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喪失感新婚旅行 [17] 甲府 ハンバーガー+クラフトビール=幸

甲府で泊まるビジネスホテルは、とっても古めかしい感じで、鍵も透明の細長い四角いやつが付いてる昔ながらの鍵だった。
本当なら、今夜行く予定のハンバーガーとクラフトビールのお店がやっているゲストハウスに泊まりたかったのたが、コロナ禍ということで宿泊はお休み中だったので、このビジネスホテルに泊まることになった。
でも、この古めかしいビジネスホテルの居心地はちょっぴり良かった。

チェックインをして、だらだらと過ごして、シャワーを浴びて晩ごはんを食べに出かけた。
この旅の後半は少し疲れが溜まっていたので、あまりアクティブになれなくなっていた。

軽めに街をブラブラして、アーケード街の古着屋さんに立ち寄ったりした。
そして、辿り着いたお店に到着して、おつまみを食べつつ、クラフトビールを飲んでいた。
このお店はずっと気になっていて、クラフトビールも沢山取り扱っているし、大好きなハンバーガーも食べられるから絶対に行きたいと思っていた場所だった。

「今日はどちらからいらしたんですか?」
と、お店の方が話しかけてきた。

「えっと、群馬から…」

それから、色々と話していくうちに、私たちのお店のことを知っていてくれていた人だということがわかり、火事のこと、これからの私たちのこと、同業者あるあるなど沢山話をした。
帰りにお店のオーナーさんと私たち夫婦で記念撮影をして、ビジネスホテルへ帰った。

ちなみに、このお店には翌年も訪れ、その時は宿泊をすることもできて、今ではお気に入りの場所ひとつである。
その時のエピソードはちゃめちゃで面白かったのだけど、それを書くのはまた今度。

翌朝、日記を書きながら少ししんみりとした時間を過ごしていた。
この旅があと何日かで終わる。
どれも素敵な出会いばかりで、出会ったたちのことを思い浮かべるとなぜか胸がジーンときてしまう。
まだ旅を振り返るにしては早いかもしれないが、旅が終わりに近づくにつれ、この旅での出来事は絶対に忘れないようにしなくてはと、ますます記録が進むのだった。

ビジネスホテルをチェックアウトして、私たちは静岡へ車を走らせた。

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