見出し画像

【GIU 35】日本語解説 had better / should「 〜したほうがよい」と It's time...「 そろそろ〜したほうがよい」の意味と使い方

この記事では、私たち日本人英語学習者が普段の英会話でパッと出てこないようなフレーズを、文法知識から底上げしたいという気持ちで書きます。

日本語から英語にしようとすると、しっくりくる英語表現が見つからないことは多いものです。

今回は、"had better" と "It's time… "の表現です。
日本語では、「〜したほうがよい」「そろそろ〜したほうがよい」の意味になります。

1、 had better 「〜したほうがよい」の意味と使い方


had better の意味と使い方

"had better" はイディオムで、
意味は「〜したほうがよい」になります。
イディオムはその使われ方に解説の使用がなくそのまま覚えて使えるようになりたいものです。

had better
It is advisable to do it. If I don't do it, there will be a problem or a danger.
することが望ましい。やらなければ、問題や危険がある。

English Grammar in Use Book with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English 5th Edition
by Raymond Murphy
Unit 35

"advisable" という言葉があるので「アドバイスする、助言する」という意味が含まれています。

意味
used to tell someone what you think they should do
すべきだと思うことを誰かに伝えるために使用される

例文
Ex. We'd better leave now or we'll miss the bus.
今すぐ出発しないと、バスに乗り遅れる。
Ex. You'd better not do that again.
もう二度とやらない方がいい。
Ex. “I'll give you back the money tomorrow.” “You'd better!” (= as a threat)
"明日、お金を返します。" "そうしてくれ!" (=脅しとして)

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/american_english/better_2#better_2__90


上記の例文のように、ネガティブなことに使われるイディオムで、文法知識として大事なことは「〜したほうがよい。しなければ、問題や危険が生じる」というニュアンスがあることです。

上記のひとつめの例文では、「今すぐ出発しないとバスに乗り遅れる」という問題が生じるために、had better が使われています。

ふたつめは、再度悪いことをすると問題や危険が生じるために、had better not が使われています。

3つめは、返金されるべきお金を返しますと言われたさいに、「返金しないと問題、危険が生じる」または「脅し」のニュアンスを含めるためにhad better が使われています。

上記を踏まえると、had better の意味は大まかに2つあると言えるでしょう。

  1. 従わないと問題や危険が生じるためしたほうがよい

  2. 脅しのニュアンス

"had"だけど現在、未来形として使う

みなさんがすでにご存知の通り、"had"は"have"の過去形です。
過去形だけども、"had better …" 「〜したほうがよい」とイディオムとして使う時は、過去のことではなく、現在または未来のことについて言及します。

I'd better go now / tomorrow.
今すぐ/明日にでも行った方がいい。

English Grammar in Use Book with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English 5th Edition
by Raymond Murphy
Unit 35


2、had better と should の意味の違い

"had better"と"should"は日本語訳にすると両方とも「〜したほうがよい」の訳になってしまいますが、実際に英会話で使うさいはどのようなニュアンスの違いがあるのでしょうか?

  • had better = より限られた、特定の状況でのみ使われる

  • should = 一般的な物事に対して、幅広く使われる

had better 

"had better"の意味を上述しましたが、 "advisable"の意味がありますのでアドバイスする、助言するという意味も含まれています。しかし、それに従わないと問題や危険が生じたり、文脈上、特定の状況でのみ使うことが可能です。

The film starts at 8:30. You'd better go now or you'll miss the beginning.
映画は8:30からです。今から行かないと始まりに間に合わないよ。

English Grammar in Use Book with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English 5th Edition
by Raymond Murphy
Unit 35

上記の例文の場合、「The film = その映画」という限定的な状況であり、今行かないとその映画の冒頭を見逃してしまうという問題が生じるため、 "had better"が使われています。

It's a great film. You should go and see it. ( but no problem if you don't )
素晴らしい映画です。観に行くべきです。(でも、見なくても問題ありません)

English Grammar in Use Book with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English 5th Edition
by Raymond Murphy
Unit 35

should

"should"の意味は、「It is a good thing to do = ~するのが良いことだ」という意味です。シンプルに 「good = いいことだから〜したほうがよい」と言いたいときに幅広く使えます。

It's a great film. You should go and see it. ( but no problem if you don't )
素晴らしい映画です。観に行くべきです。(でも、見なくても問題ありません)

English Grammar in Use Book with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English 5th Edition
by Raymond Murphy
Unit 35


3、It's time… 「そろそろ…したほうがよい」


It's time…の意味と使い方

上述した "had better" "should" は「〜するべきだ、〜したほうがよい」を学ぶのと同時に知識として身につけておきたいのが、"It's time …"です。

"It's time for someone to …." で「(人が)…をそろそろしたほうがよい」という意味になります。

日本語では「そろそろ…しようか」って英語だと何ていうんだろう…と疑問に思った方もいるかもしれません。
この表現は、"had better"と一緒の項目として学ぶのも興味深いですよね。

"It's time…" の使い方は、Oxford Learners Dictionaryの名詞 "time"の4つめの意味に載っています。

the time when something happens or when something should happen
何かが起こる時、または何かが起こるべき時
Ex. time (to do something) I think it's time to go to bed.
もう寝る時間だ

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/american_english/time_1?q=time

面白いことに、この"time"の意味に"should"が含まれています。
"It's time to do something"で、「〜をするべきとき」=「そろそろ〜をしたほうがよい」という日本語に当てはめることができます。

it's time + 過去動詞で現在形となる

It's time ….の使い方は3通りあります。

  1. It's time to do something

  2. It's time for something

  3. It's time that …

3つめの使い方、It's time that… はthat節に動詞の過去形が使われます。
この英文法ルールは、おそらく多くの日本人英語学習者が聞いたことがあるかもしれないけど忘れていたり、意識をしていなかったりするものです。

"It's time that someone did…." は「(人)が(モノ)をするときだった = もうやっているはずだ、始めているはずだ」というニュアンスがあります。
そのため、この構文は批判や、文句をいうときによく使われます。

It's time the kids were in bed.
子供たちが寝る時間です。

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/american_english/time_1?q=time

上記の例文からは、夜9時を回った時計を見て就寝時間がきたことに気づいた親が時計を見ながら言っている場面を思い浮かべることができます。
すでに寝る時間であり、現在リビングで元気よく遊んでいる子どもは本来はベッドに横たわっていなければいけません。なので、were in bed と表現されるのも道理が通ります。

This situation can't continue. It's time you did something about it.
この状況を続けることはできない。そろそろ何か手を打つべきでしょう。
He's very selfish. It's time he realised that he isn't the most important person in the world.
彼はとても利己的なんだ。そろそろ、自分が世界で一番大切な人間ではないことに気づいてほしい。

English Grammar in Use Book with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English 5th Edition
by Raymond Murphy
Unit 35

上記の例文では、本来であればこの状況は回避されるべきでありすでに何かしらの手が打たれているのが理想的だけども、まだその状況が続いている状態です。なので、本来ならすでに打たれている手をそろそろ打つべきでしょう、と批判の意味合いが込められていることが理解できます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?