Art|モンドリアン《赤・青・黄のコンポジション》
昨日のnoteで、「家に作品を飾りたいと思う画家っていますか?」という質問をしてほしいと書いたので、どうせなら、それに答えてみようかと思います。
「人類の遺産ともいえる世界の名画を自分の部屋に飾る。そんな考え自体がナンセンスだ」と数年前なら言われたかもしれませんが、いまはインターネット上に世界の名画の画像があり、いつでも手軽に作品を見られるようになって、リアルに「そうねぇ、どの絵にしようかしら」と考えられるようになりました。
作品ポスターみたいのも、インターネットで購入できますし、本物のように筆の凹凸まで再現したようなものもありますから。「世界の名画を家に」と考えるのもけっこう楽しいものです。
さぁ、どんな絵を飾りたいかなぁ。
ルネサンス絵画に代表される近代以前の絵画は、やっぱり王侯貴族や教会に飾るために制作されただけあって、現代的な感覚では、不気味でどうも落ち着かなそう。
印象派の絵なんかもよさそうですが、モネの風景画とかルノワールの愛らしい人物画とか、ちょっと甘ったるい気がして、どうもね。緊張感がほしいかも。
クリムトとかダリも気に入っていますが、クリムトはゴテゴテ過ぎるし、ダリはシュルレアリスムとはいえ、超絶技巧の具象の絵なので、生活には邪魔になりそう。
具象的なものは、やっぱり意味がつきまとってしまうので、生活の中に入れるのにはちょっと疲れちゃうだろうなぁ。かといって、ポロックのようなアクションペインティングのようなエネルギーや、アンディ・ウォーホルのような下品さもいらない。
はて、じゃあ、どんな絵がいいのかな、と思い浮かんだのが、オランダの画家モンドリアンでした。
ピート・モンドリアン《赤・青・黄のコンポジション》
1930年 チューリッヒ美術館
一見、CG作品のように見えますが、カンヴァスの上に油彩絵の具で描かれた絵画です。画像をよく見てもらえるとわかるのですが、ところどころ絵の部に日々か入っていることがわかります。
コンポジション(Compositio)とは、構成や構造という意味を持っています。赤と青、黄という光の三原色と、それを掛け合わせた白と黒。それらが、緊張感のある線と面によって表現されています。
絵画が、何かを再現することを放棄して、エネルギーやパワーといった目に見えないものを図像によって表現しているわけです。
これなら、毎日見ても、毎日違うことを感じられそう。
だれか、プレゼントしてくれないかぁ。
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