note|ベルベルさんのnoteを読んだ
週末を中心に更新している個人のマガジン「note」では、1週間で読んだnoteのなかから心に残ったものを紹介しています。今回は、ベルベルさんの「アニマルウェルフェアとパティシエ」です。
僕は、つねづね、食に携わる人は文章を書くといいと思っています。
文章とは、「自分の考えを整理して外にだすこと」に他ならないからです。ですので、料理に携わる人がnoteを書いているのをみつけると、飛びついてしまうんです。
今週も、お一人、料理に携わる人のnoteに出会いました。北海道でパティシエをしているベルベルさんです。
1年生でフランス語・文化を勉強し、2年生でフランス・アンジェに留学。留学中は地元パン屋での研修も経験した。帰国後、3・4年生で日本の菓子製造現状を把握すべく、パティスリーにて研修しながらフランス菓子文化と生活についての研究も進めた。卒論は、フランス菓子の起源ともいわれるウーブリを題材にし、『ウーブリ・ゴーフルから見る庶民菓子文化』というタイトルで執筆をした。(下記、ベルベルさんの別投稿より引用)
プロフィールには、パティシエ2年目ということなので、おそらく24歳前後になるだろう、若いパティシエ(ール)さんです。
製菓の世界では、チョコレーㇳの原料になるカカオにあった、利益搾取をなくしてフェアトレードをしていこうという動きは、もう10年ほど前から活発だし、コーヒー豆も、フェアトレードをしていこうという動きは同様に活発だ。
しかし、ミルクに対してアニマルウェルフェアを求める人を、あまり聞いたことがありません(僕が無知なだけかもしれませんが)。畜産のなかでもビーフに対するアニマルウェルフェアの課題意識はよく見かけるが、同じ牛でも乳牛に対しては、それほど問題的がされていないように感じる。
日本における放牧牛のミルクの事例は、放牧の肉牛にくらべればやはり多いだろうし、他の国でもそのバランスはそれほど変わらないのではないだろうか。なので、肉牛の方に必然的に目が活きがちというのもあるかもしれない。じっさい、僕自身は乳牛に対するストレスのかかる飼育があることはあまりイメージがなかった。そこには、もしかしたら屠畜というものがないからなのかもしれません。
でもそれは、程度の違いであって、たとえば同じ課題を抱えているAとBを比べた場合、Aの方が課題が多いからといってBの課題は見過ごされるというわけではないと思うのです。
そういう意味で、酪農のなかでも乳牛に対する課題を考えて、パティシエとして考えることをしようとするベルベルさんの姿勢は、僕のように余計な経験や思い込みがないぶん、課題のとらえかたとしてはフェアな気がする。
とても若い料理人が、パティシエとアニマルウェルフェアについて、個人の考えをnoteに書いているというのも、すごくいいことだと思う。ぜひ書き続けて、思考を深めてもらいたいですし、定期的に読ませてもらいたいと思います。
ウーブリーという、ワッフルのようなフランス菓子の起源ともいわえるお菓子についての考察も、今後楽しみです。
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明日は、Culubhouseの振り返りです。
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