反省文 ~いつでも晒せられる自分でありたい~
私はおおよそ一年間、甘えすぎていた。
その結果を今日思い知ってしまい、今までの怠惰な行いを悔いた。
昼休みにマスクを外して鏡を見たとき、
『こいつは一体誰?』と驚いた。
『やばいやばい! 早くマスクで顔を隠さなきゃ!』と焦ったのだ。
なんという残酷な時の流れだろう。
顔にマスクというプロテクターをすることが日常となった今、時の流れの中で私の価値観は大分変わっていた事に気付かされた。
私は介護施設で働いている。
毎年インフルエンザが流行る季節は、マスクを着けて業務をすることが義務付けられていた。その何ヶ月かの間、マスクが鬱陶しくて仕方がなく、早く春になりマスクを脱ぎ捨て顔を晒したいと日々願っていた。マスク期間が解除されると、まるで夏休み明けに新鮮な気持ちで登校する子供のような気持ちで顔面を丸出しにして職場へと行った。久々に皆に顔面を晒すので、少し気恥ずかしくも思うが、それも1日もすれば全顔晒しにも慣れてくる。開放感に気分が良く、晒すことに対して前向きになれたのだ。
しかし、去年から今まで、マスク着用が続いている。暑い夏を乗り越えてしまうと、マスクを早く外して顔面を空気に晒したいという気持ちはなくなってしまった。
特に、寒い季節の今では、もはやマスクに依存してしまっているのかもしれない。
毎朝のメイクも適当だった。
どうせマスクで隠れるのだから、と。
それではいけない! 負の連鎖だ・・・!!
マスクに守られているから大丈夫。ちょっとやそっとの見せたくない部分はマスクで隠してしまえるから楽だと思い、お肌のお手入れを怠っていた!!
毎日欠かさずしていたフェイシャルマッサージや顔面体操は、いつしか日課ではなくなっていた。誰がいつやめていいと決めた!? と、過去の自分に物申したい。反省文を書かせたい!!
ああ、このままじゃだめだ。
マスクで顔面を隠せると安心できてしまうこの心理はとても危険だ。
早くマスクを脱ぎ捨て、この顔面を晒したい!と思えるあの頃の私に戻らなければ!!
私はいつもそうだ。
すぐに何かに甘えてしまう。楽できる方へと自然と、当然のように流れていく。そしてその結果が今なのだ。
マスクというプロテクターをいつ、どこで外しても、恥ずかしくない自分でいたい。
いつどこでも晒せる美しい顔でいられるよう、どげんかせんといかん!!
怠惰で過ごしてきた結果を年齢のせいにして諦めるのではなく、出来たことを甘えでやらなかった結果は、許すべきではないのだ!!
マスクで見たくない現実に目を背け、綺麗な幻想を作り上げるという甘え。私はそろそろ自分の尻を叩かねばならない。このまま、のほほんと甘えていたら、マスクの下は倍速で時を超えていくのだから・・・。
今日、その事実に気づけて良かった。
私は、怠惰な日々を送っていた。
ものすごく反省し、これから改善しようと気づけたのだ。
いつでも、どこでも、どんな時でも、不意にでも、マスクを外した時に、自信を持って晒せるような顔面でありたい。
そう。
マスクで隠すのではなく、マスクなしで堂々と歩ける日常を期待する自分でありたいと、強く願った。
大丈夫だ。まだ軽傷のはず。今腐らずここから立ち上がり、また努力を重ねていけばいいのだから。
まだ間に合う。信じて進むのだ・・・!!
さあ早く来い! 世の中の皆がマスクを脱ぎ捨てられる平和な日常よ。
いつでも顔面晒せるように、準備は整えておくから。
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