メンターをしたら評判が良かったのでやり方をメモしておく


業種は校正です。

成果物を受け取ったら、まず感謝し、褒めるところから始める。終わらせてくれてありがとう、確認するね。がスタートになる。

ミスの指摘は絶対に後回しにする。ぱっと目についたことをすぐ口にするのは避ける。雑なミスほどよく目立ち、言いたくなるが、それを考えなしにぽんぽん指摘するのは害が大きい。耐える。こらえる。できれば顔にも出さない。

それより美点を探して褒める。ここの処理はスマートでいいね、この書き方はわかりやすくていいね、など、褒め方は具体的であればあるほどいい。行動強化につなげるため、どんなメリットがあったかを同時に伝える。なお、できるだけ「スマートだね」ではなく、「スマートでいいね」と言うようにしていた。

そのあとに反省のターン。今後、直していきたいポイントは3段階に分けて、レベルごとに伝える。

1)調子が良ければクリアできたはずのケアレスミスの指摘
 →ポカミスがあるね、という点が伝われば足りている。どんなにたくさんあっても基本的には指摘は2〜3個にとどめる。落ち込むので。
 場合によっては「集中が切れた?」「確認する意識自体がなかった?」など、軽く原因確認の誘導をする。
 どうすればミスしなくなるか、は聞かれたら参考情報を出す程度。個人差があるので、自分で見つけたほうが早い場合が多い。
 あまりにも膨大にケアレスミスがある場合は根幹に課題があるので、一緒に対策を考えることになる。

 職種の関係上、ケアレスミスはつきもので、かつ重い。とにかく断固として減らし続けてもらわなくてはならない。既に起きた見落としを責めても大して意味はないが、ある場合は「まだ完璧じゃない」と常に伝える。自戒。

2)今すぐは難しくても、やや背伸びすればできたであろう箇所を確認する
 →次回の課題になる指摘なので、数を出し過ぎない。1個は物足りないので、2個が適正だと思っている。多くてもパンクする。相手のやる気によっては積み上げてもいいのかも。

 この手のミスは、だいたいの場合、やり方がこなれていないことに起因しているので、直接教えてしまう。魚を獲る方法は教えてもいい。

3)もしあれば、ベテランならではの視界で手が届く箇所を紹介する
 →長期目標として。やりすぎると道のりが遠く見えて凹むので、1個まで。がっついてる相手ならエピソード集のように複数伝えてもいい。

反省点を伝え終わったら、あらためて褒める。反省ターンで凹ませているので、きちんと「良い点も多かった」と再確認する。

特に、以前に目標として設定したものがクリアできている場合、成長の証明として「前に出した課題、簡単にできるようになったね」と褒めたい。成長の実感はとにかく見失いがちなので。

また、相手を選ぶだろうが、総評としての「100点満点中◯点」は出すようにしていた。こちら側が不明確な基準で指導してると思われると損だし、「もっと良いクオリティを目指せる」という手応えは明示したほうがわかりやすい。80点以上つけられるなら褒めにも繋がる。

指導した後輩は相性がよかったらしく、かなりの速度でぐんぐん伸びた。本人の頑張りが何より大きい。
後続が自分以上の速度で追いついてくるのが教育の醍醐味。

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