note|Mayu Hayakawaさんのnoteを読んだ
毎週気になったり、考えさせられたnoteを紹介していく土曜日。今週は、「おいしさ」とは何かについて考えるきっかけになった、Mayu Hayamaさんのnoteを紹介します。
おいしい瞬間をおよそ60人にアンケート調査
Mayuさんは、「おいしい」とはなにかを知りたくて、「あなたにとって、美味しい!と感じるときはなぜ美味しい!と感じると思いますか?」周囲に取材した結果として、おいしさには4つのカテゴリーがあるといいます。
①五感のおいしさ ②生理的要因のおいしさ
③共有型おいしさ ④愛着誘発型おいしさ
①五感のおいしさは、味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚で感じるおいしさです。
②生理的要因のおいしさは、空腹時や徹夜明け、スポーツ後など、体が欲するおいしさ。
③共有型おいしさは、パーティーやお花見、みんなで食べるおいしさ。
④愛着誘発型おいしさは、作る人への愛着や、商品ストーリーへの共感などからうまれるおいしさ。
Mayuさんはこう取材した結果をこう考察して、さらに次のようにまとめています。
また、美味しいの範囲をもっと大きくすることも可能ことを知れた。
美味しくないと思っていたものは他の人にとっては美味しい物だったり、組み合わせを変えたりすることで絶品になったり、一緒に食べることで美味しく感じられたり。
決めつけることはできないものであると。
僕もかねてから「おいしさ」によるマウントトーク、たとえば「あの料理をおいしいていうなんて、料理を知らないってことだね」というようなことがなぜ起きるのか。ミシュランガイドのような「おいしさ」の評価に人々は一喜一憂するのか。そんなことを不思議に思って以来、おいしさとは何かを繰り返し考えてきました。
ただし、それはあくまで自分が考えているだけのこと。こうやって、60人の人たちから「おいしさとは何か?」を取材した結果は、僕が感じているものと比較できる、とっても興味深い内容でした。
おいしいは概念であり実態はない
これだけ多様な結果をみると改めて、「おいしい」とは概念なんだなと思い知らされます。
それでは、概念とはいったいどういうことでしょうか。平凡社の世界大百科事典によると、以下のように説明されています。
概念とは,個々の対象,いわゆる個物(個体)よりも複数の個物を包括的,概括的に捕捉する,人間,広くは生物体の対象把握の一根本的形式とその成果をいう。
ちょっとわかりづらいですよね。以下では、もうすこしわかりやすく説明されています。
(図は古賀恵介氏のサイトより)
上の図が、とてもわかりやすかったので参考に掲載させていただきますね。
Mayuさんが導き出した、「4つの瞬間」は、上の図の個別性にあたり、類としての共通性が「おいしさ」、つまり概念になると思います。
それぞれがまったく異なる実体験をしていることを、ある一部分、共通する体験だけを総称して「おいしい」と言っていることになります。
この概念としてのおいしさはどういうことなのか、別の表現で考えてみると、「高揚感」とか「快楽」「心地よさ」のようなものを「おいしさ」と捉えているのではないかなと感じます。
食事をSEXに例える人がいますが、このことを考えると、「おいしさ」のさらに上層の概念として、確かに同じことであると思います。
「おいしい」の使用を禁止する
レストランのシェフとお話していて、「おいしいは当たり前」という声を聞きます。この時の「おいしい」は個別性のなかでのおいしい、Mayuさんがいう①五感のおいしさにあたると思います。
一方、口コミサイトなどで書かれたり、レストランの帰りにシェフの挨拶に対してこたえる「おいしかったです」は、概念としての「おいしい」なんじゃないかと思います。
それでは僕が使う「おいしい」は、どんなものなのでしょうか。
じっさい考えていると、個別性のなかの「おいしい」の度合いは大きいけど、そこまでカテゴリーとを分離して認知できないので、Mayuさんが見つけたほかの3つのカテゴリーが入り組んで構成されています。
つまり、個別性としての「おいしい」と、概念としての「おいしい」。ここをゴチャゴチャに考えてしまうのが、僕の不思議さの要因だったわけです。なるほど。
自分のなかでは、まだ「おいしさ」とはなんなのか、答えが見つかっていないので、それに近づくためには、個別性と概念をわけて考える必要があるように思います。つまり、個別性における「おいしい」を、別の評価として考える必要があるのではないかということです。
Mayuさんのいう①五感のおいしさを、「おいしい」使わずに表現していくこと。この先に「おいしい」の招待がわかるような気がします。
結局、答えはないのですがこれこそ「崇高な考える遊び」。AI時代の人生の楽しみ方です。
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