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永遠なんてないと知っていたのに

大好きだったカレー屋さんが閉店していた。

またいつか行きたいと思いながら、家から少し遠いので腰が重く行けていなかった。どうやら閉店したのは去年のことのようで、気づくのがあまりにも遅すぎた。「移転を前提とした閉店」ということではあったが、まだ予定はなく、いつになるのかわからない。

そのお店のカレーはシャバシャバとした南インドのカレーで、ごろっとしたジャガイモ、複雑なスパイスの香り、ピリッと辛い味、一緒に食べる付け合わせの玉ねぎ。どれもこれも美味しくて、今思い出してももう食べられないのが悲しくて泣きそうになる。

大学時代から卒業してからしばらくはたまに食べに行っていた。1人でも入りやすいお店で、カウンターとテーブル席が1席のみ。人気店ではあったはずだけど、いつも待たずに入ることができた。

その周辺には、他にもカレー屋さんがあって、昔よく行っていたお店のなかには今はないお店もいくつかある。それもそのはず、大学を卒業してからもう10年以上経っている。今もやっているお店のほうがものすごいことなのだ。飲食店が長く生き残るのは難しいと聞く。ましてやカレー激戦区の地域なのだ。

永遠はない。一生変わらないことなんてない。わかっているつもりだったのに、目の当たりにして少し動揺している。もう、食べられないのか。もう一度食べたかったな。

いいですか?食べたいものは食べたい時に食べ、行きたいところには行き、会いたい人には会って、推しは推せるときに推すのです。

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