy Festに出演することになっているんだけど、もし実現したら最高だよね!


―ツアーも今後の新譜も実現するのを楽しみにしてますよ!最後に一言!
私たちの活動に興味を持ってくれて本当にありがとうございます。
地球の反対側にいる人たちがこのバンドのことを知っていてくれてるって、本当にすごいよ(笑)
実はドラマーの息子が日本に引っ越すつもりみたいで、できれば俺も日本に行って演奏したいな。それが叶ったらほんとに夢みたいな話だよ!
色々あるけど皆さん気をつけて過ごしてくださいね。