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note|井上 豪希さんのnoteを読んだ

週末を中心に更新している個人のマガジン「note」では、1週間で読んだnoteのなかから心に残ったものを紹介しています。今回は、井上 豪希さんの「ドラゴンシェフで作った『じゃがいもの美味しさを引き出す料理』の話」です。

料理版M-1のドラゴンシェフのファイナリスト

ドラゴンシェフ」というテレビ番組をご存じでしょうか? 関西のテレビ局ABCテレビと吉本興業が、次世代のスター料理人を発掘しようとする料理人オーディション番組で、「DRAGON CHEF 2021」というのが正式な表記です。料理版M-1とでもいうのでしょうか。

1次選考(都道府県予選)からエリア予選(課題「地元の“神”食材を使った“神”弁当」)を経て、現在は「サバイバルラウンド」に突入している。

総監督・須賀洋介シェフが出す課題に挑み、負けた料理人が脱落していく「サバイバルラウンド」!センス、アイデア、テクニック、プレゼン…味だけではなく料理人としてトータルの総合力が試される。(公式サイトより)

ということだ。ちなみにドラゴンシェフに参加できるのは、おもに以下のような条件があります。

夢と情熱を持った40歳未満の料理人
・和食、洋食、中華等の料理ジャンルは問いません。
・プロ・アマ、所属事務所の有無は問いません。ただし、企業、団体等に所属している場合は、所属企業、団体等の承諾を得ていること。
(公式サイトより)

サバイバルラウンドでは、毎回食材テーマの食材が決められて、その食材を徹底的に活かす料理で、数人の料理人が料理を作ります。できあがった料理を審査員が試食し、順位付けをして発表し、さらに再開の料理人がサバイバルラウンドから脱落していくというものです。

現在は、第7回目まで放送されていて、これまでの内容はアメバTVで視聴することができます。

発表レシピも、未発表レシピも公開

さてさて、前置きがながくなりましたが、井上さんは、このドラゴンシェフでサバイバルラウンドに残ったファイナリストであり、6/5の最新話放送時点まで、敗退せずに生き残っているシェフのひとりです。すばらしいですね。

ドラゴンシェフでは、毎回暫定最下位のシェフが戦いたいシェフ2名を指名して料理対決をし、対決で最下位になると脱落していく仕組みになっています。

最下位のシェフ以外は、当日誰が料理をするのか知らされていないようですので、収録のたびにラウンドに残っているシェフたちは、毎回作るかどうかわからないながらも、料理を考えて挑むというようなことになっているようです。

東京代表として出場している井上さんは、放送で指名されて作ったものだけでなく、指名されずに作らなくても、その試作段階の料理を公開します。

これが、おもしろいんですよね。

生産者と食材の紹介から始まり、料理を組み立てるうえでの意図や調理の効果などをけっこう細かく書かれていて、「なるほどそういう料理を作りたいのか」と、興味深く食べてみたくなります。

今回紹介しているnoteでは、「ジャガイモ」を扱っています。麹とモルトパウダーを使ってジャガイモのデンプンを糖化させるという荒業を使っています。それによってより甘いジャガイモのポタージュ「発酵ポタージュ」を作っているのです。

この発酵は、もともとのジャガイモが長期氷温熟成されているのに関連しています。使っている尾藤農産の「雪室熟成越冬ジャガイモ」は、年単位で字追熟することで甘さがでるそう。

このレシピではこうした「時間」ももう一つのテーマになっているようです。

noteを見てもわかるように、感覚値だけでなく実際の成分表記をすることまで心がけているのも、料理は科学であるということを当たり前にやっていて、そのあたりも読んでいて楽しい。

僕が大好きな料理家で作家の樋口直哉さんに似ているな、と思っていたら、お友だち同士たっだということで、惹かれるわけだわと、納得しました。

番組では、独特のひらひらした雰囲気を出して、ほかのシェフのなかに入るとちょっと異質に見える井上さんですが、このnoteを読んでみると、しっかりと思考を整理して、番組に挑んでいることがわかるので、ずいぶん印象が違うなと僕は感じました。

じつはこれまで、あまりドラゴンシェフは見ていなかったのですが、井上さんのnoteを読んだらファンになってしまい、これから最新回が放送されたら見てみたいなと思うようになっています。イイ感じでハマってしまいそうです。

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明日はclubhouseのまとめをします。

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