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【Steam版】Elden Ringのレビュー・感想

From Softwareが送るソウルゲームの最新作で、一言で言えば、デモンズソウルから隻狼までの要素を纏めてスカイリム風にした作品です。
レビュー時は一周目が終わり、実績の解除は83%くらいです。

まずはゲームのボリュームですが、一周目で全ダンジョンとサブクエストをこなしてからエンディングを迎える場合は凡そ80時間がかかるので、流石にスカイリム風の作品だなというところです。
日本国内では9200円という割と強気な値段だけど、海外では大体6000円くらいでこの作品を買えるから、海外のプレイヤーにとってそこは破格だと思います。

システム面についてですが、今作は基本ダークソウル3の焼き直しで、シームレスの世界での探索が困らない詰まらないように、騎乗やジャンプを追加しただけです。
なので、操作は今までのダークソウルと大体同じです。

本作の目玉であるオープンワールドですが、広いマップにたくさんのダンジョンや坑道、ワールドボスなどがあって、素材を集めながら地図をアンロックするのは結構楽しかったんです。
ただ、消耗アイテムや防具一式を売る商人NPCは散らばってる上に、全員は祝福という篝火の傍にいるわけではないため、割と不便です。
もちろん、すべての商人の売り物を一つのNPCに纏めることはできるが、それはすべての商人を殺すという意味で、みんなもやりたいわけではないと思います。

ストーリーについてですが、まず今作の物語もいつものフロム方式で、ベースとなる世界観やその歴史的背景をオープニングでザラッと説明し、あとはゲーム内の装備や書類、ボスのソウルの説明文を見て、それから考察するタイプです。
しかし、今作の世界が広いから、今までのソウルシリーズに比べると、ストーリーは比較的に薄かったんです。

具体的にいうと、今作の考察用の説明文は基本メインストーリー関連だけで、それ以外のことは一切説明されてない気がする。
なので、あのダンジョンはなんでその名前にしてるのか、そのボスはなぜあのダンジョンにいるのかなど、メインストーリーに全く関係のないことは説明されてない。
ダークソウルのように町ごと考察するのは無理ではないかと思います。
とはいえ、今作のメインストーリーは隻狼並みのわかりやすさであって、考察サイトを見なくてもある程度のことを把握できます。

バランスについてですが、今作の異常状態は非常に強く、若干ネタバレになるが、ラスボスの第一形態まで異常状態がかかるくらい、ガチで異常状態ゲームです。
魔術と祈祷の魔法も多彩で、ガチ攻略ビルドじゃなければいろんな遊び方ができます。
盾はパリィ以外、ガードカウンターというジャストガード反撃みたいなコマンドも追加されたため、ガン盾でも面白くようになりました。

ただ、初心者救済のためかどうかはわからないけど、戦技と遺灰に明らかにチートレベルなものがあって、それらを使えば一部の隠しボスを除いて、大体のボスは初見でもゴリ押しで倒せるくらい、ソウルゲームとしての根幹が否定されるようなスキルが存在してます。
そして、まるでそれらを使われる前提のような感じで、遺灰を使わないとほぼ無理なボスもいくつがいます。


ゲームはすごく面白いんですが、最適化のせいで2022年3月の今はまともに遊べるとは言いがたい状態です。

まずローエンドPCもハイエンドPCも関係なく、FPS不安定敵が見えないバグ、進行不能バグ、ゲームクラッシュなどの報告は多数。
特にFPS関連の問題は非常に深刻で、発症する人はガチでボス戦に支障をきたします。

自分のPCは必須環境をクリアしたのに、画質関連の設定を全部低やオフにしてもFPSが落ちます
特に今作のグラフィックはぶっちゃけに言うとダークソウル3からあまり進化してないにも関わらず、オープンワールドでAFKしただけでもGPUの使用率が90%ー100%になります
自分のグラボが弱いだけだと思いきや、3000系のグラボでも同じことが起こった報告があって、これはどう考えても最適化の問題です。

ここは個人的な予測なんですが、自分は長年間ずっとMMORPGをやってるので、ここら辺の問題はある程度の経験があります。

このゲームのGPU使用率が無駄に高い件についてですが、多分だけど、描画距離は強制的に最大にしてるせいではないかと思います。
本作はシームレスで、世界のど真ん中にある黄金樹は目玉だから、まずどこにいてもあの黄金樹を見えるようになってる。
そして、よく見るとすごく遠い山や崖の上にある建築物も普通に見えるので、もし描画距離に制限があれば、それを見えるはずがないのです。
それに、自分の場合は明らかに馬に乗って高速移動するとFPS落ちが激しくなる、つまりずっと遠いものをレンダリングしてるからGPUの使用率が常に最大まで使われるじゃないかと、予測してます。

実際、屋内マップにいると、使用率はオープンワールドの半分になります。

確かに本作はシームレスだけど、実は各エリアに繋ぎ目があってそこに通過すると読み込みが始まるような仕様になってるんだが、その読み込みが始まるとFPSは大幅に落ちます
そして、一部のボスがその繋ぎ目にいるため、戦う時のFPSは非常に不安定になる、例としては序盤のツリーガードと忌み鬼マルギットです。
i9に3090を使う配信者でもそこら辺でFPSが落ちるから、多分これはスペックに関係ないと思います。

で、昔のダークソウルにも実は似たような問題があったけど、あの頃は長い回廊やエレベーターで読み込みの時間を稼ぐから、そこまでひどくはなかった、今作のオープンワールドは長い回廊で時間を稼げないため、問題は著しくなりました。
言っときますけど、結局本作にもエレベーターで読み込みの時間を稼ぐところがあります。

これはあくまで自分の感想なんですが、元々フロムゲームの最適化はあまり良くなかったけど、今作はシームレスだから、それに相まっていろんなパーフォーマンス的な問題が現れたわけです。
それに、このゲームっていうほどシームレスにする必要があるのかという疑問もあります、確かに野外では実感できるけど、それは黄金樹の位置を見えるからシームレスだなと思うだけです。

いざ城などの屋内マップに入ったら、結局昔のダークソウルと全く同じだし、一部の屋内マップも何故か見えない背景をレンダリングするからいきなり重くなることすらあります。

ダークソウル2は疑似シームレスだったけど、ぶっちゃけ構造がおかしいと言われたのはマップ位置の問題であって、その疑似シームレスシステムではありませんでした。
なので、もし今作のマップはシームレスじゃなく、リムグレイブ・湖のリエーニエという感じでマップを分割させても多分違和感がないと思います。

少なくとも、このシームレスとダークソウル3時代のグラフィックだけのために、3000系のグラボも性能全開しないといけない価値がないと思います。

あとはもう一つの問題、これは結構限られた環境でしか起こらない不具合だと思いますが、自分はゲームをWindowedモードにしてキーボード・マウスでやってるけど、マウスのカーソルは頻繁にクライアントの外に移動します。

これは戦いの真っ最中でもいきなり視界と攻撃の操作ができなくなる意味で、マウスの左や右クリックをしたら、背景にあるアプリの操作することになります。

もう何回これのせいでボスに負けたのか数え切れないんです、はっきりいうと自分にとって今作の一番のストレスポイントはここなんです。


とりあえず、現状のPC版は他の大作ゲームよりも、ハードの性能に左右されてる上に、ハイエンドでも全く問題がないわけでもないため、これらの最適化の問題が解決されるまで、PC版はおすすめできないのです。

ゲーム内容自体に問題があるわけじゃなく、すごく面白いし、海外の情報サイトによると、PC版のパーフォーマンス問題はアンチチートツールのせいという可能性が結構高いと言われてるから、買うならコンソール機版を買った方がいいというのは事実です。

しかし、ゲームのアプデでセーブデータが壊れたり、PS5が起動できなくなったりする報告もあるので、一概に言えないかもしれません。


まとめに言うと、エルデンリングはゲームとして、やる価値があって、すごく面白くて、グラフィックはダークソウル3の時代に留まってるとはいえ十分綺麗だし、BGMも優秀だから、自分はすごく楽しかったんです。

ただ、ゲームはたまにクラッシュしたり、ゲームを終了させる時に、Steam側がゲームクライアントが完全に終了したと認識するまで30秒以上かかるから、そこは結構ストレス溜まります。
なので、PC版とコンソール機版どっちを選ぶべきか、真剣に考えるべきだと思います。


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