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1ヶ月勉強してJSTQB FLに合格しました!

現場での実践と1ヶ月の勉強期間を経て、JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)のFLに合格しました。
この資格は日頃テストを実施しているエンジニアや、テスト工程のマネージャーを担当している方がテストについて体系的に学ぶことができる資格です。
今回の合格を経て、テストの概要や受験方法、合格に至る勉強方法について記事にまとめます。


JSTQBのテスト概要

まず、JSTQBとはどのような資格なのか。
JSTQB公式サイトに概要が掲載されているため抜粋しました。

自動車、携帯電話、社会インフラ、企業システムなど、我々の身の回りは、ソフトウェアで占められています。すなわち、我々の身体や財産の安全はソフトウェアに委ねられているのです。しかし昨今の状況を鑑みると、ソフトウェアの品質や信頼性、安全性が十分に確保されているとは言えません。ソフトウェアの品質や信頼性、安全性の確保は急務なのです。
そのための重要な技術として、ソフトウェアテストがあります。システムトラブルの報道でしばしば目にする「テスト不足」というキーワードは、テストの工数の不足を示唆しているだけではありません。業界全体で、テストの技術力が低迷していることを意味しているのです。我々の身体や財産を守るために、ソフトウェア技術者全員が、テスト技術を向上させなくてはなりません。
業界全体で技術力を向上する手段の一つに、資格認定制度があります。我々JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)は、日本のソフトウェア技術者がテスト技術を向上させるきっかけとして、テスト技術者の資格認定制度を開始いたしました。

JSTQB認定テスト技術者資格 - TOP

私は現在SIerにて統合テスト以降の工程をマネジメントする立場にいるため、テスト工程の体制やスケジュール、課題検討に本資格で学んだ内容が活用できると考え受験を決めました。
しかしマネジメントの立場から見るとeasyに感じる内容も多くあったので、メンバーレベルからの受験の方がその後のキャリアに活用できる面が多いです。

因みにJSTQBについて調べているとISTQB(International Software Testing Qualifications Board)という単語が多く出てきますが、こちらは国際資格です。JSTQBとは相互認証を行っているため、JSTQBは海外でも有効な資格と言えます。

JQTQBの難易度と合格率

JSTQB FLの受験者数・合格者数・合格率は以下の通りです。
公式サイトのデータは2022年2月のものまでしかなかったので、直近4回分のデータです。

JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level試験 実施データ

回によってばらつきはありますが、合格率は5-6割。
基本情報技術者試験の合格率が4割程度であることを考えると、難易度の高い資格ではありません。
実際に受験をしてみた感想としても、
・試験範囲が狭い(シラバス一冊にまとまるレベル)
・見慣れない単語はあるが、暗記さえすれば2-3年の実務経験があれば感覚的にわかる
・試験時間が1時間で短く、全て4択形式

上記の点で合格率が高いのには納得でした。特にテストリーダーなどマネジメントのポジションを経験している方は感覚的に理解できる内容が多いと思います。

JSTQBの受験方法

JSTQBは全国のピアソンvueテストセンターで受験が可能です。
JSTQB認定試験申し込み Webサイトでアカウント登録を行い、センターの空き状況を見て予約します。

受験資格:なし
受験料:
22,000円
試験時間:75分 (NDA 5分 + 試験 60分 + アンケート 10分)
予約期限:
オンライン予約システム上で、受験日前日の午後 11 時 59 分まで
予約変更・キャンセル期限:オンライン予約システム上で、受験日時の 24 時間前まで

<JSTQB受験申込サイト>
https://www.pearsonvue.co.jp/Clients/JSTQB.aspx

受験地によって異なりますが、予約が取りやすいのと24時間前までキャンセルが可能なので、とりあえずここ!と決めた日程に試験予約を入れてしまいましょう。
モチベーション維持につながります。

JSTQB合格のための勉強方法

合格に向けて、以下の内容で勉強を進めました。

<勉強期間:1ヶ月(1日平均2時間程度)>
・1-2週:シラバスを1周する。
・3週:テス友(JSTQB向け対策アプリ)で問題演習し、全章解答率8割まで解けるようにする。
・4週:『徹底攻略JSTQB教科書&問題集』で問題演習。最後に模擬試験で時間配分を確認。最終的な正答率は9割ほど。

反省点として、『徹底攻略JSTQB教科書&問題集』がシラバスよりもかなりわかりやすかったので、シラバスを1周するより最初から教科書をみればよかったと思いました。正直ここまで内容が網羅されていると思っていなかったので、最初にサラッとでも目を通すべきだった…
また、テス友は本番よりも問題がeasyに設定されています。本番はシラバスの本質を噛み砕いてシチュエーションを問う問題が多いのに対し、テス友はシラバスの内容を暗記しているか問う形式です。学習範囲を一周した後で内容を覚えているか確認する意味で使用するのが良いでしょう。
解説はそこまで丁寧でないですが、「シラバスのどこに回答に繋がる内容が書いてあるか」を毎回表示してくれるので、正答率が低かった問題は何度か繰り返すと自然に内容が頭に入ります。

使用した参考書&ツール

ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation シラバス

JSTQB公式から出ているシラバスです。
試験範囲が網羅されており、テストについて体系的に学ぶこともできるため、合格後も参考にしたい内容です。
kindle版・現物両方ともあります。
1点注意ですが、2024年11月以降受験予定の場合はシラバスが変わります。
受験時期が11月以降になりそうな場合は以下の第5版を確認するようにしてください!

2024年10月までに受験する方は第4版でOKです。

余談ですが、資格試験の参考書は中古でもリセールが高額になる傾向があるので、メルカリで現物を買って合格したら売り払うのも手です。私は運良くメルカリで安く手に入れることができ、売却時の方が高い値段で売ることができました。


徹底攻略 JSTQB Foundation教科書&問題集 シラバス2018対応

正直シラバスより全然わかりやすいです!
シラバスを1-2章読んで、「わかりづらい」と感じた方はこちらを先に読むのもアリだと思います(シラバス読まなくてもこれ読めば受かると思います)。
構成は各章の詳細な解説+各章末に10問程度の演習問題+最後に模擬試験。
テス友の問題よりも問題形式が本番に近いので、こちらを解いておけば本番で戸惑わずに済みます。最後の模擬試験は時間を測りながら取り組むといいでしょう。
欲を言えば模擬試験が1回分しかないので、3回分くらいあればさらに充実した内容だったと思います。

※因みにシラバス第5版対応の教科書&問題集はまだ発売されていません。


テス友アプリ

JSTQB FL受験者向けの対策アプリです。
JSTQBのシラバスの範囲を網羅しており、各章に対しての理解度をテストすることができます。

前述しましたが、テス友の問題は本番よりかなり簡単に作成されています。
本番ではシラバスの本質を噛み砕いてシチュエーションを問う問題が多いのに対し、テス友はシラバスを暗記しているかを問う形式です。
そのため、こちらは学習範囲を一周した後で理解度を確認する目的で使用するのが良いでしょう。

テスト本番

当日は都内のテストセンターで受験しました。
テストセンターでの受験経験がある方は多いと思いますので、詳細な記載は省きます。
受験後の感想は以下の通りです。

テスト難易度:徹底攻略教科書の問題集とほぼ同程度。同値分割法などの計算問題は本番の方がやや難易度が高いが、しっかり理解していれば問題なく回答可能。
回答に悩む問題が1.5割程度あった印象。
時間配分:45分で全て回答。自信がない問題はチェックをつけ、最後の15分を利用して見直し。
テスト結果:受験後4日程度でJSTQB試験申込WEBサイトで確認可能。参照できる結果は合否のみで、点数はわからない。 
合格認定証:受験後1ヶ月程度で自宅へ郵送。

点数がわからないのでどの程度できたかはわかりませんが、内容・時間配分ともに余裕で受かったと思える出来栄えでした。
勉強する期間もちょうどよかったです。

まとめ

統合テスト工程以降の統括リーダーを3年ほど担当していたため、改めてテストについて体系的に理解しようと考えたのが今回の受験のきっかけでした。
結果として、システムのテストについて深く理解することができ、テスト工程を担当する部下へも薦められる内容であると感じました。
難易度は比較的easyですが、テスト工程を担当するエンジニアやマネージャーには実績をアピールできる非常に価値のある資格です。現にこれまでに出会ったエンジニアの中にも、こちらの資格取得実績を名刺に記載している方に複数出会いました。
このnoteを見て興味を持った方はぜひ挑戦してみて下さい!

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