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Rock|ストレイ・キャッツ《涙のラナウェイ・ボーイ》

ロカビリーと言えば、エルヴィス・プレスリーやエディ・コクランといったロックン・ロール・レジェンドが頭に浮かぶように、ザ・50年代アメリカの象徴ではないでしょうか。

ブライアン・セッツァー率いるロカビリーバンド「ストレイ・キャッツ」は、ニューヨークで結成されますが、まったく売れずに、ロンドンへ渡って、当時の前衛カルチャーであるパンク/ニューウェーヴに接近を試みます。

渡英後、3カ月でレコード契約を獲得をします。

彼らのファーストアルバムが1981年の《涙のラナウェイ・ボーイ》です。

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ネオ・ロカビリーとかパンカビリーなどと、当時は言われていたそうですが、僕が聞きだした1994年頃は、異常にうまいロカビリーバンドという感じで、今回改めてストレイ・キャッツのバンドヒストリーを調べるまで、てっきりアメリカで売れたバンドだと思い込んでいました。

パンク/ニューウェーヴのロックリバイバルのなかで、熱狂的に迎えられたというのは、当時のロンドンがパンク=悪ガキ、ニューウェーブ=インテリみたいなイメージがあるので、ロカビリー=不良みたいな感じで、うまくロンドン子たちの隙間産業をうめていたのだろう。

言われてみれば、ブライアン・セッツァーのギターもディレイやファズのようなエフェクトがニューウェーヴっぽい。

しかしながら、ブライアン・セッツァー、1980年で21歳。ギターめちゃめちゃうまい。

同時代のロックギタリストたちが、オーヴァードライブでギターをひずませて、多少のミスタッチがあってもそれらしく弾けているようにみえるなかで、オーヴァードライブをかけにくいグレッチで、一音一音しっかり音を出しているだけでなく、かなりのスピードで弾ききっています。

それと、開放弦を混ぜ入れた分解コードによるリフは、聞いただけでブライアン・セッツァーだとわかるものです。

デビュー当時はかなり粗削りな部分もあるんですが、もうちょっとブライアンが歳をとると超絶ギターを披露しています。意外とロカビリーっぽくないロックギターを弾くこともあるんでよね。

Youtube見てたら、ブライアンとジェフ・ベックが「20フライト・ロック」やっている。

久々に楽しませてもらいました!

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明日は「Life」。真実へと至る対話について。

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