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【Kenshi】Project Genesis(ベータ版)のレビュー・感想。

今回はKenshiの世界改変Mod「Project Genesis」の単品レビューですので、Kenshiを持ってる人向けの文章となります。
なお、レビューの内容はあくまで2021年11月のバージョンまでです、とはいえ文章を書く時点では最後のアプデは6月9日で、たとえ12月末にアプデが来てもそこまで変わらないだろうと思うので、参考としては大丈夫だと思います。
あと、自分はバニラとProject Genesisしかやったことがなく、Living Worldは触ったことあるという程度なので、今回のレビューにおける比較対象はバニラとなります。


既存Modと独自開発Modの大集成

このModの世界は作者の作ったコンテンツだけじゃなく、今まで割と人気・ある程度の規模を持つ既存の拡張・改変Modの製作者をプロジェクトに招くという形で、いろんなModを一つにして世界改変させる一種のMod Packです。
カニバル拡張Avalon Isleがその一例です。
プレイアブル人数の上限・アタック×5・攻撃モーションや建物のModも入れたので、基本Genesisを入れるだけで改変系のModを入れる必要がなくなる。

しかし、たくさんのModを入れたってことは他のModと競り合いやすい
例えば都市追加系のModだと2つの都市が被ったり、AI系のModだと効かなかったりバグったりするので、他の改変Modと比べてカスタム性が落ちる。

あとはいろんなModの製作者をプロジェクトに招いたとはいえ、実はGenesisの作者に丸投げみたいな感じで、Project Genesisは開発と制作は基本二人でやってる。


既存都市の拡張と新都市の追加

このProject Genesisのメインコンセプトは退廃したKenshiの世界を盛り上げるため、都市に関する改変は結構多いのです。
まずは既存都市の拡張、大雑把に説明すると、ベースゲームに存在する街は大体大きさが1.5倍以上で、建物の数が2倍以上になる感じです、おまけにたくさんの照明がついたため、夜では遠くからも街の位置を視認できる。
ベースゲームでは、Leviathan Coast・Howler Maze・Shunの辺りは無人エリアだったが、Genesisではたくさんの村と都市が追加され、ほぼ全エリアにも都市が存在するようになった。
そして、ベースゲームでは都市内に移動するNPCは大体門番・商団・町人と奴隷を輸送する勢力しかなけど、Genesisではそれ以外の町に入る集団や派閥を大量に追加され、どの街も賑やかな感じがする。

当然、このような改変はパソコンにとって、負荷が非常に大きく、使われるメモリーや読み込みの時間も増えるから、まず低スペックのパソコンは無理です。
ゲームをHDDにインストールした場合、特定の都市に近づくと1分以上の読み込みが発生しても別におかしくないくらいです。
そして都市の作りが複雑になると、NPCの進行ルートやゲーム自体もバグりやすく、頻繁にSave&Loadを行うことになるため、重い読み込みの問題が割と深刻です。


大量の新派閥の追加

各エリアにも新しい都市が追加され、それを支配する派閥も存在してなければならないため、街だけじゃなく外交値を持つ派閥も大量に増えた。
しかも、追加された派閥は基本所在エリアにある既存派閥と敵対するから、どのエリアも殺伐してる。

すべての新派閥にもバックストーリーがあるように、製作者は努力してるんだが、所詮二人でやってるから、この辺りのアプデは基本優先されなく、大半の派閥も存在するだけで、存在意味などはないのです。
世界観に拘ってRP風のプレイをするユーザーにとっては割と大問題ではないかと思う、まぁ一般のユーザーなら「とりあえず派閥が増えてどこでも常に中から大規模の戦闘が行われてる」と認識すればいいと思います。

また、内部の設定がいじられたかどうかはわからないけど、どうやらベースゲームのリスポーンを使っておらず、New Gameを始める時に、リスポーンポイントの数を最大の4にしても、ゲームが始まった途端に「○○の巣が壊滅しました」というログが流れてくるため、多分NPCのリスポーンは独自の設定を使ってて、プレイヤーはそれをいじることができません。
そのためか、そのエリアにいる敵部隊をずっと狩ればいずれ湧かなくなる、ただこれはバニラ版かGenesisの仕様かわからないのです。


新装備の追加

カニバル拡張や製作者が作った装備の実装により、バニラ版にない大量の装備が追加された。
すべての装備は能力だけじゃなく、ちゃんと専用のグラフィックがあるため、バニラ版に飽きた人にとって割と楽しめる要素だと思う。

ただ、新装備はどれもバニラ版の装備より強力ため、そこに結構深刻なバランスの問題が生じた。


バランスの見直し

そのため、ゲームバランスは全体的に見直され、もはやバニラ版の常識が通用しないほどの変更が行われた。
例えば反乱農民の攻防値は、バニラ版では基本1桁で、Swordmanでも10台の半ばしかないけど、Genesis版では平均10台で、Swordmanは20台くらいになるので、バニラ版の感じで戦ったらあっさりと全滅するため、難易度は結構高いと思います。
目安として、カニバルは平均30台、新しい追加された「黒ひげ」という派閥は平均50台、街の門番は60台という感じです。
つまりプレイヤーキャラの攻防値が40台になるまでまともに戦えないという問題がある、ゲームを慣れた人ならなんとかなる状況だけど、初心者にとっては無理ゲームです。

自分にとって一番の問題は2021年6月のアプデで、バカみたいに増やされた名前にアルファーが付いてる犬系の敵です。
このゲームの犬にステータス詐欺という問題があるのは多分みんなも知ってると思うが、このアルファ系の敵はなんと攻防値が50台で、街の門番でも普通に手足がもげるくらい強いのです。
しかも、数も多く、視認しづらいという三拍子で、プレイヤー側に攻防値40台のキャラが4-5人いて、ようやく一匹を倒せるって感じだけど、当然敵は群れだから一匹しかないというわけがなく、出会ったら基本セーブを読み直すしかない。
そのため、ストレスは結構貯まります。


経済バランスの問題

新装備を着る強い敵が常に戦闘を行うってことは、どこに行っても死屍累累ということで、倒されたNPCの装備を剥がして売るのは基本の基本ですが、一部の改変により、特定な派閥にはHigh Grade・Mk2クラスの装備を持つユニットがいるため、それを狙えば序盤でも簡単に強い装備を手に入れたり大金を稼げたりするので、一種の裏技として封印したりしないと、バランスは簡単に崩れる。
自分の場合だと、UC市民でスタートすれば、全ステータス1だとしてもおよそ一時間で7-10万Catsを稼げる、多分バニラ版しかやったことのない人でもこのヤバさがわかると思います。


まとめ

このProject GenesisはすでにKenshiに慣れて、元の世界観がちょっと寂しいと思う人向けのOverhaulで、戦闘というコンテンツを極限まで強化したModです。
そのため、バニラ版では中盤までのゲーム内容は結構圧縮・飛ばされ、プレイヤーの持つキャラの攻防値が60台、かつ緑クラスの装備を揃えたら、ゲームがようやく始まるという感じです。

それに、世界中にいろんな派閥や敵が追加されたから、それを楽しめるために常に旅をする必要があり、基本拠点を作るプレイには向いていない
このModの世界改変により、パソコンへの負荷は結構高く、もし拠点を作って世界各地に遠征すれば、16gbメモリーでもたまにメモリー不足でクライアントが落ちる。

正直にいうと、このProject Genesisのコンセプトはすごく優秀だけど、製作者はあまりにも元の世界観を無視し、しかもプレイヤーのパソコンのスペックも無視したため、批判的な声も少なくはない。
これはあくまで自分の感想ですが、もし都市の規模がバニラのままで、新装備の追加もせずに、そのまま追加された都市や派閥をバニラのベースゲームに実装すれば、Kenshiのゲーム性も面白さも一気に増えるじゃないかと思います。

要はProject Genesisの製作者は二人でこのModを作ってて、いろんなことを考えすぎて、逆にModの面白さを殺したという側面があって、楽しいかどうかと言われたらまぁまぁ楽しかったけど、アプデすればするほど違和感を覚えるというのは自分の感想です。

とまぁ、とりあえずこのProject Genesisを入れようとする時、まず自分のパソコンのスペックが正常に動作できるかどうかを確認した方がいいと思います。

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