見出し画像

働く環境で必要なのは一緒に働く人との適度な距離感

「直接話すからこそ感じ取れるものがあるよね」
そう言われて、数年前の私だったら納得していた。

でも、直接話したって、伝わらないものは伝わらないと、私は以前の職場で学んだ。
もちろん、直接ではなく、電話やメール、ビデオ通話等になれば、それ以上に伝わらなくなる可能性も当然あるけれど、だからといって、顔を見合わせて話すからこそ感じ取れるものにも限界はある。

私にも要因はあるけれど、私は数回転職を繰り返している。
退職を願い出る時が、一番居心地が悪くなる瞬間だと個人的には思っている。
どんな理由で辞めるにせよ、その日まで会社が自分に費やしてきたお金と時間は間違いなく存在するのだから、それを無駄にしてしまうことに罪悪感はある。

しかし、そんな罪悪感さえも吹き飛ばしてしまう会社はある。
会社というより上司なのかもしれない…。

自分の言動を棚に上げて、辞めることを嫌がらせなのかと問い詰めてきたり、かと思えば給料を上げるからと説得をしてくる人もいる。

辞めたいという話を進めたくて伝えたのに、毎回居酒屋に連れてかれて説教まがいに語ってくる人もいる。

辞めたいという話を上司にした瞬間、それはもう心が決まっているという場合がほとんどだ。
辞めるかどうかを迷ってる場合、辞めたいということを明確に言葉にして上司に相談する人はあまりいない。
「今後やっていけるか自信がない」
「目標がなくてどうしたらいいのかわからない」
「もっとお給料がもらえる会社に転職したい」
そういう言い方をして相談にのってもらい、相談の中で辞めたいという言葉が出てくる。
そういう人がほとんどだ。

とにかく、まっすぐと「辞めたい」と言う人は、もう辞めるつもりの場合が多い。
絶対そうだと言いきれないのは、ハッキリ辞める意思を伝えることで、それを交渉材料にしてくる人も中にはいるからだ。

私は今、完全在宅の仕事をしている。
会社の人とは用事のある時や、何となく話したいというタイミングで通話をしたり、MTGを設けたりすることでコンタクトをとる。

基本的には自分だけの空間で仕事をしていて、必要なときにだけ話をするというのが基本スタイルだ。

前職の方が、社内の人とはいつも近くにいた。
でも以前より今の方が、明らかにいろいろなことを社内の人に伝えられている。

在宅だと、自分から発信しないことには自分の意見を相手に伝えることができない。
だから今の会社の方が、都度の報告が重要になっている。
でも、それが苦痛に感じたことが私はない。

今の会社で一緒に働く人に共通しているのは、社内の人とプライベートでは適度に距離があるからこそ、人間関係のストレスをあまり感じていないということだ。

そうすると、私が前職で出会ったような、「辞めたい」という話をしたときに、めちゃくちゃなことを言ったり、このご時世なのに居酒屋に連れて行ったりするような人はいなくなるのだ。

「辞めたい」といえば、「辞めることが最善なのか」「社内で出来ること(配置転換や働く時間などの変更)はないか」「転職するにしても職が見つかるまでの間に会社としてしてあげられることはないか」「興味のあることは?関係のあるところを紹介できないか」など、とにかく社員にとって何が一番いいのかを一緒に考えてくれる。

そして、心を決めて強い意志で「辞めたい」という人に対しては、引き止めたりせず、働く環境は別になるけどお互いに頑張ろう、と辞めてからも良い交流関係を築き続ける。

それが今の会社である。

どちらが正しいのか、というのは分からない。
ただ個人的には、今の会社の方が圧倒的に居心地がいい。

どんな「会社」が良いのか、ではなく
どんな「人」と働きたいか、が重要。

どんなに優良会社であっても、一緒に働く人が人としてひどい人だと苦痛でしかない。

どんなに小さな会社であっても、一緒に働く人が出来た人たちだと毎日が楽しくなる。

結局は、「人」が大切だと、今が痛いほど感じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?