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形のない労力への対価

ウチは夫婦でデザイン業をしているのだが、拠点とする地域的になのか、デザイナーと言うと『形を作る人』と思われ、ディレクターと言うと『?』となり「来週そう言う人がウチの会社に入社するんです」と言われ、蓋を開ければデザイナーと言う肩書きのオペレーター…。
現在肩書きにしてる『クリエィティブコンサル』なんかはそんな肩書き有るんか状態。
そんな地域性というのも有るのか、デザインの仕事の対価はかなり低い。

以前勤めていた代理店の上司はパソコンが作ってくれると思っていて「パソコンが有れば、作れる人はいくらでもいる」とパソコン使えないくせに言ってた。
20年ほど前の話なので今は、知識と技術がないと使えない道具だと認識してくれてる事を願うよ。

友人からロゴ制作の問い合わせ

友人からラインで「店名をデザインしてもらったらいくらいる?」と聞かれた。
店名?お店の名前?あっ、これはロゴの事かな???と思い、「ロゴのデザイン?」と聞くと、「看板やら名刺やらに使うやつ!」と返事が。
やっぱりロゴだと思い、なぜその金額なのか理由を添えてウチの設定金額を伝えた。

返事は「予算オーバー。」

きっと1万から2万円で考えてたんだろうと思い、一応予算を聞いてみたら…5,000円。
う〜ん。。。デザインを仕事としてる私にこの金額かぁ…友人とは言え、仕事で他では正規の金額を貰ってるから、受けるわけにはいかない。
でも、友人だから何とかしてあげたい。

葛藤…

クラウドソーシングを紹介

さすがに言い値で受けるわけにいかないので、クラウドソーシングと言う手があるよと伝えた。
クラウドソーシングでコンペで募集すると1〜2万円でもちゃんと内容を伝えたら結構な応募があるよ!と教えるために参考用にスクショを撮ろうとクラウドソーシングを見たら、想像を超える3,240円で募集が!
しかも57件も応募がある((((;゚Д゚)))))))

応募者の作品を見てないので、どんなレベルの人が応募してるのかは分からないけど、デザインを学び、生業にしてる人が応募してたら、ちょっと嫌だなぁと思った。

ロゴって、それを使う会社やお店が存在する限り使われ、看板や名刺、広告物に使われ続けそのお店や会社を象徴するものになる。そして、今後そのロゴを使って商売(お金を稼ぐ)するんだよね。
なのに、デザインの勉強をして技術や知識も身につけた人には、こんだけの報酬しか支払われないなんて…

デザイナーが疲弊するだけだと思う。

そう思う私が5,000円のロゴ制作のために、友人にクラウドソーシングを紹介するのは矛盾してるのだが、クラウドソーシングでコンペをする場合、ある程度のイメージや必要要素を文章や、添付ファイルなどで用意する必要がある。それがキチンと出来れば、きっと応募者が有るのだろうけど、できてない場合は応募者がない可能性がある。
それがどれだけ大変か知ってもらわないと私がやっている事の大変さを理解してもらえない。
もし、応募者がいて気にいるロゴが有ればそれで良いと思う。

安価な仕事はしない

何年もデザインの仕事をしてきてわかったのは、
『金額が安ければ良い』そう思う人と仕事をしないと言う事だ。
安売りをして労力と時間ばかりかかり、報酬は少し。何時間も考え何時間も作業する。時給に換算すると100円以下と言う時もある。

こんなんで本当に良いのか?何のために大学まで出してもらったんだ?と自問自答。
本当どこかでバイトした方が稼げると何度も思った。

そして出した答えは「価格を上げる。」
これをする事で、依頼をしてこなくなった人もいるけど、きちんとウチに頼むか考えてから依頼をする所が増えてきた。

決して順調とは言えないけど、こうする事でストレスはだいぶん減った。
自分が積み上げてきたものを安売りして、どんどん疲弊していくなんて、何のために仕事してるか分からなくなるよ。

デザインを仕事にしてる人、み〜んなが安い仕事を受けなくなれば、最低価格が上がるのに!
そうなって欲しいなぁ。


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