【映画感想】最後にやっと理解する『彷徨い』
ジャンル的にはスリラーの『彷徨い』を観た。
おすすめかと言われるとそうでもないのだが、不穏な空気好きとしては面白かった。たとえば『窓辺の女の向かいの家の女』とか、『瞳の奥に』とかの雰囲気が好きな人は好きかもしれない。
「これは一体、何の話なの?」と全然わからない話が好きだ。Netflixではそういう系統のものを定期的に配信してくれるので助かる。予告でぜひこの不穏な空気を感じてみてほしい。
好き度:★★★☆☆
こうして感想を書き始めておきながら、あまり書くことがない。途中でやめずに最後まで観ているから、つまらなかったわけではないのだが、どこに注目して見ればいいのかわからなかったのだ。
原題は『The Strays』。strayとは道に迷う、はぐれる、外れるなどの意味だ。名詞では迷子。見ていくうちに気づく。どうやら最初に思っていたような話ではないらしい。言い訳をして逃げて、彷徨う人の話だ。
その背景に何があったのか、その内面まではあまり描かれないのは意図的だったんだろうか。この人の話だったんだ…!と気づいたときには映画は終わっていた。
ラストは衝撃で笑えてきた。4人の後ろ姿が忘れられない。