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Food|飲食店向け「文章力アップ自主トレメニュー」2nd season

4月8日の投稿で、この休業期間を利用して店舗の発信に力を入れたいと思っているオーナーや料理人、支配人、若手料理人に向けて、飲食店向け「文章力アップ自主トレメニュー」を提案させてもらいました。

何人かの料理人さんがnoteを書き始めていて、しかも継続しているのを読ませてもらって、少しは何かの役になてたかなと思っています。

その一方で、自己紹介が終わったところで、何を書いたらいいんだろう。そんな方もいるのではないかと思います。

すでにレシピなどを投稿している方もいらして、料理に携わっていればそういったレシピやワインの解説などを書いていくと、続けやすいと思うので、引き続き書き続けてください。とはいえ、たまには別のテーマで書いてみたいな、とも思うのではないでしょうか?

そこで今回は、飲食店向け「文章力アップ自主トレメニュー」2nd seasonとして、自己紹介以降のトレーニングメニューを4つ紹介してみたいと思います。

①「マイ・パートナー●●」

あなたの仕事をするうえで、これだけは自分が使い続けたものでなければ、いつもの仕事ができない、という「相棒」を紹介してみましょう。

しかし、いきなり「私の相棒は、特注のエプロン(たとえば)です」と言っても、読者は「ぽかん」ですので、やはりここでもあなたへの解像度を上げていく必要があります。あなたが普段どんな仕事をしているかを読者に伝えることで、「なるほど、だから相棒なのね」と、内容が想像できるくらいの情報を与えることをここでは意識しましょう。

ただし、前半で内容を詳細に書きすぎると、前半が重たくなってしまうので、「日本料理人だから包丁ね」、「イタリア料理人だからパスタマシーンね」みたいな感じで、あるていど(5割くらい)記事が想像できるように。それを、読んでみたら思っていたのと違ったな、という裏切りを与えるのが、おもしろい文章に必要とされる構成力と呼ぶものです。

ここでも、1stシーズンでお伝えした通り、ディテールを書くことにこだわります。どんなメーカーの何という種類か。いつ、いくらで買ったのか。購入にあたって迷った商品などあれば紹介してもよいと思います。

さらに、どうして、その商品を知ったのか。購入したときの状況をできるだけ詳細に書きましょう。もちろん、その時のあなたの気持ちも忘れずに。

そして、その道具をどのように手入れしているのかについても書きましょう。一流の料理人になるということは、道具を大事にすることでもあると思います。先輩の料理人などに教えられた道具に対する向き合い方のエピソードなど書けると、とてもいいと思います。

また、道具の手入れや保管方法は、家庭でも流用できることだと思いますので、読者にとっても有益な情報になるはずです。

次回予告についても忘れずに。

②「まかないの思い出」

飲食店に勤務しているあなたであれば、1つや1つのまかないエピソードがあるのではないでしょうか? まかないは、飲食店の中の人しか食べられない幻の食事。飲食店で働いたことのない人にとっては、「どんなおいしいもの食べてんだ??」と、妄想を肥大させているものです。

ですので、飲食店以外の読者にとっては、「食べている料理」に興味が向かうので、広く読んでもらいやすいテーマです。

しかし、飲食店でもとくに厨房で働いている人にとっては、まかないは、良くも悪くも学びの機会ではないでしょうか。

営業で出た端材やサンプルでもらった食材を使ったり、1週間の献立を考えたりしながら、おいしさを追求するわけですから、あなたなりのまかないレパートリーや、瞬時に作れるメニュー、ほめられたメニューなどあるのではないでしょうか。

どういう状況で、どんな工夫をして作ったものを、誰にほめられたのか。それが、きっとあなたのモチベーションになったはずです。

もしあなたが、料理長やオーナーシェフであれば、あなたの経験から、時代が変わった今、このような方法でまかないを作らせているなど、人生育成の一環としてのまかないについて書くと、他業種の参考になると思います。

また、「同じ釜の飯を食った仲」ということもあるように、飲食店にとってスタッフ間のコミュニケーションの場になっているはずです。

あなたが厨房ではなくサービスを仕事にしているのであれば、料理人のまかないメニューに見える個性とか、まかないの場をどういうふうに活用してコミュニケーションをとろうとしたかなど、チームビルディングの実践方法として、こちらも他業種が参考にできるかもしれません。

まかないは食事であり、コミュニケーションであり、教育の場でもあると思います。それぞれの立場による「まかない」を書いてみてみましょう。

次回予告についても忘れずに。

③「料理人の本棚『●●●(書名)』」

今回はブックレビューです。レシピ本、料理をテーマにした本、漫画なんでも構いません。あなたが、好きで、読者に紹介したい本を1冊選んで紹介してみましょう。

このとき、何の本を選ぶのかが大事です。つまり、本当にあなたが好きな本であるのも大事なのですが、読者が興味を持ってくれる本であるかどうかの視点も同時にもつ必要もあるということです。

読者に興味があることとは、どんなことでしょうか? あなたが書いている記事をいったいどんな人が読んでいるのか、今一度ここで考えてみます。noteならスキ、Facebookのイイねは、誰が推しているのか、どんな投稿の時にその数が増えているのか。一度、これまでの記事を見返してみてください。

そのうえで、あなたの文体に興味をもっているのか、たまにあげているレシピに興味を持っているのか、食べ歩きをする人がチェックしているのか、リアルに知っている人が反応してくれているのか。それによって選ぶ本もおのずと変わってきます。

もしこれまでこの自主トレメニューを続けてきたあなたであれば、あなた個人に興味を持ってくれているはずです。それであれば、ここでは「あなたの人生を変えられた本」にすべきだと思います。「●●さんが良いと言っている本なら読んでみたい」そう思ってくれるはずです。

本のレビューを書くコツは、3つ好きな場面やページを選びます。その3つの場面で起・承・転結のストーリーを作ります。これは、ある程度のストーリーを要約しながら、自分の視点を書くコツです。レビューでは、本のストーリーを要約するのではなく、あなたがどの部分を好きなのか、を伝えることがもっとも大事だからです。

もちろん、文章の冒頭には、なぜ選んだのかを書くようにしましょう。また、道具のときと同じですが、あなたの仕事内容についても書いておくと、なぜこの本を選んだのかのストーリー展開がぼんやりと見えていいと思います。

文末は、「ぜひ興味があったら読んでみてくださいね!」といって、アマゾンのリンクを張っておきましょう。記事を読んで終わりではなく、記事を読んで本を買わせる、という動作までさせることができたら、あなたのブックレビューは価値あるものになります。

次回予告についても忘れずに。

④「駿河湾のサクラエビ漁について」

2nd seasonの最後のメニューは「調べて書くこと」に挑戦してみましょう。3月から6月までが漁期で、旬を迎える駿河湾で獲れるサクラエビについては、調べてみると、きっとあなたにとっても発見があると思いますので、課題にぴったりだと思います。

いろいろと調べてみると書けるテーマはいくつか見つかると思います。たとえば、以下のようなことをテーマにして調べてみてもいいかもしれません。

・サステナブルな漁業に配慮したサクラエビ漁
・日本で獲れる唯一の漁場、駿河湾(地形と食材)
・サクラエビのおいしい食べ方
・瞬間冷凍技術

飲食業にたずさわる者として知っておきたいテーマが多いので、勉強だと思って調べてみてください。

調べて書くというのは、とても難しいことです。まず、他人の文章をコピペすることはできませんので、その文意を理解したうえで、自分の言葉にして書き出さなければいけません。

これは、著作者の権利も守ることになるのですが、そのことは単に文章をコピペしているかどうかだけでなく、そこに書かれている論理や考え方にも著作権が宿っているということをきちんと理解する必要があります。

たとえば、以下のサイトを見て次のような文章を書いたとします。

生のサクラエビを食べたことがありますか? 関西ではなかなか食べる機会がないので、未体験の方もいるかもしれません。ある関西の社長さんが12人集まって乾燥されたサクラエビを食べて『別モノやなかか。甘さと香りがまったく違う!』と言ったそうです。

これは、文章こそ書き替えて、違う表現にしていますが、明らかに元文章の著作権を侵害しています。元文章の筆者が12人の社長に自ら取材して得た、筆者だけの知的財産を、あなたは何の苦労もせずに勝手に登用して、自分の知識のようにしています。

こういった場合には、きちんと参考にした文章やサイトを明記して、出典を明らかにする必要があります。

調べて書く、ということいついては、下のnoteに以前書いていますので、それを参考にしてみてください。

文章の締めくくりとしては、今年の春サクラエビ漁は出港しているようなので、ステイホームのおうち時間に、お取り寄せなどして食べてみましょう、などという風にすると、きれいにまとまると思いますよ!

自主トレを続けて、いつでも書ける筋力をつけよう!

簡単ではありますが、全4回の各テーマと内容をまとめてみました。

全4回を終えてみていかがでしたか? 書いてみるとわかると思うのですが、1st seasonよりも、構成力や考えて書くことが要求されているのがわかると思います。

構成力を鍛えるコツは、ギリギリまで書かないこと。頭のなかでだいたいの文章の流れができてから、一気に書ききることをするといいと思います。机に向かって「う~ん」と悩んではいけません。それなら、外にでて(マスクを忘れずに)散歩をしながら、こういうこと書いてみようかな~と考えてみるっとをお勧めします。

前にも書きましたが、書くことは、頭を整理すること、物事を論理的に考える訓練でもあると思います。そしてそれは、自分自身と向き合うことでもあるので、あらためて自己発見もあったのではないでしょうか。

ぜひ、1st seasonをクリアした方、この2nd seasonにも挑戦してもらい、書く筋力を鍛えてもらえればと思います!。

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