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変化を起こす「火」をもらう☺︎2022.4月.牡羊座新月の占い

鎖に繋がれ鷲に肝臓をついばまられる罰を、ゼウスから与えられたプロメテウス。不死のために夜には身体も再生されるため、毎日同じ責め苦を味わい続けています。気の遠くなるような年月を過ごしているにも関わらず、痛みに耐えながら真っ直ぐ前を見つめるその瞳には、悲嘆や苦痛の色ではなく屈強な意志の光が宿っているよう。それどころか静かな怒りさえも感じられます。

そもそも罰を受けることになったのは、ゼウスから火を取り上げられた人間を哀れみ、ヘパイストスの鍛冶場から盗んだ「火」を与えたから。プロメテウスのお陰で、人間は暖をとり、動物から身を守り、料理をすることができるようになったと言われています。そして、この「火」から武器を作り戦争を始めることになったとも。それでもプロメテウスは、こんな罰を受けながらも自分が「火」を与えて人間を助けたことを後悔していないように見えます。

今月は、プロメテウスが信念を持って人間に与えた「火」のように、「誰かが役立つものを授けてくれたり、自分自身を変容させるようなキッカケ」がありそうです。

関わりの中で自分を変えていく

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今回の牡羊座の新月は、4月1日 15:24頃(東京)迎えます。

天体は全てチャートの右側で、新月も8ハウスという弱い位置に。自分の力で進めていくというよりは、能動的に周囲の状況に合わせながらのひと月のよう。牡羊座は「物事のスタート」などフレッシュでスピード感のある力を表すサインですが、今月の新月ではその力を自分自身の変容、またそのために受け継ぐものに向けて使うように見えます。

ちょうど今月は新年度・新学期とも重なり、新しい環境や出会いを迎えて「ドキドキ」している方もいらっしゃるでしょう。しかし、「友達100人できるかな♪」のような楽観的な「ドキドキ」ではなさそう。ASCが繊細さや有能さを表す乙女座のため、「私ちゃんとできるかな?」「変な人いないかな?」といった「ドキドキ」で初めての環境に怖々飛び込んでいく感じです。

出会う相手を表す7ハウスには、品位の高い木星と海王星。「誠実・おおらかな感じのよい人、芸術的な感性が優れた人、思慮深い・知性が優れている・学問的な知識を高めようとする人、感受性が強く人の気持ちがよくわかる人」などの出会いが拡がりそうです。一方で海王星もすぐ側にいるため、中には嘘つき・詐欺まがいの信用できない人が混じっている可能性も。盲目的に相手を信じることはしないように気をつけておきましょう。

また、常に自分自身に調整や改善点がないかを考える乙女座ASCのルーラーが、変容を表す8ハウス新月と重なっていきます。たくさんの人と出会い、いろいろな発見をし、ふと自分を振り返ったときに「ここで役立つためには、自分は変わらなきゃ!」と火が付いたような焦りを感じるのかもしれません。また、8ハウスには「受け継ぐ」という意味もあります。「保険・遺産などの金銭的なもの、伝承するような知恵などを受け継ぐ」「パートナーや関わる人との関係性を刷新する」「組織の中で新しい役割に就く(目指す)」などがあるかもしれません。これらは、後々の自分の肩書や社会的立場の後押しをしてくれるものとなるでしょう。専門的な学びや高みを目指す9ハウスにある天王星も、ASC(自分自身)に吉角度から同じく変化を促しています。

自己調整やメンテナンスを表す6ハウスにも、天体が3つ(金星・火星・土星)も入っています。金星は「収入や自分の所有物」「専門的な学びや海外」のハウスに関わっており、それらの見直しの仕上げを求められているようです。火星はこれから土星と合になっていく配置。やる気やモチベーションなどエネルギーの発散先を制限され、ストレスや不満を溜め込むような感じです。火星はコミュニケーションを表す3ハウスの支配星、土星は職場を表す6ハウスの支配星でもあるので、「職場の上司や先輩との会話が噛み合わず意志疎通が難しい」という状況もあるかもしれません。

一方で、そのエネルギーを一点に集中させて効率よく有意義に用いることもできる組み合わせでもあります。求められていることを冷静に判断し、それに淡々と応えていくことで意外な成果を上げることができそうです。新月はこの土星・火星とこれからセクスタイル(吉角度)で関わっていくので、新月の「変わらなきゃ!」という意志にうまくこの土星・火星の集中力を活かしていきたいところです。

ちょっと気になる星回り

4/17 満月(冥王星とTスクエア)
   月が蠍座入り
4/18 月が水星・天王星とオポジション
   月がバイア・コンバスタ(天秤座15~蠍座15度)抜ける
   水星・天王星が合
   月がドラゴンテイルと合
4/19 太陽・冥王星がスクエア
   月が土星とスクエア
   月が火星とスクエア

上記の期間、月は満月前後で不安定、かつバイア・コンバスタ(月はジリジリと焼かれる場所)を進み、その後次から次へと他の天体とハードな角度を形成していきます。太陽も牡羊座の最終度数あたりで冥王星からスクエアを形成していく、なかなか苦しい星回り。この数日は、感情のコントロール、または突発的な変化やアクシデントには気をつけたい感じです(太陽が牡牛座に入る4/21には、一変して穏やかなチャートに)。

変わらなきゃったら変わらなきゃ!

今年の新月は、変容を表す「8ハウス」で3回も起こります(ホールサインハウス)。2月は水瓶座(風の不動宮)・4月(今回)は牡羊座(火の活動宮)・8月(土の柔軟宮)で新月を迎えます。この3つのサインは、エレメントや区分がバラバラで共通するものがありません。土星・冥王星が次のサインに移動する2023年の転換期を前に、今年中にあらゆる面から変容しておくように念押しされているような気がします。「何を受け継ぎ自分の中の何を変容させていくのか」を意識したい一年。今回の新月はその2回目の変容です。受け継いだプロメテウスの「火」を将来どのような使い方をしていくのかも頭の片隅に描きながら、今月は新しい扉を開いていきましょう。

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