0はいつまでも0
旦那と一緒に仕事を始めた頃、代理店や印刷会社を通して競合コンペに参加する時、旦那は「取れなかったらお金は要りません」と言っていた。
依頼する会社は「いやぁ、それは…」と言いながら、コンペで負けた時はしっかりお金を払わない。
時間をかけて考え、何時間もかけて作業するのに収入は0円。しかも、コンペで負けた理由の殆どが出来レースだったりする。一社だけに頼むのは体裁が良くないから、他にも声かけて出さしておいて、いつもお世話になってるあの会社に出す。そう言う流れが見え見えだったりする。
コンペで取れたんだけど、予算を削られたからデザイン料は払えません。ごめんなさい。という会社もあった。担当営業の人、今でも旦那と交流あるけど、私は忘れてないよ!この先絶対一緒に仕事しないよん。
コンペといっても大きな企画ではなく、土地柄新聞などの折込チラシが多かった。当時は、携帯会社が上り調子で、ショップの人が上から目線で指示を出すと言うのが多かったな。しかも、毎回コンペ。コンセプトはなく、指示はこんなフェアしますくらい。チラシを打たなきゃいけないくらいに思ってる感じだった。
なぜ負けたらお金をもらわないのか
今は競合のコンペの仕事を受けることもなく、チラシの仕事もほとんどない。過去を振り返り、旦那は何であんな事を言ってたのか気になり、先日理由を聞いてみた。
仕事を取りたかったのと、自信があったから。
旦那は過去に大阪で大きい仕事を何度も実力で取っていた。クライアントからも信頼され、指名で仕事が来るくらいになってたそうだ。ちょっとでも入る隙があれば、そこからクライアントの信頼を勝ち取り、仕事を広げていく。
だから、同じ事をしようとしていたそうだ。
でも、それは大阪という街のそれなりの会社に所属してたという信用があったからだと思う。
そう思うのは、コンペでは競合の会社が選ばれるのだが、出来上がった物を見ると、旦那が出した提案のパクリ。プレゼンの時は違う案を出してるにもかかわらず…
アイデアなんで誰でも考えられる。真似たんじゃない。同じような事を考える事はよくある。
そんな安易な考えで、お金さえ入れば良いという会社が、アイデアごと掻っ攫っていく。
そんな事ばかりでウチへ入るお金は0円。
ただ、都合の良い下請けでしかない。
そんな感じで辛酸嘗めまくったお陰で、知識はいっぱいついたよ。心が何度も折れそうになったけど、次はどう言う手で行くか、どうすれば自分達のアイデアが通るか考えまくったおかげで、知識と人を見る目、自信もついた。
今はお金を払わないところとは付き合わない。そして、安価で仕事を受けない。これを徹してる。
自分のアイデアや能力、技術を使う時は絶対お金をもらわないといけないと振り返って思う。
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