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12月14日「HOMME LESS」

 週末はだらだらしていた。夜はおなかが張りやすくて、ほぼ電源オフモードになる。午前中に活動しておくことが一日の充実度を左右するみたい!お風呂も夜入りたいけど、張って痛くなってくるので朝に変えた。だいぶ楽。家にいる間、ずっと食べてしまう。止まらないのよ…
 
 さて、先週見たドキュメンタリーは「HOMME LESS(ホームレス ニューヨークと寝た男)」。元モデルで、俳優、フォトグラファーとして活動するマーク・レイに密着したドキュメンタリー。イケメンでこぎれいなおじさんなんだけど、家がない。友人のアパートの屋上にこっそり忍び込んで、防水シートにくるまって夜を明かす。ジムに通ってシャワーしたり洗濯したりしているので、まさか屋外生活してるなんて思えないほどぴしっとしてる。おしゃれなピンクのマフラーをしていた。
 ぜんぜんしょぼくれていないけれど、ふとしたときに漏れる今の境遇へのぼやきにはひやっとする。好きなことをしても道は開けていかない。アパートに入るときは住人とすれ違わないように細心の注意をはらう。愛し愛されるパートナーがいない。実家も貧しい。冷蔵庫に食料が詰まっているのを見ると胸がいっぱいになる。これで見た目がパリッとしてなかったら、とても見てられないと思った。
 調子のいい、気のいいイケオジって感じの彼だが、今の生活を心から楽しんでいるわけではなさそうだった。「やるしかないからやっている」とでもいうような、燃えているのではなく、でも進むことが当然であるというような、彼の目が印象的だった。

 「無上の喜びを追求せよ。」この言葉に彼はこう付け加えた。「ただし悪夢を生きる覚悟で。」

 仕事をして生きていくっていうのはどういうことなのか。私は、縛られたくない、喜びを追求しないとやる価値がないって思っているけど、それは今安定したお給料をもらえて生活できているから言えることであって、彼のように衣食住のどれかを犠牲にしても、それでもやれるかというとそうではないと思う。そうやって思い切って軌道に乗っている人は目につきやすいけど、そうでない人の例を見ないようにしているだけやったんやな。自分の喜びを追求した結果の人生が悪夢になるかどうかはわからない。でも、可能性としては確かにある。仕事と生活は切り離せない。仕事と生きがいも切り離せない。そのバランスの問題なのかな。
 
 映像の中で彼は、「働けと批判される」「道を間違えた」と言っていた。「家賃の問題に悩まされず、自由だ」とも言っていた。最初は、強がっていてもやっぱりつらいんだろうとしか思わなかったけど、どちらも本音なのかもしれない。

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