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Food|飲食店を愛してるけど飲食店の人間ではない無力さ

7年間、料理雑誌の編集をしてきて、絵画を見るように、小説を読むように、料理を食べることで、作品と作者に興味をもったことで、僕の人生を後押ししてもらうような、数々の体験をさせてもらいました。

料理人が一生をかけて作る料理に魅了された僕にとって、コロナ禍の状況は、人生の拠り所をなくしてしまうのではないか、という不安があった。それとともに、パラサイトのように飲食業の方々を相手に仕事をしてきた身としては、両方にとっての経済的な打撃でお互いの人生が破綻するのではないかという恐怖もあった。

コロナ禍においての各々の行動に正解も、不正解もない」というのは僕も同じ意見です。

僕は、僕なりに調べた結果と、自分の生き方を頼りに、この期間の行動を決めていているわけです。それと同じように、それはほかのどんな業界の人も同じように行動しています。

命の使い方を政治と経済、医療が抑制するという事態にという現代社会において例のない状況に直面しているのだから、誰の意見も尊重されるべきであるのではないか。

そんななかで、飲食店の方々に、こうするべきではないか、というようなことを僕がなかなかいえなかった。ましてや僕自身は、あくまで飲食業界にパラサイトしている編集者であって、部外者でもあります。

じっさいに飲食業で収入を得ていない僕が、飲食業は、こうした方がいい、とか、こうしないといけないのようなことを言っても、「何も知らないくせに」と、さまざまな状況のなかで生きている方々にとっては、反感しか生まれないのではないか。

そんなことを考えていると、なかなか自分からの発信のようなことは、議論や不快感を無駄に引き起こすのではないかと思った。

もちろん、コロナ禍に入ったころは、警鐘を鳴らすようなことをnoteにも書いてきたけど、緊急事態宣言が発令されて以降は、それもやめた。

Twitterでもできるだけ楽しいことを発信しようとした。

そのなかで、フランス在住の料理人、神谷隆幸さんのレシピ冊子を制作・印刷・販売したり、友人の料理人、関口幸秀さんがTwitterでバズった「 #教えて消費レシピ 」の公式LINEやオンライン番組を作ったり、自分のnoteでは、飲食店向けの文章力アップ自主トレメニューを提案したりしていた。

それは、レストランがテイクアウトやECで、食品を販売することから、食品以外の商品を売ったり、食事以外の体験を提供することができた方が、選択肢が増えると思っていたので、そんな新しい価値や進む道を少しでも開拓できないかと思ったからです。

友人のSNSや、実際に家の周りの店舗などを見ていると、4月から営業自粛に入ったレストランが明日から営業を開始するという店が多くあります。

営業自粛要請が、飲食業には出ていないわけだから、それぞれの店舗での衛生管理、感染防止管理をして営業することで、何ら問題がないと思います。

いっぽうで、せっかく営業しているけど、感染する可能性、感染させてしまう可能性を考えると、いまは飲食店に行く気にならないという意見も尊重されるべきだと思うし、逆に、感染しない・させない注意をしたうえで、レストランに行くこともなんら問題ないはずです。

飲食店は、来てもらった人を精一杯サービスすればいいし、今はまだ来店できないという人に対しても、感謝を伝えていけばいいのではないかと思います。

そんなか、僕はどうやって営業を始めた方々を応援していけばいいのかと、考え始めています。

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