note|THE LATTE TOKYO 店主と山路 裕希さんのnoteを読んで、糸井重里さんのツイートに思ったこと

先日、糸井重里さんのツイートがタイムラインに流れてきて、「不用意な発言だよな」と思っていたら、noteのフォロワーさんお2人が別々の視点で指摘されていたので興味深く読んだ。

THE LATTE TOKYO 店主さんは、UberEatsの配達員(UberEatsが契約した個人事業主)に対する不満が以前からあり、糸井さんのツイートから、身だしなみの悪さ、礼儀のなさなどを経験則で語っている。

そしてその原因をシステムにあるのではないかと指摘している。確かに、飲食店に入ってくるUberEatsの配達員を何度か目撃しましたが、お店の雰囲気とあまりの違いに、驚いたことがある。

一方の山路 裕希さんは、糸井さんのツイートを典拠として、「身だしなみが周りへの暴力になってはいけない」ということへ話を組み立てている。エッセイとして、天声人語のように起承転結で組み立てられて、よくできている(上から目線でスミマセン)。

実際の糸井さんの実際のツイートは、こうだ。

「ウーバーイーツ?って頼んだことないんだけど、配達してくれる人の服装の清潔感とかサンダル履き禁止とか自転車の汚れ方とかについてのルールはないみたいだね。」

僕自身が感じたことは2つ。

①頼んだことないのになんでツイートするのか。

②このツイートに返信するとしたら、「ルールはないみたいですね」ということ以外はない。

山路さんがいうように、糸井さんのツイートからは、ルールがないのが「腹立たしい」とも「それがかえっていいよね」とも言っていない以上、どうにも返答できないというのが正直な僕のスタンスである。

この文章のあとに、「だったら俺も配達員をやってみようかな」という文章がついて初めて、このツイートの真意が理解されることになるのだ。

一方で、①にも関係するが、なぜサービスを体験していないのに、わざわざツイートしているのかという点である。

」というこの一文字が、冷ややかな目線をわずかに感じさせるので、ネガティブにとらえた内容として伝わってしまうのも仕方ないところである。

実際、初読のときに僕も「そんな批判的なこと、利用してもいないのにわざわざつぶやかなくてもいいのに」と感じたほどだ。

しかしながら、よくよく読んでみると、どちらともとれる中立な立場で、「」を使うことで賛否を煽る(批判を煽っている)ように作文している、ようにも見える。

故意なのか偶然なのかは、糸井さんしかわらかないことである。

糸井さんの文章に編集的にコメントを入れるとすればこうだ。

「ウーバーイーツ?って頼んだことないんだけど、(←この一文いりますか?)配達してくれる人の服装の清潔感とかサンダル履き禁止とか自転車の汚れ方とかについてのルールはないみたいだね。(文章が途中で切れていますか?)

きちんと意思を伝えることは、余計な分断が起こることもないので、注意したいところである。

服装やマナーが悪い配達員はどうなるのか

実際のところ、服装やマナーについての規約がないのかどうか、UberEatsを運営するUberJapan株式会社の利用規約を調べてみた。

配達員の服装やマナーについて規約には書かれていなかったが、ひとつ気になる文を見つけた。

8. Uberの責任
(中略)
本アプリケーションまたは本サービスの利用を通じてリクエストが行われるライドシェアサービスの品質については、ユーザーにライドシェアサービスを提供する本運転手が責任を負います。Uberは、いかなる場合であっても、本運転手が提供するサービス、または本運転手側の作為、行為、行動、言動、過失に関連または起因する損害に対して責任を負いません。ユーザーは、本運転手が提供するサービスに関する苦情を、本運転手に提出するものとします。(太文字は著者による)

こういった規約の文面を専門に読んでいる者ではないので、細かい部分に読み違いがあるかもしれないが、太字の部分は、商品が冷めたり、破損したり、そのほかいろいろな配達中のトラブルはUberJapan株式会社ではまったく責任を持ちません、全部ライダーの責任ですよ、ということであろう。

つまり利用者からのクレームは、ライダーで対応しないといけないということは、たとえば「汚い服装の人からは商品を受け取れない、別の人に配達し直せ」というクレームが来た場合、ライダー本人が対応しなければいけないということ。これはとても面倒な事である。

レストラン・飲食店側からも、NGを出すことができることを考えると、服装に無頓着なのとマナーが悪いのはリスクがある。

しかしながら、そのリスクの大きさをどれくらいにとるかは個人の価値観になってしまうため、THE LATTE TOKYO店主さんが指摘しているとおり、システムで解決しないと、不満に感じている人にとっての解決にはならないということもでもある。

しかしながら契約上その責任を持たないとしている以上、今のところは「このままサービスは続いていきますよね」というしかないだろう。

ちなみに、知らない人が家にくるのは、かなり恐怖を感じる世代ので、我が家ではUberEatsを利用していない。くわえて、よっぽどのことがない限りはこれからも利用しないだろう。責任の所在が不明瞭であるサービスを利用するのが不安だからだ。

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明日はclubhouseの一週間の振り返り。

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