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Life|2019年12月31日のお前へ

やあ、一郎! 2020年12月31日の一郎だよ。お前の1年先輩ってわけだ。お前は今、2年連続で年末年始にインフルエンザにかかってきたから、この年末年始もなるんじゃないかと不安に思っていることだろう。

大丈夫だ。今年はインフルエンザにかからずに休みを過ごせるぞ。よかったな!

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すでに年末には2020年中に転職をしようと考えていたよな。その予定は叶う。タミワオフィスを4月末で退職することになるぞ。

ただし、だ。

会社を辞めることになるのは、予定外の事態でもあるんだ。じつは、2月に新型コロナウイルスによる感染症が世界的に蔓延して、社会が混乱するんだ。映画みたいな話だけど、これ本当なんだぜ。

この写真は2月末の銀座、20時くらいの写真だ。人がまったくいないだろ?

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人と人が接触することで伝播するウイルスで、これによって世界各国の人の行き来や物流が止って、経済もストップしてしまうんだ。

タミワオフィスからもその影響もあって退社することになる。そう、いまお前が思っているような転職状況とはまったく違う状況で会社を辞めることになるんだ。

でも、心配するな。

俺も、退職間際の時は「半年ちゃんと生活ができるか?」と不安に思って、酒ばっかり飲んでいたけど、まわりの人がきちんと手を差しのべてくれて、何とか仕事をして生活は続けていけるようになる。不安になることはない。

ただ、ひとつ言っておく。

とにかく、まわりの人を大切にしろよ。リアルで会う人、SNSで交流がある人、そういったオンライン・オフライン関係なく、関わっている人、一人ひとりと向き合って、ちゃんとその人を見て接することだ。

とくに新型コロナウイルスの感染が拡大しているときは、正しい情報が少なくて、みんながとても不安な状態になる。社会もぎすぎすして、コロナを巡る立場の違いで、人々の間に分断が起きることにもなる。

そのときに、ぜったいに誰かを批判しないことだ。みんな、誰も体験したことがない世界に接しているのだから、恐怖を感じて当然だ。嫌悪や対立は、対象の無知・無理解から始まるものであることはお前も知っているだろう?

各国の対応を比べて、日本はどうだとか、いろいろな意見を見るだろうが、みんな怖いんだと思うことで、憎しみは生まれなくなる。究極をいえば、人のことは気にしない、そういう精神状態でいるといいだろう。

そして、みんな不安なときだからこそ、周りを楽しませたり、希望になるようなことをすることを心がけなさい。国から外出の自粛も要請されて外に出られなくなるので、オンラインで楽しめることを始めるといいだろう。

オンラインのコンテンツはコロナが終わっても引き続き継続できるものにしておくといいぞ。そのためには、無理せずにできる程度にしておくことだ。あとから負担でやめてしまっては、元も子もないぞ。継続できるような設計をあらかじめしておくことが大事だ。

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仕事に関して言えば、2019年から始めたセルフブランディングの効果が少しづつでてくるぞ。

料理人付き編集者の仕事は、コロナの混乱中は、なかなか理解されないが、すこし落ち着いて「コロナとは長い共存が必要だ」という認識が実感をもって感じられるようになるのが10月以降。そこから少しづつ需要が出てくるぞ。

それまでは、前述したように、周りの人、それまでお世話になった人、一人ひとりときちんと向き合って、誠実に仕事をすることだ。何とか生活はできるので、焦ることはない。

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もうすでに1月に「 #被災地農家応援レシピを作る会 」の予定が入っていると思うが、2月から #CookForJapan が本格的に動き出すぞ。神谷隆幸さんとは、#アスパラガスの薄い本 というちょっと怪しい本を作ることになるが、これはかなり助かるから、積極的にやっておけ。

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あと、事前に言っておくが「薄い本」というのは、同人誌のなかでもかなりきわどい作品のことを差す、スラングだから、何も知らずに文字の意味通りに「薄い本」の言葉を使っていると、恥ずかしい想いをするぞ。

ただし、10月13日に長野県の台風の被災から1年経つが、このときもまだコロナの影響はあって、クラファンでの本のリリースやリアルイベントを計画するけど、泣く泣く中止にすることになる。けど、#リンゴの厚い本 というのをその代わりに作ることになるので、用意だけはしておけよな。

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コロナが少し落ち着いて、社会が動き出すのが7月くらいだ。そこから、京橋でキッチンカーを始めることになる。若手料理人たちとだ。

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接触による感染がコロナの特徴なので、出社せずに自宅で作業するリモートワークが推奨されるので、そもそも街に人が戻っていないなか、かつキッチンカーのイメージが弱い夜のビジネス街での出店ということで、事業自体はかなり苦戦する。

ただし、そこでの経験は後にとても貴重になるので、やっておいた方がいい。人の新しいつながりもそこから生まれる。

そのうえで一つキッチンカーをやるうえで忠告しておくことがある。自分の人脈をかなり使うことになるから、ちゃんと責任を取れる仕組みを作っておけ。責任は自分の発言の意味が変わる。責任がとれるということは、失敗したとしても、その失敗すら財産になる。

しかし、責任がない状況では、単に悔いや言い訳が残ってしまって、やり切った思いが残らない。責任が取れないと思うのであれば、関わらないことだ。そういうことは、多くの人間に見透かされて、自分の評価をかえって落とすだけだ。やるなら覚悟を持てということだ。

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秋以降は、地方の取材が増えるぞ。なかでも、伊勢市に12日間滞在することになる。「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」というワードを見逃すなよ。ここでの出会う人たちは、お前が今まで出会ってきたような人たちとは違う、本質を見つめる真のクリエイターたちだ。

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その反骨精神あふれる人たちとの出会いは、今お前が考えている「既存のメディアを離れて、自分で表現できるメディアを作る」という考えを後押ししてくれる存在になるだろう。

ぜったいに参加を迷うな。すぐに応募しろ。

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健康面では、コロナの間、酒が増えることになる。これがよくない。不安から逃れるために仕方のないことかもしれないが、できるなら酒の量を減らすようにしてほしい。

あとは、家を出ない日が続くので運動不足になる。とくに夏場は、キッチンカーが忙しく、走れない日が続いてしまう。あの暑さで走るのはしんどいことだが、秋には体重が3年前の状態に戻って、医者からも注意を受けるので、酒を控えて、運動することをなんとか頑張ってほしい。

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家族は、今もみんな元気だ。コロナになって、実家になかなか帰れないが、コロナにかかる人は家族にも親戚にもいまのところいない。さらに幸いなことに、身のまわりをみても、直接的な知り合いがコロナに感染することもない。元気にやっている。

だからって言って、けっして油断するなよ。過度に心配し過ぎて、お前自身の生き方を変える必要はないが、きちんとコロナのことを科学的に理解して、自分の感情やメディアの情報、まわりの意見に惑わされないようにすることが、いちばんストレスの少ない生活を送るポイントだ。

くれぐれも、人伝いの情報、メディアの情報を鵜呑みにせず、一次情報にかならず触れるという、編集者の基本をわすれないで欲しい。

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2020年は、新型コロナウイルスに翻弄される1年になる。今、この時点でもその最中で、2021年の予測をすることは難しい。お前に、こうなりそうだ、と伝えることができなくて申し訳ない。

しかし、そんな1年を過ごしてみて思うのは、「基本的に自分自身は変わっていない」ということだ。環境はかなり変わっているけど、「誰かの想いを、時代に適したメディアを使って、広く伝えていく」という、お前がやりたいこととは、1年後の俺も変わっていない。

変わったというよりも、やるべきことが目の前に差し迫ってきたという印象の方が強い。強制的に一歩を踏み出すきっかけになったという感じだ。

むしろ、自分がやろうとしていた「料理人付き編集者」の仕事は、2021年はニーズが高まってくるのではないかとすら思っている。

まぁ、お前もわかっているだろうが、俺たちは根っからの楽観主義者だし、性善説で生きているから、そもそも「もうだめだ」とは思わないからな。悪いのはあくまで「方法」や「やり方」であって、根幹のやるべきことは、本質的には社会に受け入れられると思っているフシがある。

それでいんだと思うぞ。もう、43歳になったら、そうそう価値観は変わらないものだ。三つ子の魂百までというように、今のままでいいじゃないかと思えるように、俺はなった。

お前も、うすうす感づいているだろう?

俺は来年、44歳になる。もう、年齢的なマイルストーンが見えないから、目標なんてあまり浮かばない。何せ、大きな変化が社会規模であったからな。生き抜くために、自分がやろうとしていることをやり続けるしかないと思っている。

変わりたくて、変わりたくて仕方がなかったお前には、想像もつかないかもしれないなぁ。それぐらい変化が激しい、そして余分なものを捨てるように迫られる1年はそうそうないと思う。

ちょっとビビらしてしまったかな? ごめんごめん。

まぁ、俺は生きているわけだから安心しろ。死ぬことはない。だから、迷ってもいい、悩んでもいい。決断したことを精一杯やって、2020年を駆け抜けてほしい。

また、来年会おう。

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追伸

東京オリンピックは延期になるぞ。そうあくまで延期で2021年に開催することになっている(これも本当かどうかは、まだわからない)。


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